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ピアノとオーケストラによるリスト祭り!「オールリスト ピアノコンチェルト コンサート」で、リストと繋がりの深い4名のソリストがタクティカートオーケストラと共演

 9月12日(火)東京・第一生命ホールにて『オールリスト ピアノコンチェルト コンサート』が開催されます!
 リストが残した有名なピアノ協奏曲2曲をはじめとしたピアノとオーケストラの作品だけでお送りする上に、各曲のソリストは日本を代表するリスト弾きとも言える4名が代わる代わる務める、まさにピアノとオーケストラによる『リスト祭り』と言える公演です!
 今回は公演の魅力を余すことなくお届け!リストの『コンチェルト』の魅力、そして4名のソリストに関してご紹介いたします!



聞きどころ① リストの魅力を全部楽しめる!リストのピアノコンチェルト

リストといえば、何といってもピアノのヴィルトゥオーゾ!有名な「ラ・カンパネラ」や「メフィストワルツ第1番」などをはじめ、数多くのピアノソロのための作品を残しており、多くの人々に今も愛されています。

フランツ・リスト(H. レーマンによる肖像画)


 そんなリストのもう一つの顔は、ピアノソロに限らない作曲家としての存在。特にオーケストラの作品にとって歴史的にも重要な作曲家の1人です。

 リストの功績の一つは、「交響詩」と呼ばれるジャンルを作り上げたこと。「交響詩」とはストーリーやイメージを元にした音楽を指す「標題音楽」にあたるもので、曲を通して、一つの物語が描かれたり、場合によっては一枚の絵から受けたインスピレーションを描き出したりするジャンルです。
 近しい内容の作品はベルリオーズ の「幻想交響曲」などリスト以前からありましたが、リストはそういったジャンルを「交響詩 -Symphonic Poem-」、つまり「管弦楽による詩」と名付けて、「ハムレット」といった文学が題材のものから、「フン族の戦い」として、同じ題材の絵画にインスピレーションを受けて、戦いの様子を描き出したもの、そして一番有名な、「前奏曲」と題され、「人生は死への前奏曲」という考えに基づいた人生観を語る内容のものまで、様々な形で詩として表現された、13曲の交響詩を書いています。
 リスト以降、「交響詩」は一つのジャンルとして確立し、ドイツのR.シュトラウス、ロシアのチャイコフスキー、フランスのドビュッシーなど、地域を問わず様々な作曲家が『交響詩』として作品を書いています。

 リストはその他にも交響曲を2曲(ともに標題に基づく作品です)や、自身のピアノ曲の管弦楽版など、様々なオーケストラ作品を手掛けました。
 今回演奏される4曲は、こうした作曲活動が充実していた1850〜60年代に作曲された作品たち。まさにこうしたリストのオーケストラ作曲家としての姿を様々に見て取れる曲が並びます。

『ハンガリー幻想曲』は、リストのハンガリー狂詩曲第14番をオーケストラとピアノ用にアレンジした作品。原曲ではピアノソロの超絶技巧で繰り広げられる音楽が、オーケストラが入ることで、ピアノがより自由になるとともに、音楽自体もそれぞれの音色を生かしたフレーズのつなぎや、オーケストラや各奏者とピアノとの掛け合いなどに昇華されて、原曲よりさらに彩り豊かな音楽となって展開していきます。

『死の舞踏』は、有名なグレゴリオ聖歌「怒りの日」をもとに繰り広げられるパラフレーズ、つまり変奏曲です。元々はリストがイタリア・ピサで見たフレスコ画にインスピレーションを受けて作曲されたと言われています。ある意味ではピアノとオーケストラによる「交響詩」と言えるかもしれません。完成度の高さから「リストの最高傑作」という呼び声も高い1曲です。

そして有名な2曲のピアノ協奏曲。

 第1番は、一般的な交響曲でもよく見られる4楽章構成を取りますが、休みなく全曲が続き、更には第1楽章冒頭のモチーフが終楽章まで曲を通して出てくるなど、曲全体が一つにまとまった作品です。第3楽章ではトライアングルが重要な役割を担うなど、オーケストラの書法も斬新さを取り入れた充実した内容で、古今東西のピアノ協奏曲の中でも人気曲の一つとなっています。

第2番はさらに進んで単一楽章で構成され、その流れもより自由です。冒頭からクラリネットのどこか夢を見るような雰囲気の旋律で始まり、堂々とした行進曲風の部分もありますが、全体を通して幻想的・詩的な雰囲気が曲全体を包み込んでいます。いわゆる「狂詩曲」や、まさに「交響詩」なども思わせる雰囲気はこの曲の唯一無二の魅力となっていると言えるでしょう。

そしてこれらの曲は見事なオーケストレーションももちろんですが、超絶技巧も健在!多彩な音色でサポートするオーケストラに負けない、ピアノの響きをフルに生かした内容とともに、縦横無尽に駆け巡るピアノソロがどの曲もやはり見どころです。


 ピアノのヴィルトゥオーゾとして、そしてオーケストラの多彩な響きを司る作曲家として。リストの持つ両方の魅力を存分に楽しめるのが、リストのピアノコンチェルトなのです。


聞きどころ② リストのスペシャリストが集う! 注目のソリスト4名

そんなリストのコンチェルト、今回ソリストは、各曲ごとに4名が務めます。どのピアニストも、リストをこよなく愛する奏者ばかりです!


