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「ファシリテーターの道具箱」読んでコメントしてみた

はじめに

「ファシリテーション」
そもそも単語としては
容易にすること、便利化”という意味。

一般的には
会議や研修、ミーティングなどさまざまな活動の場において、良質な結果が得られるように活動のプロセスをサポートしていくこと”。

☞ポイントは、
当事者というより利害の外にいる(ような)中立的な立場で、
結果でなく“プロセス(各位の気持ちとか相互の関係)をサポート
”するという点。

この本では、、、
ファシリテーターのマインドとして
たとえば、ある問題に前にした時、自分が答えを出そうとするのではなく、その前に「チームが前向きに創造的な議論を展開するためには、自分はどう働きかければいいか?」と自分自身に問いかける「心の姿勢」~~~とあります。(はじめにi)

➡従い、
会議の所要時間とストレスが減り(満足度=エンゲージメントが上がり)、決定事項の実行度が上がる! 
そう期待できます。

しかし、マインドだけでは実行できず、具体的なHow toとか手法が必要です。。。
その手法を分かり易くまとめてあるのが、この書籍です。

「これだけは身につけたい道具8」
「シンプルに考えるための道具13」
「愉快にロジカルに進める道具16」
「実行力を高める道具12」
と49の道具が紹介してあります。


「これだけは身につけたい道具8」

①アイスブレークⅠ
●ウソつき自己紹介 ●他己紹介 ●マイブーム
➡初対面の人達とチームを組む際にとても使える道具です。ほんの数分で馴染めます。

②アイスブレーク(うち解けるお遊び)
●顔ジャンケン
➡会議が煮詰まったり、雰囲気が険悪になった時に使えるかもしれません。

③グランドルール
➡とても、使えます! 私は「ガイドライン」と呼んでよく使います。会議の最初に10~20分かけて造ります。時間がもったいない!と思われがちですが、結果、決定事項数も増え、納得度合も上がります。


④パーキングエリア(PA)
➡これも、とても、使えます! 何といっても、自由に意見を言える安心感がアップします。


⑤ブレーンストーミング(ブレスト)
➡これも、とても、使えます! というか、皆さんもお馴染みではないでしょうか。⑥親和図の前段階でもありますね。


⑥親和図
➡これも、とても、使えます! ⑤で“広げた風呂敷”をたたむために必須の道具ですね。⑤だけでは散らかしっぱなしになりますから😅。


⑦ゴールツリー
➡これも、とても、使えます! ⑤⑥のアイデアを目的と手段に分類するというか、体系立てて実行し易くするために必須の道具です。


⑧4W1H
➡⑤⑥⑦の仕上げで使う道具です。一般的には5W1H(Why・Who・What・When・How)ですが、Whyを除いたところがミソですね。


「シンプルに考えるための道具13」


①アイスブレークⅡ
●ブレストでGO ●漢字テスト ●面白いこと探し
➡これは使えます。2回目以降のMTGの最初や、煮詰まったり雰囲気が険悪になった時に使える便利な道具です。私は「Good 3things」なんて●面白いこと探しに似た手法をよく使います。


②トークボール
➡これは、とても、使えます! 効果絶大です。私はスウェーデンのコンサル連中に教わりましたが、ボールより子犬や子猫のぬいぐるみを使うと和んでイイです。


③コントロール可能・不可能
➡ 「これだけは身につけたい道具8」の⑤ブレストと⑥親和図の間に使うととても効果的です。


④モア・レス
➡ ビジョンづくりに限らず、「これだけは身につけたい道具8」の⑤ブレストの補強補完道具に使えます。向こう1年で、向こう10年でと、期間設定で出てくる内容が様変わりして面白いです。


⑤As is To be
➡一般的にも会議は手段に終止がちなので、必須の道具です。現状→ありたい姿と進めるのをフォアキャスティング、ありたい姿→現状と進めるのをバックキャスティングといいます。課題によって使い分けます。


