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トレイルランニングレースの応援に行く

次男が奥出雲、さくらおろち湖トレイルランニングレースに出場したので応援に行きました。

次男は中学から長距離走を始めて、高校、大学と続け卒業後は実業団チームに所属し通算約十八年走ってきました。

レースを追いかけて中国五県、京都、滋賀、東京、群馬、神奈川、北海道、九州、四国…
ひとりで、夫と、ごく稀に私の弟妹たちと、おかげであちこち訪ねて歩きました。
 
私も夫も長距離走について研究することもなく、応援してくれる人を集めるでもなく、ただ次男が走り抜けるのを声援する、そのわずか数秒間がすべてでした。
いつもいつも、無事に走り終わるのを祈り見届けていました。

特に優れた記録を残しはしませんでしたが、チーム内では常に一線に居続けていました。
けれども、コロナウイルスが蔓延し始めたのと奇しくも時期を同じくして次男は失速しました。
 
この春陸上部引退と同時に異動になり、大学時代から続いた賄いつきの寮生活から、小さなキッチンとお風呂のある独身寮に住み変わりました。

十八年間も打ち込んできたものを失い、燃え尽きてしまっているのではないかしら?

それは杞憂でした。

新しい住処のインテリアや料理を楽しんだり、これまで禁止されていたオートバイに乗るために免許を取りに行ったり、普通の三十代の勤め人の生活を満喫しているようです。

急に走るのをやめると太るし、やっぱり走るのが好きだから、と、今後は市民ランナーとしてレースを楽しむとのこと。

トレイルランは初めての経験で、私たちも初めての観戦でした。
山の中に入り込むわけにも行かないので、道路に出てくるエイドポイントの周辺で待っていました。

獣道のような細い道から姿を現した次男は、バンザイするように両腕を上げて、ガッツポーズをしながら、私たちにニヤけた笑顔を送り、駆け抜けて行きました。


さくらおろち湖トレイルランニングレース

こんな楽しそうな表情で走っている次男を見るのは初めてでした。

惜しくも優勝は逃しましたが、仁多米10キログラムの賞品は嬉しかったようで、今度は津山の57キロトレイルランニングレースの参加を決めたようです。

津山に応援に行くのが今からとても楽しみです。

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