アメリカで得た感覚

アメリカに住んでもうすぐで4年になる。正直、コロナで後半の2年弱は無茶苦茶であったが、それでもこの国が好きだと思えるくらいの経験をしてきた。

夫婦で渡米し、こちらで子供を授かり、絶賛子育て中ではあるが、自分の感覚的に奥さん子供をこれからも大切にできる自信がある。

「何を当たり前な」と思われるかもしれないが、日本生まれ日本育ちの自分としてアメリカの男性たちの仕事・家族に対する向き合い方や休みの過ごし方と、日本の男性の仕事・家族に対する向き合い方や休みの過ごし方などを見てきた中で、圧倒的に違うと思うのは人生の中での家族に置く重さの比重である。これまでの自分の経験上の話ということになり一般化はどうしてもできない話ではあるが、コロナ禍であることを置いておいたとして、現在の職場メンバーで上司に連れられて飲みに行こうか、さぁ忘年会だ、ということは基本的にない。日本人同士で昔の名残で飲みにいく、プラスα若手のこっちの子を連れて、もしくは友人と話が盛り上がり仕事終わりに行くようなことはこれまであったが、組織として飲みにいくことはまずなかった。あったのは送別会などのランチや、おやつタイムの誕生日のケーキ、誰かの家での家族つきのホームパーティー、あと学会遠征中のボスとのダンスパーティーだ。夕食は皆家族で時間を過ごしたいから、誰も日本式の過ごし方を望まないのだと解釈している。

2年前に日本の学会で一時帰国したときに、ちょうどアメリカの職場にいる若手の子がメディカルスクール(日本でいうところの医学部)に移るタイミングでバケーションが取れるとのことで、自分がちょうど日本に居てるので案内するよ、というと本当に渡航先に日本を選んでくれたことがある。彼自身は生まれも育ちもアメリカのアジア系アメリカ人(日系ではない)なので、マインドは完全にアメリカだ。彼の友人の弁護士のアメリカ人と二人で日本旅行をしにきたので、僕の地元の観光名所で待ち合わせをして晩飯+カラオケ+バーと連れ回した。バーのあるエリアを歩いているときに、クラブのホステスさんのキャッチや、他の客へのお見送りで女性がずらっと並んでいるところを見て、彼らは笑いながら明らかにひいていた。僕としてはあまりに当たり前の光景だったのに、そう言えばそうか、彼らは男女平等を疑うこともない当たり前の国で生まれ育ち、いわゆるホステス的な形で女性が働いている状況を今まで見たことがないのか、と驚いた。確かにそういう点では日本も非常にアジア的なのだなと納得した覚えがある。日本では男同士で飲みに行きその後お姉ちゃんの店に行くこともあるしなんかそう言うのって当たり前のように思っていたが、アメリカにはそのような文化はない。年齢的なものもあるのかもしれないが、そう言うのってもう要らないなぁと思ってしまう。慣れってすごいな。

そう考えると、自分が生まれ育ち学んできたこと・大人になり経験してきたことって、その国特有の文化に大きく影響されているのだと言うことを改めて実感し、それを人生のある時点で外から眺める機会を持てたことは気づきをくれてラッキーだった。こちらでは浮気、不倫なんて聞いたことないし、している人も見ない(自分が知らないだけと言う話もあるが)。日本では報道では叩かれることが多いが、そういったことはあまりに世にはびこっていて非常に身近な話題である辺り、それが起こりやすい環境に身を置いてしまっているのだろう。そしてそれは家族との距離感と大いに関係しているように思う。なんか書いてるとこんな流れになってしまった。コロナの利点は家族で過ごしやすくなったこと。今後も飲み会は断りやすくなるのだろうか。

さぁもう5時だ。家に帰って美味しい食事を食べようか。