学校の桜
3人の子供たちが通った小学校はもう無い。
末の息子が5年生の頃に統廃合が決まって、廃校になった。建物は残って障がいのある人たちのデイケアの場になり、校庭ではお年寄りがゲートボール。
校庭には桜が何本も植わっていて、今が盛り。
校舎側の桜は大分くたびれて花もまばらになってしまったけれど、門扉の所にある桜は、みっしりと咲いて豪華だ。花曇りの午後、通り掛かって、思わず写真を撮り、子供たちに送った。
人生は速いな。
あんなに、友達との揉め事や、先生との衝突や、お母さん同士のいざこざなんかがあったのに。
その度に辛くて、自分以外みんな変、とイヤになる日もあったのに。
子供たちも親になり、あと数年経てば、孫が小学校に入るのだ。
人生は速いな。
嫌なことも、悲しいことも、彼方に飛び去ってただの想い出になっている。
想い出はパステルのように淡い色合いで、人の圧は少しも無い。
時間は、そして自分の生命の道のりは、こんな風に人を運んでゆくのだな。
桜咲いてたな。
毎年咲くな。
ありがたいな。
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