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夏目漱石って実はかっこよかった件。

最近、思想系の本ばかり読んでいたのでちょっと疲れたな、と思い、職場への行きがてら、電車の中で夏目漱石の『草枕』を読む。夏目漱石なんて、高校生時代に課題で読まされた『こころ』以来。Kindleに入っていたのをなんとなく、めくってみた。

「智に働けば角が立つ。情に掉させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。」

という冒頭の一説が有名なこの作品、その後に続く文章に完全にやられました。

「住みにくさが高じると、安い所へ引っ越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生まれて、画が出来る。」

「越す事のならぬ世が住みにくければ、住みにくい所をどれほどか、寛容(くつろげ)て、束の間の命を、束の間でも住みよくせねばならぬ。ここに詩人という天職が出来て、ここに画家という使命が降る。」

と続くのですが、ここから先はぜひ原文を読んでください。

乾いた砂に雨が染み入る感じ?内容もしかり、そしてなによりも日本語の概念が変わるくらいの文体のカッコよさ。夏目漱石って、ここまでエッジのきいた作家だったのね。ということで職場についた瞬間に思わず同僚に「夏目漱石はすごい!」と共有してしまった。

明日からも『草枕』、ちびちびと味わいながら続きを読んでいきます。


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