ハコモノ放送部 アドベントカレンダー企画 12/13 「配信外でやってるマジ最高なゲーム3選」

第1節

ご前振り

えー、皆様。

(ゲイリーオールドマンはこんな事言わない。)

 ハコモノ放送部アドベントカレンダー、12月13日担当、ただのうまでございます。
 まさに師走というか、早いもので12月1日にスタートしたこのアドベントカレンダー企画も、遂に2周目のバトンが回ってきました。この間、内ゲバと内乱とデマとホラが大好きな我らハコモノ放送部が、8人も寄ってたかっていったいどんな作品を出してくるのかと思ったら、ンマァ~~~~~~~マトモな記事しか出しゃしねえ。こちとら恥を忍んでマ〇カーニャの尻を眺めたというのに。薄情者どもめ。内乱だ内乱。
 というわけで私も何かマトモな作品を出そうと思ったのだが、ただのうまの故郷には「12月にマトモな作品を出すと二度と子孫を残せない呪いに孫の代までかかる」という言い伝えがあるので、前回同様「トーク風原稿」を書こうと思います。
やってこう。

ご自己紹介

クリックすると私のチャンネルに飛ぶよ。本当に、申し訳ない。

 配信映えのために派手なゲームをやりがちだが、実は農業シムとかアクアリウムシムとかクッソヌルいゲームのほうが好きなバ美肉おじさん。謎解きをわかったつもりになって尺を稼ぐのが得意技。最近2時間以上の配信がマジで疲れる。

第2節

本題に入る前に

 前回はいつも私の配信を見に来てくれるリスナーたちのような悪鬼羅刹に楽しんで貰おうと、私が苦しんだゲーム3選を紹介したが、今回は「マトモな作品を作りたかったけど作れない」という負い目がある体で話を進めている。なので「配信外でやってるマジ最高なゲーム3選」をご紹介し、君たちに媚び諂い散らかしていこうと思う。震えて眠れ。

「M.A.S.S. Builder」

内なる小学三年生が踊り狂う最高のポージング。わかってんね。

 ガンダムブレイカー3の生き別れのそっくりさんみたいなゲーム。じゃあ別人じゃねえか。

 ただのうまはガンダムとメダロットとアーマードコアと武装神姫とメガミデバイスとフレームアームズに魂をバラ売りされた悲しい生き物なので、まずはメカもののご紹介から。
 君たちはヨ〇バシカメラやビッ〇カメラのプラモコーナーで、こんなことを考えたことはないだろうか。
 「あァ~、あの機体の胸とあの機体の脚、そしてあの機体の顔にあの武器とこの武器を組み合わせたら、サイッコ~~~に強くてカッコいいメカが完成するのになァ~~~」
 内なる小学三年生を抱えたオッサン諸君の誰もがバ〇ダイとコ〇ブキヤに唆され、このような邪念を抱いたはずだ。もちろん島博士もだ。
 しかし、そんな邪念を持つ者にプラモの神はこう言う。「ただのうまよ、お前はロクな工作技術もなく手先も不器用、おまけにパーツを加工、塗装する忍耐も真面目さも体力もない。時間と金の無駄だからやめなさい。」と。ブン殴りてえ。

 そして、人々を哀れんだバン〇イ神がガンダムブレイカーで愚かな民の悲しみをブレイクしそして内ゲバで民の願いまでブレイクしやがり、その間にタイの地母神(インディーズゲームメーカー)Vermillion Digital神が作り給うたのが、この「M.A.S.S. Builder」である。

実際のアセン画面。この時点でワクワクした君は勘がいい。

 このゲーム、パーツを自由に選んで自分だけの機体を組み上げるという、まあこの手のロボゲーでありがちな仕組みなのだが、なんと頭部は首含め4分割、胴体はバックパック込みで4分割、腰スカート部に至っては5分割のカテゴリーで構成されており、それぞれ画像にあるような選択画面からパーツを選んでいく。
 しかも、この手のゲームにありがちな「このパーツ、見た目はいいけど性能がなあ…」という悩みは一切ない。何せ、これらのパーツはあくまでガワ、つまり性能が一切変わらないのである。産廃なんて気にせず自由にガワを組み放題というワケだ。VTuberみてえだな。

