マガジンのカバー画像

【詩】

82
【詩】をまとめたものです。
運営しているクリエイター

2022年7月の記事一覧

【詩】シャンデリアという何か

シャンデリアを常闇のダークマターに沈めて 漬け込まれて包み込んだ常闇はシャンデリア 洞窟の…

【詩】億年前の森フェス

動物たちが隠れた森で 黒い雲がやってくると 突き刺す雨の槍で 地中まで届くビートを 叩きこん…

【詩】緑色はインテリアとなって

この充満する空気の水分を使って 僕らは糸を作り 糸から布を作って 自分の茎や葉に巻き付けて …

【詩】機械式風精霊

風をお送りします 追い風にも向かい風にもならない 弱い風をお送りします なまぬるい日にはな…

【詩】アートダンジョン

ダンジョンの入口は いつも同じでも 迷宮の中は いつも違っている 新たに生まれる小部屋に 新…

【詩】空泳ぐ

空を泳ぐ魚たちが はしゃぎながら急降下して 花や草や森を大きくなびかせて 通り過ぎていくと …

【詩】フルムーン7月

濃厚な緑があふれる森の深夜を ウルフは黙々と歩いていると 大きな牡鹿のつのが フカフカの地面に突き刺さっている 三又の成熟した牡鹿のつのは 誇らしげに突き刺さっている フルムーンのスポットライトが 森の枝や葉を無視して照らす 強制的サーチライトで 照らされた牡鹿のつのが 聖剣のように突き刺さっている 引き抜く勇者を捜しているのか 罠にかかる愚者を待ち構えているのか 深夜の森の小さな舞台で あやしげに 小道具として突き刺さっている このつのを頭につけて ユニコーンみたくなって

【詩】むらさきの星々

しとやかな雨の日は むらさき色のところへおもむき 紫陽花の輝きをいただいて 内面の部屋に飾…

【詩】世界線分岐点

その通路が いつもとまったく同じ空間ならば 自分で花を活けてみれば あとから来た人の視線は …

【詩】いつしか雨音となって

雨が降るとき 音が鳴っていて その音がノイズでないときは 雨音をつたって 雨雲や空と いっし…