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【エッセイ】わたしのあたまのなかをみて

私がいま考えていることを全部みせられたらいいのに。
いま私の頭の中でなにが起こっているのか見せられたら、ひどいことを言うあなたがどれだけ想像力が足りないのかわかってもらえるのに。

自分の気持ち、お望みの答え、話の脈略、わたしたちの論点、「これを言ったらこのあとどうなるか」、「あなたにどう言ったら伝わるのか」…とか。

そういうのがぜんぶ、零コンマ数秒でわたしの頭のなかに広がっていって止まらないから、あたまの中には巨大なブレインストーミングの図ができあががる。

すぐ答えないから、「考えがないのね」?
違う。考えがありすぎて答えられないの。

違う。自分で決められないの。どれを言ったらいいのかわからないの。
ブレインストーミングの図なんて、よく言ったものだ。
「ジャングル」の方が合ってる。
ぐっちゃぐちゃな思考の茂みから自分の思ったことを探し出すのが大変すぎるだけ。思ったことを言葉にするのはわたしにとって重労働すぎる。
だから、あたまのなかを見てほしい。そしたらすぐ終わるのに。

想像力が足りない、なんてそれはわたしも同じ。
想像しきれないから、あなたを苛つかせてるのにね。

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