追加オプションの一覧。興奮で高血圧が悪化する。健康診断が近いのに。

 しかも、各部位は8枠ずつ、オプションパーツを追加できる。オプションパーツも動力パイプから追加装甲、スラスターまでバラエティには事欠かず、それぞれ回転、移動、拡大縮小が可能。更に、これは各パーツ枠ごとに設定可能のため、頭は4分割×8枠=32パーツが盛れることになる。イクラ丼ならイクラが机から溢れる盛り具合だ。タイは今頃禁漁区になっているだろう。

武器カスタム画面。このめまいはもしや恋のときめきだろうか。

 無論、機体がカスタムできて武器がカスタムできない道理はない。しかも武器は近接、シールド、実弾、エネルギー弾、ミサイル、ビームビットと6種の武器を装備でき、戦闘中に各種4~8枠からの切り替えも可能。武器も近接なら剣やハンマー、実弾銃ならライフルやマシンガンなど、パーツの組み合わせで様々な戦闘方法が選べちゃう。ゲーム制作者は一体誰を人質に取られてこんなにもこのゲームを作りこんだのだろう。

内部パーツの開発画面。こういうスキルツリーもだいすき。

 パーツで変更できない機体性能は、この「開発」で資金と素材を投じ、作られた内部パーツで変更する。パーツはエンジン、OS、アーキテクの3カテゴリで構成されるが、カテゴリ内のどのパーツも加速や耐久、属性攻撃や射撃攻撃など、得意な能力が違うため、自分の戦闘スタイルに合ったパーツを取得できる。また、開発はスキルツリー形式のため、時間をかけてじっくりと有用なパーツを取得するか、自分の最強と思ったパーツを最速で開発するかもプレイヤーに委ねられる。おじさんに好かれるのが上手すぎる。

 この作品紹介だけで今の文字数が1,900文字超となってしまったため、戦闘については詳細を省くが、所謂「無双ゲー」型で、ちょっと小難しいギミックもあるが、大量の敵をとにかくブチのめす、それだけだ。わかりやすく、存分に好きな機体をブンドドできる。物足りなくなった場合は、自身の腕を試し大量の報酬を得る耐久ミッションも用意されている。
 残念ながら本作はアーリーアクセスで、日本語にはまだ完全に対応できていないが、オンライン共闘も可能で今後は四脚の実装(!!)が予告されているなど、まだまだこれ以上に伸びていく怪物的タイトルだ。
 プラモ屋で苦い思いをした内なる小学三年生に、クリスマスプレゼントに買ってみてはいかがか。



「Dinkum」

この時点でなんとなく何のゲームの遺伝子組み換えかは察せる。

 マイクラ、どうぶつの森、ステキな農業シムをた~くさん。全部混ぜるとむっちゃ楽しい農業シムが出来る………できた。

 というわけで、エイリアンだのオバケだの原住民だのに尻を追われるのに嫌気がさしたただのうまが、最近バカンスに出かけているのがこのゲーム。
 物語としては、末期東独のような国で先の見えない暗い人生を送っていた主人公が、ババアと二人飛行船で無人島に。そしてここを新しく街にしようという、どうぶつの森を越えてもはやONEPIECEクラスの無茶をやる流れ。幸い、この島は無人島だがモデルはオーストラリア。気候も穏やかで太陽は輝き、動植物や魚や昆虫、そして鉱山資源に恵まれた、至れり尽くせりのバカンス島だ。よゐこだったらヌルすぎて濱口がキレる。

見渡す限りの平原。目に映る全てが資源なので、一か月一万円生活だって余裕だ。

 ここまでは概ねどうぶつの森と変わらない。土地を自由に開墾し、整備し、建物を建て、道具をクラフトして素材を集め、虫や魚を獲りまくる。悠々自適のスローライフ、まさに楽園。もうバケモノとの鬼ごっこなんてコリゴリだ!
 しかし、このゲームはそんなどうぶつの森の焼き増しみてーなパクリゲーではない。ロボットポンコッツがポケモンのフォローゲームから独自の爆乳路線を切り開いたように、このゲームも独自の要素、というか、「こうだったらよかったのに」という他のゲームのステキ要素を的確に持ってきている。

 まず、住民との交流がない。というか序盤は自分以外の住人はババア一人。増えても店の店主がせいぜいだ。あとたまになんか自宅の入口ふさぐカンガルーとか。一応住民を誘致できるが、それらもショップ店員のような者が大半で、定期的にゲストハウスに来るため定住させなくてもゲームは成り立つ。

