【詩】輝きの音を追って
暗い土色が広がる田
雪に到達しそうな風
自由に駆け巡る灰色
この前は
天日干しされた稲の穂が
だらりと下を向いて
ゆっくりと秋の輝きを
先端に集めていた
この前は
稲穂は輝く黄色で
田一面に広がって
やわらかい風が全体を揺らし
輝く音たちはウェーブとなって
端から端へ流れていった
輝きは人の中に入っていって
しっかりと落ち着いて
見えなくなった頃合い
灰色が破れて
次の季節の芽が出るころ
輝きを田に費やす
その輝きの円を見ながら
通り過ぎ
なにもせず
風といっしょになって
循環の音を聴いている
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