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Intelligence lies in abstraction ~ 知能は抽象空間にあり

こんにちは!
今回は、私が最近考えていることについて言語化してみようかと思います。

それは、
『知能は抽象空間にある』
ということです。

これはどういうことを言いたいかと言うと、
人の知能は、それこそ学校での勉強や仕事を含めた様々な経験や人との交流など、日々の脳に入力された大量の情報から取り出した抽象的な概念そのものだということです。

これはまさに人工知能の学習過程において特徴量を取得するプロセスと同じです。ディープラーニングの学習では、大量のデータをモデルに学習させることでモデルが特徴量や特徴表現となるパラメータを取得します。そのようにして学習したモデルが新しいタスクを与えられると、特徴量として学習している範囲の精度で問題を解決しようとします。

抽象的な概念を理解することは、様々な異なるコンテキストの経験や知識から特徴表現を無意識レベルで理解することなのだと思います。

例えば、赤ちゃんの仕草や表情でお母さんは赤ちゃんが何を望んでいるかを瞬時に理解することができたり、経験豊富なドクターが患者の顔色などを見ただけでなんとなくどこが悪いのかわかることがあります。それは無意識レベルで特徴表現を理解しているからでしょう。

私は最近プロダクトマネジメントに関するコースをいくつか履修しているのですが、複数のコースで同じようなことを繰り返し学んでいて気づいたことがあります。それは、プロダクトマネジメントにおいて大切なことは、「フレームワークや方法論を覚えることではない」ということです。プロダクトマネジメントは、「抽象度の高い問題空間に具体性を描く」という仕事でもあるので構造的な考え方のフレームワークは非常に有益なのですが、それだけでは良いプロダクトマネージャにはなれないのだと理解しました。AppleやAmazonなどで長年プロダクトマネージャとして活躍されている方達の講演等を聞くと、より土台となる性質の重要性を話されています。そしてそれらを鍛えるには日々筋トレのように意識的なトレーニングを無意識レベルに落とし込むまで行う、ということです。

試験前の詰め込み学習のように、抽象的な概念を理解することなく大量の知識を覚えたところで応用力が得られないのは、知識のレイヤーが浅いからです。

こういったことを踏まえると、
「知能を上げるためには、様々なソースから学習する」ことが重要だと思います。
様々なソースから学習する、というのは机上の学習だけではなく色々な経験をするとか、旅行に行くとか、多様な種類の本を読むとか、多様な人と話す、など、自分の脳に多様性の高いデータを入力するということです。(ディープラーニングにおいても多様性の高いデータセットで学習した方が予測精度の高いモデルになることがわかっています)

そうして特徴表現として取得することで(=抽象的な概念を無意識のレベルに落とし込むことによって)、異なるコンテキストにおいても問題解決力を発揮することができるようになるのだと思います。


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