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ガンジャ先生。6-5

海底の先

歩がプイさんと仲良くなってる頃。
男子ロッジでは。
相変わらずのバカな二人がしゃべってた。
Jay Alvarrez & Kygo in Ibiza

 食べた食べた!
昨日食ってない分すごい食べた。

「タツヤ〜昨日はわりぃ。ん?何してんの?」
タツヤソファで携帯電話をガン見している。

「何かあった?電話?」
固まっているタツヤの横から携帯を見ると。。

おっぱいが写ってた。
「マジか。てかエロサイトみれるのか!」

「ち?ちげーよ!メールで送って。。来たんだ」

「おっぱい星人からか?最近有料サイトはおっぱい送るのか?・・そこんとこ詳しく」

「エロサイトから離れろ!あーそっか、匠には言ってなかったか。。」

その後タツヤストーリーが始まる。

衝撃だった。
何より俺が知るのが最後だったことと。。
「てめえ!先にやってんじゃねえ!」
「知るか(笑)まあ匠くんもわかるさ。モテる男は辛いなぁ〜♪」
「んでこれがやったタイ人おっぱいと。」
「そう。小ぶりでも柔らかかった〜♪」
僕は無言で携帯をベッドに投げつける。

「ちょ!お前。。」
「んでなんて送ってきたの?おっぱいだけか?」
「いや、今どこ?明日会えない?って」
「無理だよね。。」
「だよなー。あーなんか勿体ねえ」
「そんなに好きなの?まあかわいいけど」
「んーー。よくわからないけど。。もう一度ヤりたい」
とりあえず再度無言で携帯投げる。

「匠!ヒドくね?おい投げんな〜(涙)」
「そうか?まあ良かったなタツヤは幸せそうで」
「また機会があれば紹介するって。とりあえず写メール送ろうぜ♪」

なぜ上半身ハダカなタツヤと。不機嫌な顔をしたおれで。
セルフィー(?)という言葉ができる前に写真を送りかえす。
ちなみに英語かけないので、メッセージは
「イマタオ。ユウジントダイビングウケテル」
メールを打ち込むタツヤの顔は。。気持ち悪かった。


■■■


6日目。こっちに来てから3日目だ。
今日は朝からプールで講習を終え昼より大海に出る。

朝起きてみんな集まり軽い朝食を取る。
女子のみんなはますます仲良くなり、笑顔いっぱいだ。
「匠くん。。大丈夫?今日はよろしくね」
「うん。大丈夫。と思う」
流石に今更泳げないからいかないとは言えないし。
後2日切ってる。なんとかこのピンチを抜け出せねばと。すでに慣れてきたカオを口に頬張る。

朝の講習は特に問題なくみんな進んだ。
昨日やったこともできているので、単純に道具を一人でつけて、一人でたたみ戻せるくらいにはなってる。

「一通りの事は大丈夫だね。後は焦らず、またよく周りを見てやればみんな大丈夫♪」
今日はプールからケイさんが見てくれてる。
実際に海に潜る時には、先生役が1ペアに一人ず付いていてくれる。ふぅ安心だ。
午前は少しテストっぽいこともプールでしつつ終えることができた。

昼もみなとタイ料理を食べ、準備は万全だ。
僕はイザというときの防水バック救急セットを持ち。
さあ大海に向かって行こう。

「いってらっしゃ~イ〜♪」
手を降るプイ先生は見送りきてくれた。
ピックアップトラックに乗り込んだ僕らは。
港に向かって走っていく。
昨日に続き雲が多く暗くなるが、まだ雨は大丈夫だ。

少し涼しい風に流されながら。

横で長い髪を気にする雪菜を見ていた。

風に手をかざしてタツヤは。
「匠、覚えておけよ。こんくらいの風圧だな。おっぱいの柔らかさは♪」

もうこいつ溺れて欲しい。


□□□


「では乗り込むよ〜奥の青い少し大きな船!足元滑るから気をつけてね」
船に乗り込む事はフェリーであったけど。。
ダイビング用にはタラップなどは気にしない。
 飛び乗る感じで移動をし、通路も狭く、端の部分を掴んで移動する。子供の頃、神社であそんだ記憶が思い出す。
「ほれ、匠ー受け取ってー」
「おう。道具先に投げてくれ」
「はわわ~揺れてるよぅ?」
そんな会話をしつつ船に集まる。
外人さんもついてきて、総勢16人くらいかな。
エンジン音が激しくなって、白波を出しつつ。

船は沖に向かう!