手前から商店、事務所テント、博物館、そして自宅。役割がない住民は全くいない。
ニートいじめだ。

 食事を運んでくる人との会話すら億劫でUberEatsすら使うのを躊躇う我々陰キャにとって、これほどの自由はない。住民となんか目が合って駈け寄られて話さなきゃいけない感じになったり、プレゼントが欲しいと言われ断れず泣く泣くニシキゴイを食わせたりする必要はない。君は思うがまま、鉱石を集めてもいいし、魚や虫を集めて金儲けしてもいい。!!ああっと!!
 こういった「バカンスに来ているのに一人で自由になれない不便さ」が、このゲームには全くないのだ。

 そして面白いのが、体力・スタミナの概念だ。
 この島にいるには何も、「私を食べてください」というブッダの前のトラのような殊勝な動物だけではない。ワニ、野犬、ハリネズミ、バカデカいネズミ、バケモノみたいな形相のモヒカンエミュー、電撃を放つエリマキトカゲと、危険な動物が大量に存在する。後半にいたってはもうモンスターだ。そんな動物たちから攻撃を受ければ、当然ひとたまりもない。
 また、自然たちも易々と資源にはなってくれない。朝から晩までどうぶつの森の村8つ分くらいはありそうなマップを駆けずり回り、島中を駆け巡る川を泳ぎ、一心不乱に斧やつるはしを振り回して、ようやく資源が手に入る。そうこうしているうちに、いつの間にかスタミナが尽き、倒れてしまう。
 そう、このゲームはただ漫然と生きていられる世界ではなく、サバイバル要素を含んでいる。多くを望まなければ概ね快適に暮らせるバカンスだが、そこは開墾魂熱い極東の島国の民、快適に生きるためなら多少の努力を惜しまない。

画面右下のモヒカンエミューにシバかれ満身創痍。オーストラリア怖っ。

 そこで役に立つのが農業と料理だ。このゲームはどうぶつの森から住民を追放し、マイクラから体力ゲージを搔っ攫った帳尻を合わせるために、牧場物語から農業を剝ぎ取った。暢気な面構えでひでえことしやがる。
 ともかく、この農林業という農業シムとしての色が、このゲームの資金繰りや体力・スタミナ問題を解決し、逆に体力・スタミナゲージが農業や街づくりの動機付けとして機能する。要するに、バカンスを楽しむためにより快適な街を目指して、有意義に働くことができるのだ。
 この絶妙な物事の必要性のバランスが、スローながらやりがいのあるゲーム体験を彩ってくれる。まさに思い描いていた理想のサバイバルバカンス、夢に見たDA〇H村、これにはよゐこもニッコリだ。

畑と材木所。コレだよコレぇ~~~(百姓根性)

 こちらもまだまだアーリーアクセス段階のゲームだが、既に地下行動マップの実装やマルチプレイヤーによるCOOPプレイなど、野心的な機能が充実しており、既に製品版並みのボリュームながらまだまだ目を離せないゲームである。幸いオーストラリアは今は夏。ストレス社会と寒い冬に心をやられスレきった方は、是非一度旅行に出かけてみてはいかがか。きっとステキなスローライフサバイバルが待っている。私は到着3日目でワニに食い殺されたけど。


「Manifold Garden」

 ただのうまは大変賢いので、いい加減バカのふりをやめて真面目な話をする。するぞ。
 「オズマ問題」という思考実験をご存知だろうか。簡単にかいつまむと「宇宙人に、"右"がどっちか教えるのめっちゃ難しくない?」という問題だ。ただのうまとしては、この問題は"前"という概念を定義できるかで難易度が変わると思っている。"前"が分かれば、あとは相手の体の左右の差を用いて右と左が定義できる。(本来は素粒子物理学の問題なのだが、どういうわけかこれを電話越しにやる、という話にすり替わったそうだ。どういうこと?)
 しかし、軸回転体(円柱やクラゲ型)だと、上下以外の全方向の定義に苦しむ。前後左右という概念は、我々の体が回転体ではないからこそ成り立つ概念なのだ。

これはただのうまが考えた「左右教えるの厄介星人」。ちょっぴり人見知りで、好物はバナナだ。

 ところで、"下"はどうだろう。コレは簡単、重力が働く先が下、逆が上だ。しかし、これは実は間違いで、我々は仰向けに寝れば重力は後ろに、俯せなら前に働くことに気づく。"方向"という概念は、重力とすら思ったより結びつきが弱いようだ。