⑥プロコン分析
➡意思決定の最終段階で使うと効果的です。 「これだけは身につけたい道具8」の⑤⑥⑦⑧と進めて、最終案を補強する時に活きる道具です。


⑦プロセスマッピング
➡ 「これだけは身につけたい道具8」の⑦に似てますね。社内業務フロー図に近いかな。でも、ボトルネックを見える化する道具と解釈すると貴重です。


⑧ペイオフマトリックス
➡ここでは効果とコスト(実現までのスピード 所要時間)の2軸を紹介してますが、軸の設定次第でいろんなことが見えてくる一般的だけどパワフルな道具ですね。


⑨日の丸分析
➡③コントロール可能・不可能と同じで、「これだけは身につけたい道具8」の⑤ブレストと⑥親和図の間に使うととても効果的です。


⑩ニュースペーパーテスト
➡これは面白いです。意識して他人事として面白がりながらやるのがコツです。結果、「これ、相当ヤバいよね😱」ってなったりします。


⑪マンダラート(Mandal-art)
➡ 「これだけは身につけたい道具8」の⑥親和図に近いですね。親和図より手っ取り早いけど、親和図の方が抜けがないカナ。。。


⑫パレート分析
➡3M(ムダ・ムリ・ムラ)をカットするのはアタリマエですが、必要なことも敢えてカットして競争力をつける時に有効です。なので、本誌のタイトルは誤解を生むと思います😅 そして「パレートの法則」は知っておくべき法則です!


⑬振り返りタイム
➡振り返りする時間があるなら、もう一つ仕事を、もう一つ議題をと考えがちですが、仕事や議題を犠牲にしても「振り返りタイム」を取る方が成果が出ます! これは、証明された事実です。なので、職場でも、少なくても週1回は使ってほしい道具です。


「愉快にロジカルに進める道具16」


①チームビルディング
●ペアで道案内 ●ペーパータワー ●ラインナップ
➡どちらかというと、各種研修内で実施する実習(体験学習)のパーツというか道具です。


②一言チェックイン・チェックアウト
➡これは、とても、使えます! というか、MTGの冒頭で必ず使ったらいい道具です。 「これだけは身につけたい道具」に入れた方がいいと思うなぁ。。 。


③W/Cシート
➡とても、使えます! 最初のMTG冒頭と最終回に使うとイイ道具ですね。


④ワールドカフェ
➡ あまり使う機会はないと思います。50人とか100人規模の会議では便利な道具です。


⑤2分割リフレーミング法
➡とても、使えます! 製品・サービス・施策・アイデア…全てメリット(強み)デメリット(弱み)はあるので。後に出てくる、かの有名な「実行力を高める道具12」⑪SWOT分析の簡易版ですね。


⑥ロジックツリー
➡とても、使えます!「これだけは身につけたい道具8」⑦ゴールツリーとほぼ同じです。目的の違いですね。


⑦フィッシュボーン(石川ダイアグラム)
➡ これも超有名ですね!使えます!「シンプルに考えるための道具13」⑪マンダラートのカタチが違う版とも言えますね。ということは「これだけは身につけたい道具8」の⑥親和図とも近いですね。


⑧マインドマップ
➡15年くらい前に流行ったなぁ。「これだけは身につけたい道具8」⑤ブレスト→⑥親和図を一緒にやっちゃうような道具です。名前の通り、感情とか印象とか「マインド」を見える化する点が面白いです。


⑨できていることチェック
➡「シンプルに考えるための道具13」③コントロール可能・不可能や④モア・レスにに似てますね。たしかに、思いつき易い“できていないこと”を出し切った後、“できていること”を出すと、スッキリ明るい気持ちになれそうですね。


⑩タンク
➡私はピンときませんが、課題によっては使える道具なのかも。。。


⑪リーダーズ・インテグレーション
➡ これは私、金沢営業所長に就任した時(30年近く前 笑)にやりましたが、とても効果的です。ただ、使える場面がかなり限定される道具です。


⑫ジョハリの窓エクササイズ
➡ これは、超有名で、超古典的な道具です。たしか1950年代に発表されたもので、未だに多くの場面で使われています。なので、本誌に紹介されている用途以外にも、様々なアレンジができる超便利な道具です。


