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ガンジャ先生。6-2

意義と告白

 スキューバダイビングは海の中を人間が入るというとんでもない遊戯だ。
まして息をしなければならない人がなぜ無理をする?
 この時僕は、納得いかなかった。
PETIT BISCUIT - Sunset Lover Remix

 必要なものは、マスク、ボンベ、管がたくさんあるベスト。
他にはフィンやシュノーケルなどあるが、なくてもいい。
19世紀より、素材や機能発展してるが基本変わっていない。1世紀に渡り変わっていない。


 そんなことを教える講習でなく、中水浮力や原理といった内容をもとに授業は続いていく。
時折ビデオ見ながら注意点やバディの重要さを教わる。
ゲージの見方、空気の抜き方など。
興味のある人はぜひオープンウォーターを受講してください。
教室には6人だけで、質疑応答をしながら進んでいく。

「一応明日には試験あるので、ちゃんと聞いておくように!落ちると追試!」
「ぬぉーやべえ匠!。。委員長となりいいかしら?」
「バカな事言ってないで。覚えなさい!」
しかしやはり事故率も減っているし、機器もなかなかうまい具合考えられてる。
ボタンを押すと空気出たり入れたり。
器具を実際に使うとふむふむとなる。
‥命かかってるから僕は真剣だ。


「ついでにバディも決めときましょうか。ん〜普通は面白くないわね。匠くんと大渡さん。歩さんはタツヤ君。未亜さんと茜さんの3組で行きます」ざわざわ。

「あの〜決めの基準は。。僕が泳げないからですか?」

「そうなの?まあ泳げないほうがクセなくていいよ。移動はテレビよく見てね。こんだけかわいい子多いからバラしただけ!」

そんなもんか。。まぁ仕方ない。

「ちなみにバディの行動はよく見る事!海は何があるかわからない。いつでも信頼関係を築くこと!」
そんな感じで1日目講習は終わる。
はぁ。。思った以上に長かった。。休憩を挟んでもう5時じゃん。

「なんか久々に机で受けたわ。原付きの講習以来」

「西田さんにこやかだけど怖い。タツヤ目つけられてるね」

「マジか〜楽勝と思ったのに。。」

「ちょいと出てくるわ。なんかいる?」

「んーコーラ。飯前だし他はいい〜」

部屋に戻ってもまだ暑い。そりゃそうだ。タイだもん。なので避難の為にも移動した。


どうしても海岸へと足が向っていく。
外人の人が増えてきている。戻ってきたのだろうか。

対面より女の人が声をかけてきた。
「若いね君。日本人でしょ。私もスタッフだよーよろしく♪」
「あ、よろしくお願いします」

 少し日焼けで褐色のいいお姉さんは、恵子(けいこ)さんといい、ケイでいいよ?と握手した。

「いいなー学生か懐かしいなー私もついこないだまで大学生だったけど」

「すぐ就職でこちらですか?」

「アハハ、一応25才なんですけど。若く見えるかな♪君いいね」

「あ、匠って言います。。。泳げないんですけど。。大丈夫ですか?」

心配している事を聞く。

「大丈夫。まあ耳抜きとかで脱落する人はいるけど、泳げなくてできない人はいないから。人は海から産まれたんだよ?

「心配で。。溺れたこともあるし」

「まぁ恐怖は誰でもあるけど。。んー天気かなぁ?」

「明日天気悪いんですか?こんな晴れてるのに」

「低気圧が来てるみたい。明日は曇り明後日以降かな。まあ大雨はないと思うけど、島だし天気は変わりやすいの」

「う、ケイさん何かあったらお願いします。。」

「任せて!また明日ープールで会いましょ♪」
手を降ってロビーに向かっていく。
案外若い人っているんだな。

「匠くん?私というバディをおいて。。またナンパしてるの〜タイ語わかったけ?」

「ユッキー。。あの人は明日の講師だって。日本人。。ケイさん」

「あらごめんなさい。節操ないなーと思ったもんで。あ、海岸見にいかない?夕日綺麗そうだし」

 ひどい。。たしかにケイさんタイ人ぽいというか、茶髪でスレンダーだけど立派な日本人だ。


□□□


ゆっくりと。二人はどこ行くでもなく歩きだした。
海岸までの道はすぐだ。でも海岸に沿って歩くと海にきたって感じがしてくる。

奥まではぐるっと長く。

足に絡む白い砂。

緩やか寄せる波。

周りは白人がビーチバレーしたり、波打ちで浸かっていたり。砂浜でゆったりしていた。


「あーリゾートってこんな感じなんだよな」

「不満?いいじゃない」

「うん。いい。ここ来て良かったと思う。みんなとあえて良かった」

「...匠くんなんで学校来なくなったの?」

どうしようか悩んだ。

ここで言ってしまえば長くなる。。。

でもユッキーは聞いてくれる。

そんな葛藤をしていると彼女から。

ごめん。。フェアじゃないよね?私から話すね


□□□


ーー雪菜は思い出すようにゆっくり話しだした。

春休み前に、生徒会の打ち上げで誘われ。
1年生だったし、先輩の送別会も兼ねてで断りにくいのもあり、参加してカラオケで遊んだ。
驚いたのは上級生がお酒を普通に頼んで飲んでいた事。
先輩がそういう事するのは想像つかない。

私はもちろん断ったし、そういう事はしないと決めていた。
ただ、付き合いは必要なので、遅くまで残っていた。
おかげで終点近くになった。

某駅入口で、松木(まつぎ)先生と偶然合う。
悪い事はしてないので正直にお酒の話は抜いて打ち上げの事を伝える。

「なるほどな。家に送っていくよ。大渡乗りなさい」

深夜過ぎているし、松木先生は知らない先生じゃない。
私は素直に乗りこんでしまった。

しかし家には帰らず。車はラブホテルへ入っていく。

「!?松木先生?」

「そんな酒の匂いさせて、大渡も悪い奴だ。どうせ初めてでないんだろ?こい!」

無理やり連れて行かれ。。私は無理やり侵された。
それもかなり酷く。
思えば松木先生も酒臭く気持ち悪い。

私は。悔しくて泣いたけど。女一人でなにもできない。ただ‥無力だった。

散々陵辱されたあと、スマホで写真撮影された。

「撮らないで!」

「あ?誰にもの言ってんだ。言うなよ?いつでも流せるからな。いい時代だなぁ〜おい」

最悪だ。その後はスキを見計らい外に出て、必死に逃げた。
タクシー帰った。。これで終わらない。


 その後何もなく1週間が過ぎ、春休み入って合うこともない。私は事故に合った思い悔しいけど我慢した。

もちろん両親どころか誰にも話していない。


「だけどね。電話がかかって。来たの。松木先生から」

 そこには泣くのを我慢する強い女の子がいた。
夕日は。キレイに雪菜を照らしだす。


ーーガンジャ先生。

 知る事で悲しくなるなら

  聞かないほうが幸せだったのかなーー

経験はチカラです。 若い頃行っとけば良かったな〜と思う事も多かった。 世界は広いです♪ ٩(ˊᗜˋ*)و