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受け容れる

「受け容れる」をずっと、「受け入れる」と書いていた。

この間港や灯台のあたりをドライブして、ガンペキには岩壁と岸壁があるのを再認識した。
それ、書き分けていたかなあ?
自問した。
変換候補に上がってきた順にチャチャっと打ってるだろ、何も考えずに。

母は来ました、今日も来た
このガンペキに 今日も来た

この歌を耳で聴いて、断崖絶壁に立って彼方の息子を案じ、泣いている母の姿を思い浮かべていた。
帰還するはずの息子を乗せた船が着くのは岸壁で、岩壁じゃねえよw

知っていて当然らしいことを知らずに半世紀以上生きてきて、ある日突然知って驚愕した。
不意に耳の後ろを触った指が、鼻先を掠ったのだ。
耳の後ろって…

子どもの頃母親にお風呂に入れてもらい、身体の各所の洗い方を教わった、と思う。
私は長女だし核家族だったので、父母以外に教えてくれた人はない。
その時に、耳の後ろをよく洗えと、教えてもらったのを聞き逃したか、忘れてそのまま一人で入浴する年になったものだろう。
髪や顔を洗う際に、ついでには洗っている。
はっきり言って、それでは不足に思う。
私は自分の身体のこんな身近な部分から、こんな強烈な匂いを発していたのにどうしてこれまで気づかなかったのか、とても不思議だ。

そこまで考えてはっと思いついた。
私はこの厳然たる事実を、息子たちに教えていない。
果たして夫は教えたろうか?
期待うす!
彼らは耳の後ろを重点的に洗うと教えられていない負の連鎖を、受け継いでしまっている。
このまま放っておれば孫の代まで引き継がれてしまう。
息子は毎晩息子をお風呂に入れているのだ。

そうだ、家族LINEで告知しよう!
しかしなんと書けば良いだろう?
そんな重要なことをしっかりと教えないまま世に送り出したことを責められるかもしれぬ。
私からのLINEを読んで、深い後悔と恥辱とに苛まれるかもしれない。
直球ではなく、変化球で行こうか?
いかにもそれは常識であり、自分も遂行してきたかのように、軽く。

耳の後ろってさ、三回くらい石鹸で洗うよね。


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