⑬メンバーの取扱説明書
➡各自、少し笑いが取れるように作っておくと、何かと便利な道具ですね。真面目に書かない(読んでてつまらない)、盛らない、謙遜・遠慮・忖度しない、可能な限りホンネで書くのがコツだと思います。


⑭オポチュニティマッピング
➡ちなみに、天から降ってきた機会をチャンス、自らのチカラで創り出す機会をオポチュニティと使い分けます。縦軸横軸を用い、可能性とか注力する領域を面積で見える化するのがポイントですね。


⑮PREP法
➡ いわゆる、話し方のコツです。全ての人が常に活用したい道具です! 「お話ししたい事は〇〇です。なぜなら△△だからです。◇◇という事例があります。従い、〇〇なんです」という具合に。


⑯n/5投票法
➡使える道具です。対象外にした4/5の事が気になりますが、結果は1/5と同じってことが多いです。

「実行力を高める道具12」

①フォースフィールド分析
➡「愉快にロジカルに進める道具16」⑫のジョハリの窓に匹敵するくらい、超有名で、超古典的な道具です。「力の場の分析」といいます。マネジメントに物理学の発想を持ち込んだ画期的な道具です。 すべてのコトにも働く“推進力”と“規制力”が均衡してるから状況が変わらん。この均衡を壊せば変わる。推進力を強めると同時発生的に規制力が発生するから、規制力の弱体化や排除が上手くいけば状況は前進する。。。という極めて泥臭く優れた道具です。

②ステークホルダース分析
➡これも、必須の道具ですね。多くの事は属人的なので、これ使っとかないと、MTGの決定も、キレイ事になりますよね。😅

③デシジョンツリー
➡必ずしも金銭換算し難い課題でも使えますね。サクッとやっとくだけでも、ファイナルアンサー(最終決定)に対する不安が減ります。

④期待と課題のマトリクス
➡本書にあるように、「これだけは身につけたい道具8」⑤ブレーンストーミング(ブレスト)を補完する道具ですね。セットで使ってもいいかも。

⑤思考システム図
➡これは、難しくないし、効果的な道具ですが、使うタイミングが難しいと思います。メンバーが今の思考パターンに不満を感じていないタイミングで使うと、ファシリテーターが浮いてしまいます😱。

⑥要素マッピング
➡「シンプルに考えるための道具13」⑦プロセスマッピングと同じ目的で使う道具ですね、ボトルネックの見える化は貴重です。

⑦リスク評価表
➡ リスクマネジメントが抜けるケースは多いような気がするので、貴重な道具だと思います。発生確率と発生時のインパクトの2軸でマトリクス分析するのも一般的です。

⑧ダブル・ペイオフ マトリクス
➡見解の相違でMTGが座礁に乗り上げた時に活きる道具ですね。とことん話し合っても禍根が残ることもあるので、サクッと使うといいかも!と感じる道具です。

⑨タイムマシン法
➡「シンプルに考えるための道具13」⑤As is To beでコメントしたバックキャスティングです。現状の延長で考え難い、少し先にタイムマシンすると効果的です。

⑩ヒーローインタビュー
➡これは、簡単に見えて(見えなくても想定以上に)難しい道具です。インタビューの仕方次第では、P129の目的と逆の結果になることもあり得るし、実施するタイミングや場所も重要です。私は、インタビューをメンバーに任せる度胸がないので、ファシリテーターである自分がインタビューしたりします。😅

⑪SWOT法
➡でましたね!これも超有名ですね。機会と脅威分析とも呼びます。機会、、、「愉快にロジカルに進める道具16」⑭オポチュニティマッピングで出たヤツ、チャンスでなくオポチュニティです。 戦略策定では、事業環境・自社・競争相手それぞれの強みと弱みを書き出して、自社・競争相手の機会と脅威を明確にします。なので、道具としてはかなり複雑になります。 ここでは簡易法として紹介されています。

⑫PPM(ペイン・プレジャー・マトリクス)
➡ これは使える道具ですね。初期(早いタイミング)に使うと、PJやMTGへのコミットメントが高まりますね。


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