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弓の返しはラウンドアバウト(後編)

前編からの続きです
オケ練習でプロオケ奏者の方にご指導いただいた内容が
素晴らしかったので、まんま受け売り企画の後編です。

まず弓を一直線に往復するメリットは
弦と当たる位置を安定してキープ出来る事。
弓の縦滑りを予防して綺麗な音色が出せる事だと思います。
デメリットは弓を返すタイミングで急ブレーキと逆向き急発進をする事から
音に切れ目が出来てしまう事
返しのタイミングでアタック音が入ってしまい
滑らかにフレーズが繋がらない事だと思います。
しかし逆に音を切りたい時、返しのタイミングでアタックを入れる時には
利点になるので一概にデメリットとは言えないと思います。
私の子供の頃は弓の返しで切れ目を最小限にする為に
指弓というのを練習させられました。
返すタイミングの急ブレーキを指のクッションで少し和らげ
逆方向への急発進時にも指クッションで緩やかに発進するものです。
でもコレなかなか難しいんですよね。

8の字ボウイングのメリットは弓の返しのタイミングで
円運動で向きが変わるので急ブレーキが掛からない事。
急発進しない事ですね。比較的切れ目が少なくフレーズが繋がります。
デメリットはバタバタと動きが大きいので速く弾けない事と
演ってみるとわかりますが弓先では比較的8の字に回しやすいですが
弓元では8の字に回すのはかなり難しいです。
あと弓の中央付近でも弦に対する角度の逆転が起きるので
ノイズが出やすい事かと思います。
こういう理由から私にはシックリ来なかったので
8の字ボウイングは使っていません。

ここでようやく本題です。両方の良い所取りできるのがラウンドアバウト。
ラウンドアバウトとは欧州の交差点で採用されている円形の交差点です。
パリの凱旋門でも採用されています。

パリの凱旋門 シャルル・ド・ゴール広場

真っ直ぐ侵入して方向転換する時だけ小さな円を描いて
逆方向に転換するイメージです。
ここで、そもそも弓元を使う時って
フレーズを切れ目なくスムーズに繋げたい時より
ガッツリ振りかぶってアタック入れる時が多いと思うので
弓元は切り捨ててしまいます。
弓元1/4は音を切るフレーズ用、アタックを入れる専用のエリア
逆にフレーズを滑らかに繋げたい時は弓先を使うと思うので
弓先1/4を滑らか専用エリアとして予約します。

ラウンドアバウトボウイング

弓元から弓中にかけては通常の直線往復でボウイングをして
先端1/4部分は予約しておき、滑らかに切れ目なく返したい時に
このエリアを使用して小さな円運動を入れて返す
弓先だけ小さい8の字ボウイングを入れるという考え方です。

8の字ボウイングがシックリ来なかった私にも
ラウンドアバウトはコレだ!という手応えを感じました。
スグに使える小技として隠し持って行きたいと思います。

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