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心理学の知見:自分はまるで機械の一部のようだ、という感覚

「組織の中で働いていると、自分が機械の一部として扱われていると感じたことはありますか?」


こう聞くと、ほとんどの人がそういう経験を、答えることができるんですね。


つまり、組織は、この感覚を引き起こしやすい装置になっているんですよね。


さて、そう感じると、どうなるのでしょうか。


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フランスの研究グループは、665人の従業員を12週間にわたって調査をした。


#発見
調査開始時に、機械の一部のように扱われていると感じていた人は、6週間後、自分の気持ちを隠し、作り笑いなどその場に必要な感情を演じる傾向があった。


さらに、その6週間後、そうしていた人は、仕事の満足度も低く、感情的にも疲弊していた。


組織が従業員を機械のように扱うと、従業員は本心を隠すようになり、従業員のウェルビーイングは低下することが分かった。


この研究グループは、組織ができることの例として、以下を指摘:
①個々人の貢献をフェアにみる(例:不当に働かせない)
②リーダーの言動を改善する(例:メンバーの手柄をとらない)
③仕事を上手にデザインする(例:メンバーが改善提案できる)


・・


自分はまるで機械の一部のようだ、という感覚とは、つまり、自分のニーズ、感情、願いを聞いてもらえていない感覚です。


この感覚をもっていると、自分の感情を抑圧して、作り笑いなどの感情労働をするようになると。


一見、物事はスムーズで、なんの争いもないようにみえるでしょうね。でも、実際は、メンバーの内面は満たされていないのかもしれません。


メンバーの内面を理解することの大切さを感じますねー。


Nguyen, N., Besson, T., & Stinglhamber, F. (2021). Emotional labor: The role of organizational dehumanization. Journal of Occupational Health Psychology.

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