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【詩】3月のさようならを抱いてねむる

さようならを言って
朝の空をかける白鳥の
あとを追って
3月の風が
残雪に触れてくる

泥となって地中に沈むころ
空に響く声をつかまえて
その声を抱いてねむる

次の11月の空
声が鳴り響く夜に
抱いている声を照らし合わせて
共鳴する声といっしょに
空へ行くための符号

空から舞い降りるときの
さようならの声は
こんばんはとなって
降り立つときまで
眠るプロローグ


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