では、そもそも重力の向きを上下前後左右、自在に操れたら?
その答えが、この「Manifold Garden」だ。

ヨ〇バシカメラのディスプレイでこれ見たときホントに腰抜かした。

 パズルの内容は単純で、一人称視点であちこちにある台座に、鍵となるキューブを運ぶ、たったコレだけ。いくつかギミックは登場するが、この茶運び人形にやらせた方が早いような大原則は変わらない。

大変シンプルなチュートリアル。これには「左右教えるの厄介星人」もにっこり。

 では、このManifold Gardenと茶運び人形シミュレータの境界は何か。ズバリ、重力を操れる点だ。
 プレイヤーは赤、青、緑、黄、紫、橙の六色の「方向」に対し、自由に重力を向けられる。今まで壁だったものに重力を向けて床にしたり、床から壁伝いに歩いて天井のゴールに行くことができる。ただし、重力を向けたい方向の「面」に触れられることが条件だ。
 
そして前述のキューブも、台座と対応した方向以外に重力が働いている時は動かせなくなる。この性質を解決、または利用するのがこのパズルの醍醐味だ。

台座の上で壁にへばりついているキューブ。台座に乗せるには?

 そして、重力の方向が自由なら「落下死」の概念がない。なんと空間は6方向にループした構造となっていて、時には建物が6方向に無限に繋がっていることもある。この性質を使って、普通は行けない場所に行ったり、キューブを運んだりする。これらの空間や重力の法則を上手く利用し、キューブを台座に届け、扉の先へ進む。このちょっとした、しかし全く我々の常識に反する世界に馴染むことが、このパズルを解く「楽しみ」になる。

目の前に映る構造物は無限に上下に伸び、そして前後左右に、今立っている場所と同じように建っている。

 何よりこのゲームの醍醐味は、空間的な制限や用途に捉われない、突き詰められた造形美にある。このゲームは仕組みの都合から、およそすべてのステージが立方体の組み合わせで表現される。整然と並ぶ90度の角の組み合わせは、先ほど紹介した空間の性質によって無限に幾何学模様を生み出し、得も言えぬ壮大な造形を生み出す。このゲームは先ほど言ったとおりシンプルなパズルゲームで、こんなに細かな造形は、全くもって必要ない。中にNPCがいるわけでもなければ、HPが回復するわけでもない。ただ、建っている。
 この「必要性から解き放たれた、無限と幾何学の構造美」こそ、このゲームの神髄だ。訪れる場所場所で、まるで現実の巨大建造物を見ているような圧倒的なスケール感と、現実にはあり得ない神秘性を感じ取れる。もういい加減ただのうまの貧相な語彙が枯れたが、なんか、こう、スゲエ。

天から地へと無限に伸びる無用の長物。

 パズル自体も非常によくできており、「普通の頭」では到底思いつかないような解法がいくつも存在する。思考の柔軟性に自信のある方は是非、この上下前後左右のない奇妙な空間でだけ味わえる美を目指し、パズルを解いてみてはいかがだろうか。

第3節

お終わり

 というわけで、ハコモノ放送部アドベントカレンダー 12月13日回、いかがだったでしょうか。
 今回は君たちに媚び諂い奉り散らかしまくる感じでお届けしたので、今頃君たちは感謝にむせび泣き、大地は汚れ、ナイル川の水は飲めなくなったことと思う。かわいそ。
 相変わらず字数が6,000字を越えほかのメンバーと比べコスパが最悪なので辟易しているが、私の担当回も残りあと一回。12月20日を迎えるまでに少しでも君たちが紹介したゲームを買うつもりになってくれることを祈る。いや、あの、回し者じゃないんで。ホント。一銭も入らねえの。案件じゃないし。案件ください。

アドベントカレンダーリンク

昨日(12月12日)

https://note.com/giva256/n/nc17f1ec96448?magazine_key=m71bddff570ad

明日(12月14日)

https://note.com/yoruchika/n/nfddefd3065d2

前回(12月2日)

https://note.com/tadanoumadx/n/n3a7293fedac8?magazine_key=m71bddff570ad

マガジン本体

https://note.com/whoyouknow/m/m71bddff570ad

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