 1曲目『ハンガリー幻想曲』でソリストを務めるのは黒岩航紀。日本音楽コンクール・東京音楽コンクールでの第1位をはじめ数々の受賞歴を持つ黒岩は、ハンガリー・リスト音楽院を修了するとともに、リストの作品をこれまでにも数多く演奏・録音してきています。「英雄的」だけれども「土着的」と語る本曲。演奏機会の多くない秘曲ですが、黒岩の充実した演奏に期待です。

続いて「ピアノ協奏曲第2番」を演奏するのは菅原望。菅原もハンガリーのリスト音楽院を修了し、国内外で演奏活動を行うとともに講師としても活動しています。今回の演奏は、2012年のピティナ・コンペティション特級のファイナルで同曲を演奏し、見事グランプリを受賞しました。『第2番の協奏曲がリストをより好きになるきっかけだった』と言う菅原。今回の演奏も期待です。

後半「死の舞踏」をまず演奏するのは、今年のピティナ・コンペティション特級でファイナル進出も果たした嘉屋翔太。2021年・第10回フランツ・リスト国際ピアノコンクール(ワイマール)にて最高位入賞を果たしていますが、そのファイナルコンサートでも演奏した『死の舞踏』を披露。本人も『リストの中で最も好き』と語るこの曲、演奏も非常に楽しみです。

そして最後に『ピアノ協奏曲第1番』を演奏するのは長富彩。代名詞とも言える「ラ・カンパネラ」の演奏をはじめ、リストの作品の演奏・録音も数多い長富。今年6月に浜離宮朝日ホールで開催したリサイタルでも、メフィスト・ワルツなどリストを取り上げ、どの演奏も圧巻の内容でした。長富曰く、リストは「1番好き、そして1番得意とする作曲家」。最も有名なピアノ協奏曲第1番を最後に奏でます。

4名のソリストは、卓越した奏者であると同時に、こよなくリストを愛する奏者でもあります。「リストのスペシャリスト」とも言える4名が、リストのコンチェルトを弾き分ける、という豪華な一夜。まさに「お祭り」とも言える公演です!

 そして今回タクティカートオーケストラを率いるのは高木玲音。数多くの公演の指揮やアシスタントを務める希望の若手であり、桐朋学園大学ピアノ専攻を卒業するなど、ピアノへの造詣も深い指揮者で、今回の演奏会にもぴったりな指揮者だと言えるでしょう。


まとめ

 ピアノの天才であり、幻想的な管弦楽の作曲家、リスト。その両面の魅力を存分に感じられるピアノコンチェルトたちを、有名曲から知られざる秘曲まで演奏する今回の公演。リストを愛する4名のソリストによってさらに魅力が深掘りされて、全身でリストの世界に浸る公演となること間違いなしの公演です。

 本noteではソリスト4名のインタビューも掲載中。リストとの出会いや、それぞれの奏者の意気込みや、リストの魅力なども語っていただいています。お越しいただく方も、まだ迷われている方も必読の内容です!

第1弾はこちらから

 チケットはイープラスにて好評発売中。
 作曲家・リストの魔法にかかる一夜、ぜひお見逃しなく!



【公演情報】
オールリスト ピアノコンチェルト コンサート

日時:2023年9月12日(火)
会場:第一生命ホール

【曲目】
<オールリストプログラム>
ピアノ協奏曲 第1番 変ホ長調 S.124(長富)
ピアノ協奏曲 第2番 イ長調  S.125(菅原)
死の舞踏 -『怒りの日』によるパラフレーズ S.126(嘉屋)
ハンガリー幻想曲 S.123(黒岩)

【出演者】
指揮:高木玲音
管弦楽:タクティカートオーケストラ
ソリスト:長富彩、菅原望、嘉屋翔太 、黒岩航紀

【チケット】
全席指定  一般:6,000円 / 学生:3,000円

【クレジット】
主催:一般社団法人日本芸術文化協会
制作:株式会社タクティカート
後援:一般社団法人全日本ピアノ指導者協会(ピティナ)

【お問い合わせ】
Mail: concert@tacticart.co.jp
TEL: 03-5579-6704

チケットはこちらから!


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