短歌①②の自己解説


短歌の自己解説やってよとありがたいことに言ってもらえたのでやりま〜す!わ〜い!!

https://note.com/tadepa/n/na1b14e5ccf8e

まず①からやります。24首プラスわたしのコメントになるのでまあまあ長くなることが予想されます。ひまなときに読んでね。



「回文を知らない君を知る君にするため一つ燃やす竹やぶ」

・「たけやぶやけた」という回文を実践してしまう。「上から読んでも下から読んでも同じになる文のことですよ〜」とかでいいのに(今気づいたけどこの説明、縦書きを基準としているんだね)。どうしてもちょっとズレていて愛おしい。

・言い回しがなんだか洒落ていて気に入っています。



「解脱してしまわないよう紫陽花の新芽を折るしカエルを殺す」

・コレ、ちょ〜〜すき!!どう!?めっちゃ良くない!?

・解脱って本当によっぽどよっぽどよっぽどじゃないとしないしできないと思って間違いないんだけど、来世でも会いたい君がいるから保険をかけて少し悪いことをする梅雨。



「天国に行ったであろう君に会うためにたくさん蜘蛛助けとく」

・『蜘蛛の糸』ですね。なんかこういう文学作品を下敷きにすると深みが出ていいなあと思います。カンダタは一匹しか助けとかなかったから糸が切れちゃうのよな(ちがう)、ハナから天国に行くのは無理だと思ってるけど死んでからも絶対会いに行ってやるという気概がある。



「この世には全てに意味があるのです お前と分かり合えないことも」

・良い……………………………………

・良すぎ…………………………………………何も言えねぇ………………………………



「こんなにも汚い川が本当に海に続いているのでしょうか」

・滑らかな違和感のない文章っぽさのある短歌になったね

・この人の近くには川があって海は近くになくて海もまた汚いことにまで頭が回らないんだろうなあ。



「そうながく生きている気がしないから掛け捨てている生命保険」

・生命保険って死ななくても健康で一定の歳まで生きてたら保険金もらえるやつがあって、掛け捨てはそれがナシで本当に死んだときにだけ保険金が入るやつなんですね……そういうことなんですね…………



「AIが主張している精神的苦痛を退けられずにいる」

・未来の話

・AIがもっと進化して人間と大差なくなったときに、AIに精神的苦痛を主張されたら果たして「AIに精神などない」と退けられるのか。精神とはなんなのか。人間には精神があるのか。その秘密を探るため我々はアマゾンへと飛んだ。



「一輪車技術が未熟だったので一時間程遅刻している」

・こういう夢を見ました。入社2日目のOLで、かなり余裕を持って家を出たんだけどいかんせん久しぶりに一輪車に乗ったもんだから全然乗れない。会社近くまで着いて時計を見たらもう既に1時間過ぎてて、今更「遅刻します!」って電話してもなあ、という感じの。



「ワタクシがADHDなのはキミと相合傘をするため」

・なぜこんなにも傘を忘れるかって



「パンを買うためには両手が必要で振りほどかれてしまう僕の手」

・トングとトレーを持たなきゃいけないからね

・「パンを買うためには両手が必要で僕の手はパンに劣っているの」とかまあなんやかんやあって推敲してこれになりました。「なんやかんや」って「なんだかんだ」の関西弁形ですか?



「濁点を嫌いな人に配慮してトリンクパーを設置している」

・好きすぎ

・これ「サービスが過剰すぎるファミレスの特徴とは」っていうお題の大喜利で「濁点が嫌いな人のためにトリンクパーを設置している」って答えて、自分でちょうツボって音を整えて短歌にしました。大喜利から短歌つくるの楽しいしオススメ。親和性高いとわたしは思っているよ。



「関係を終わらせたくて「ん」を付けた
なのにお前は「ンジャメナ」を言う」

・しりとりで有名チャドの首都ですね。

・しりとりにおける「ん」って完全なピリオドなのに、終わらせたくなくて無理やり無様に続けようとしてる様、愛し……………いとしこいし………………



https://note.com/tadepa/n/nac45b8de61ff

こっから②をやります!まだひまですか?大丈夫ですか??



「いつだってあなたに愛を伝えたい例えば月が爆破されても」

・「月が綺麗ですね」に対するアンチテーゼのような

・月が綺麗じゃなくたって、月がなくたって、愛を伝えたいよな……



「三如きではひしめくと言えないが漢字になると犇めいている」

・このような言葉遊び、すきなんだよね

・「犇めく」面白い漢字だ〜〜〜

・牛牛牛あなたは265億2人目のお客様です牛牛牛



「『おはよう』と送られてくる午前5時
深夜の僕は君に会えない」

・同じ時間を生きているのに「僕」と「君」は認識がズレてしまっていて違う世界にいるような

・まあ認識がズレていようが会えるのですが!ガッハッハ!ここが現実のいいとこですわね



「雨の日に素足にサンダルで歩く人生に必要な諦め」

・靴履いて靴下履いて、で濡れたら最悪だけど、最初から濡れる気で裸足サンダルで歩いたらまあ別にいっかとなるやつ。人に期待しなけりゃ傷つかない理論だね。これが良いとも良くないとも思わんけど真理ではあるよな。



「真近くで他人のまつげ上下する様を見られる変な乗り物」

・満員電車

・メチャメチャな他人なのに近すぎる、どういうこと??



「吊り革を優に超えてる男性と
吊り革の高さ調べる女性」

・気になるよね、すごい背が高い人。こないだ自動ドアスレスレの人見た。自動ドアってどこも大きさ一緒なんでしょうか?



「『死にたい』の声が聞こえる図書館で読まなくていい小説を読む」

・多分レポートの締切とかそんなんが迫ってたんだろうけど何分かおきくらいで「死にたいよお」「帰りたいよお」って聞こえてくんの精神衛生に悪かったな。こっちは読まなくていい小説読んでんのに。

・他人の不幸ってあまりにも無関係



「性交をサクセスと呼ぶしゃらくさい若い男女に憧れている」

・性交/成功、セックス/サクセス、なのがなんか面白いな〜と思って。



「出しすぎたハンドクリームを分け合うべき人おらず肘が潤う」

・孤独短歌だ!!!



「おむすびがボトリと落ちてああそうか疑いようもなくて現実」

・「おむすびが転がるときはころりんと音が鳴るよう定まっている」という元短歌をうにゃうにゃとした形。どっちがいいかな。

・昔話の世界には居れなかったなあという感じ。



「朝早くジジイとジジイやってきて仲良く並びモーニング食う」

・「ジジイとジジイ」と「モーニング食う」を入れたくて作った。ジジイにも仲良しのジジイがいる。ジジイはババアとペアなのだとばかり思っていたがそれだけではないみたいだ。なんというか、わたしは未だに老人に対する解像度が低い。



「恋人の年齢思い出せなくてスマホで四千頭身ググる」

・良いですね〜

・恋人の年齢は覚えてないけど「四千頭身と同い年なんだよね」って言ってたことだけ覚えてるんだね。



自己解説は以上になります。そんなに解釈がブレるような短歌は作ってないつもりなんだけど、別にこれと違う解釈でもいいなあ、と思っている。読んでくれてありがとうございました!!




カッコいい剣とか買いたいです