見出し画像

実家の跡地に行く

三月末から四月初めのお出かけ記録の続きです。
前回はこちら

新鎌ヶ谷の駅で腹ごしらえのあと、墓参りの前に寄り道をして実家の跡地を訪れた。

2020年の夏、コロナではない肺炎に罹り、たった四か月の闘病ののち父は他界した。
遺産相続が完了したのは2022年の春、わずかな財産だったが一年半余りかかった。
早い方か…複雑ではあったが揉め事はなかったし。

実家を取りたい相続人がいなかったので、司法書士事務所に一任して遺品整理を行い、建物を取り壊し更地にして不動産業者に売却した。
曰く名義人の没後三年以内にその処理をすれば、土地を売却する際の所得税が免除になると言う。

しかし一つ問題が起きた。
所得税免除の条件として、名義人の死後は居住者がなく空き家になっていなければならなかった。
継母は数年前から老人保健施設に入所しており、父が亡くなって数ヶ月後に施設で腰の骨を折り入院して、そのままよく年春亡くなった。
だから実家には住んでいなかった。
ところが、老人保健施設は住民票の移動がないので、継母は実家に住み続けていたとみなされると言う。
敏腕(!)司法書士は老人保健施設から継母の利用契約書のコピーを取り寄せ、市役所や税務署にかけ合い、継母が実家に住んでいなかったことを認めさせた。
参考までに、例えば、娘の家に身を寄せていた、なとどいう場合は証拠となる書類がないので認めてもらえなかったらしい。
引き続き住む予定がなく所得税免除を活用するなら、遺族は即住民票を他に移すことである。
(法律が変わっているかも知れないのであくまで参考までに)

私は実家には七年くらい住んだだけで土地に馴染みがなかった。
父は実家の兄(本家)から土地を譲り受けて家を建てたが、なぜか庭の何分の一かを実家名義のまま使用していた。
父が亡くなると直後に、代替わりした本家のお嫁さん(父の甥の妻)からその旨伝えられた。
ウチがずっと固定資産税を払っています…と。

私が相続して管理し続けることも考えたが、遠方で空き家の世話が難しいし、この先値が上がる場所でもないし、固定資産税や火災保険の費用、他の相続人に分配する費用もいるし、立て替えの固定資産税を支払い、幾らかで買い取らなければならないだろうしで、父には申し訳なかったが処分することにしたのだった。

本家の土地分は道路に面しておらず、小屋くらいしか建てられない程度の面積だったので(しかし何を考えてこんな残し方をしたのか)父の土地と合わせて売却してもらえれば渡りに船らしく、立て替え固定資産税のことは以後言わなかったのでほっとした。

これらの手続きはコロナ禍のおり、全てオンラインで進められた。
司法書士と不動産業者、遺品整理業者に会ったのは一度きりである。
すごい世の中になったものである。

昨年秋、父の三回忌で鎌ヶ谷に来たが、飛行機の出立が迫り実家の跡地がどうなっているのか、寄る時間が取れなかった。
妹たちは寄ったが、夏のなごりもあり、背の高い草が生い茂っていたとのことだった。

それで、その後どうなっているのか見に行ったのだ。
もう私には関係のない土地なのだけれど…

実家と本家の区分がすっかりわからない更地は、きれいに二分割されていた。
片方に家が建つようで、○○様邸と書かれた看板が立っていて、簡易トイレも設置されていた。

どんな人が住むのだろう、
小さな土地だもの、今流行りの平屋の二人暮らしかもしれない。

今度来る時には完成しているだろうか?


実家跡地

つづく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?