見出し画像

革命のファンファーレ

いつもお世話になってる方から、
西野亮廣さんの新刊「革命のファンファーレ」を借りました。読みやすいし、テンポがとにかくいいからかなりすらすら読める。

本の結構な割合を割いて書かれているのが、絵本「えんとつ町のプペル」を作り始めてから売るまで。

やっぱり、今までの絵本も大きく違うのは
分業化して描かれたことによる緻密で繊細な絵と、
無料公開をしながらも増刷を繰り返している、そして自分で売る努力をしていること。

仕事で千葉に行った時、たまたまイオンモールで「えんとつ町のプペル」の展示を観ました。
すごく綺麗でした。
無料公開されたこの絵をスマホの画面で観ていたら、大きいサイズのものを手に取って観たくなるのも手元に残したくなる感覚もすごいわかる。
アートとしての嗜好の逸品になると思います。

コンサルティングや会計業界のなかでは行動経済学が少し前から盛んに研究されてます。
その中でも今回ノーベル経済学賞の主研究にもなっている「心理会計」が今回の話にしっくり感じました。

心理会計とは、
同様のモノを手に入れるとしても、その手段によって心理的価値が変わるというもの。

頑張って働いて稼いだ1万円と、道端に落ちていてくすねた1万円では当の本人の中で価値が変わるということ。
稼いだ1万円は無駄に使いたくないから大切に使います。
落ちていた儲けもんは、パッと使ったり。
この程度は人によるので定式化できない非合理的なものです。

絵本を無料公開したもの自体はやっぱり実際に買ったものの価値には敵わない。
無料公開することで、認知度を急激に高めて母数を広げている。
無料公開することで、充足して買わないという選択を取る機会損失もある。
しかしそれ以上の心理会計的に、価値ある資産として保持したい人を獲得できている。
結果、公開しなかった場合以上の子数を達成できている。

普通の経済学からするとやっぱり非合理的に感じるけど、この予測を予め立てられていたのだからすごいと思いました。
あと、そのほかの部分も読んでいて盗みたくなることはあったのでこの本を読めたのはラッキー。
こうやって書いてインバウンドマーケティングしたくなるのも、西野さんは予測しているのかもしれない。

忘れないための備忘みたいなコラムでした。

#エッセイ
#コラム
#革命のファンファーレ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?