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第54回:本当は怖い「ウルサイ音」
聴覚過敏でなくとも、都会で生活をしているとさまざまな「大音量」や「不愉快な音」に毎日遭遇します。
オフィスビルの入り口に仕掛けられている害獣対策の装置が発する「ピピピピピピ」という高周波音は耳に痛いものです。
また、先般などはコンサートを聞きに行ったのですが、開幕のベルの音がこれから始まる素敵なクラシック音楽のコンサートには到底そぐわない音で大変驚いてしまいました。
東京の駅で切符を買うと、切符の取り忘れ防止のためか「ピピピピピピ」と音が鳴るのですが、なぜか駅によって音量が異なるようです。もちろん、東京メトロや営団地下鉄、JRなど運営会社が異なることは理解しますが、なぜ鉄道という公共交通機関の駅で音量規格を統一していないのか理由はわかりませんし、またそもそもこの警告音が切符の取り忘れ防止のためなのか、視覚障がい者の方のために切符発行をお知らせしているものなのか、背景の情報は確認する必要がありそうです。
しかし、今日申し上げたいポイントは、「大音量や不愉快な音に気がつきました。」ということではないのです。
「この音は大音量、この音はキーンと耳が痛い・不愉快」と感じている方はまだ良いのではと思います。なぜならば、音が大きい・不愉快であるならばこれらはイヤホンをしたり、違う道や違う駅を選択することで音を回避する行動をとることができるからです。
「この音量や音・サウンドが不愉快である」ということを意識しないまま、それらの音・サウンドに曝露され続けているとどうなるか。
さて、いつもの「帝釈天で産湯を使い」方式です。
「音やサウンド」=周波数の表現はヒトの「感情」を引き出し、動かし、「記憶」を呼び起こし、「行動」を喚起することができます。
逆に申し上げれば、無意識のうちに、心身にネガティブな影響を及ぼしたり、バイオレンスの後押しをしてしまうことすらあるというわけなのです。
ゴミ一つ落ちていない日本の道路。1分たりとも遅れない電車。
素晴らしい日本のインフラに低コストで付加価値をつけることができるならば、間違いなく「正しい音環境の構築」はその一つであると言えるでしょう。
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