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ハンバーグが焼けてねえ!

友人から材料をボールを使わずに直接フライパンでこねるハンバーグの作り方を教わったので、さっそく試してみた。

酷暑のおりは、いくらガンガン冷房を効かせても、生肉と生卵をこねくり回す気にはとうていならなかった。

焼き茄子、冷奴、夏大根のおろし、生野菜、刺身、それらのルーティンに買ってきた惣菜を皿に盛って、缶酎ハイで流し込む夜がもう三ヶ月近く続いているのだ。
ようやく朝晩は開け放した窓から虫の声と涼しい風が入り込むようになり、ここらで料理らしい料理の一つも作ろうという気になったのだ。

それなのに、ああそれなのに!

無表情に夫が言う。

これ、中赤いで。

やっちまった。

フライパンの中でこねたまでは良かったが、小さく丸めて焼くいつもの行程をすっ飛ばした。
私は加減というのがよくわからない。
よく火を通さねば、と思うと焦がし、それならばと蒸し焼きにすると水浸しになる。

冬ならば煮込んでしまうが流石にまだ煮込み料理は欲しくない。

それでいつの頃から、ハンバーグは小さく丸めて焼くのがセオリーになった、はずだった。
新しいことを試したために、すっかり忘れてしまった。

あら、いやだ。
ごめんね、チンしてくるわ。

夫は相変わらず無表情で

これくらい、大丈夫だろう。

と言う。

大丈夫じゃないよ。
様子を見ながら二回ほどレンジで加熱した。

夫はソースの水分が飛んだと言って、ウスターソースをじゃぶじゃぶかけて食した。

たぶん次のときにはフライパンひとつで作る記憶は消えていて、鼻歌まじりにボールで材料をこねて、小ぶりのハンバーグを作るだろうと思った。

※ヘッダー画像はハタモトさんよりお借りしています。美味しそうです😍
ありがとうございます♪




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