移動まで30分かかるらしい。
僕らは6人揃ってブリーティングを行う。
それぞれ担当先生、また注意事項をききつつ見れる魚の説明など。
田辺さんはサングラスに巻きたばこをつけ先を見ていた。海の男って感じがすごいな。。
「少しうねるな。カメラとかはかばんに」
確かに揺れが初めより強くなった。
立っていれないことはないけど、不安が溜まる。
「もうすぐポイントだからウェットスーツ来ておこう!」
「「はい!」」
流石にみんな初めてのダイビングだ。緊張は伝わってくる。
「匠〜後ろ上げて〜♪」
「はいはい。」
手でウェットスーツのファスナーを上げる僕。
そのまま背中越しで歩は話してきた。

「匠・・海怖い?」

「怖い」

「キスしてあげようか?」

「いやいい」

「大丈夫。先生もついてるしさービビんなよ!」

そう言って歩は僕の背中をバシっと叩いて行った。
彼女なりの気遣いはありがたかった。

しかし緊張はしている。
だって今にも振りそうな空。。少し遠くでカミナリなってるもん。。
 
 灰色に染まる雲は不安を呼び起こす。


△△△


「では、各担当がおりるから、そのあと続いてね!」

陸が見える近場らしいが。。

結構深いぞ。ここ。。下見えん。。
ゴクリと息を飲み込む。

「大丈夫。私もいるから。ね?」
ユッキーの一言は心強い。

 先に茜と未亜が行く。田辺さんが担当みたいだ。
「うひゃー!」といいつつ飛び込む未亜。。まぁ勝手に空気が入るので即溺れることはない。
続いてタカシと歩。西田さんが担当。
「行くぜ!おりゃ!イテ!」
タカシは壮大にジャンプして腹打ち。。西田さんに怒られてた。不安が増えるからマジでやめて欲しい。

さあ僕らの番だ。
雪菜を後ろに僕はマスクをつける。

落ち着け。落ち着けばできる。沈まない。

緊張からかマスクがすぐ曇り、一度外し、かんたんにツバをつけて曇り止めっと。

落ち着け。落ち着け。。

口にレギュレーターをつけると音が呼吸音しか聞こえない。

ドク。ドク。ドク。

足場は階段3つ分。すぐ海面なのに。

海面が波うって深く見える。

落ち着け。。落ち着いて。

フィンok

重りしっかり巻いた。

マスク。クリア。

ボンベ。バッチリ。

シューシュー

シューーシューー

「ゴメン!匠くん!」

ん?海面に顔が近づいて。。

ドッボーーーーーン!

何が。。起きた?
海の中。BCDにブシューっと空気が入って行く。

体が少し浮かび上がる。

ドッボーーーーーン。。近くでまた音が。

聞こえた?
次の瞬間、雪菜は僕の背中に周り海面で抱きついた。海面を漂う僕は身を任せ雪菜に引かれて行く。


近くにはケイさんが見えた。

指でグー!をしている。

 僕は思う以上に時間がかかり。。
タラップで10分も経とうとしてた。。
雪菜に蹴られ落とされた。

押せ押せと海面から合図してたらしいが、全然気づかなかった。



両手でこっちこっちとケイさんが呼ぶ。
僕は雪菜と一緒に、ラッコみたいな状態で運ばれ。

話しができる距離に来ると、
「匠くーん!大丈夫?潜れる?」

「だ、大丈夫デス!」

「雪ちゃんありがとう!では腕を上に上げてー空気抜いてくよ!」
ウルトラマンのポーズでケイさんが沈んでいく。
雪菜も同じ様に。波でゆれつつ僕も同じ格好をし。
決死の覚悟でボタンを押す。

シューーーーー!ブクブクブク。。。

そこは海の中だった。海上よりも静かで。灰色の世界。
ゆっくりと沈みながら息を吸う。

スゥーハースゥーハー。

この音意外何も聞こえない。

ケイさんが近づいて、オモリを指差す。
指でok?と聞いて来る。こちらもok!と返す。

ウンウンとうなずいて、雪菜を呼びつつ先のロープに向かう。

ゆっくりと動く中、体は自然と横になり。。

僕は必死で雪菜のオシリを追った。
エロいと言われてもいい。こっちは命かかってんだ!

 ロープに近づくうちにプランクトンか、汚れか、海藻か、少し水に浮かぶものをかき分けロープを掴む。

ケイ先生が「カンカン」とボンベを叩き、メモを見せる。
(下まで潜ります。ロープ掴んでー耳が痛くなるので耳抜き!できないなら止まって!ツバを耳で飲み込む!)

雪菜と顔を合わせウンウンと頷く。

ゆっくりとロープを引き降りて行くと。。

タツヤやみんなが手を振っている。

下につく前耳は痛くなったが、耳抜きはできた。

足をつけるとそこは海底。砂浜と岩がむき出し。

ケイ先生の言う通り上を向くと

小さな方舟の影が見えた。

あれが乗って来た船だとは気づきもしない。


 ゆっくりと移動しつつ泳ぎ方を学ぶ。

余裕ができてくると、魚が見える。

こんなに・・・いたんだと。

イソギンチャクを教えてもらい色を知る。

暗い灰色の水のそこは。

未知のモノで溢れている。




そんな感じで僕の初めての海底の世界は。

一気に拡がった!

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経験はチカラです。 若い頃行っとけば良かったな〜と思う事も多かった。 世界は広いです♪ ٩(ˊᗜˋ*)و