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第42回:今年、日本でも始まる・・!?「音の格付け」ご存じですか?


AAA に A+、AにBBにCとD・・・

「金融機関の格付け」は「信用に足る重要な指標」としてすでに広く社会に浸透しています。また、最近では環境・社会・ガバナンス(ESG)に関する格付けも急速に認知が進みました。こういった「いわゆる」信用格付けに加えて、スペシャリストが飲食店を評価するミシュランガイドなども格付けと呼ばれ多くの人に親しまれていますね。

さて、音の分野はどうでしょうか。

音の分野に「指標や格付け」はあるのでしょうか?

はい、もちろんあります。(米英には・・ですけれど。)

これは、ビルボードやオリコンなど楽曲の「売上や人気度」をはかるランキングやヒットチャートのことではありません。ましてやデシベル計測のお話でもありません。音の先進国米英ではすでに、「サウンドの科学的分析や客観的データに基づく信用格付や指標」が、企業の間に広まり音声マーケティングに取り入れられています。

さらには、マーケティングで「音をマネタイズ」するためだけに信用格付や指標を用いるのではありません。

「企業が音声コンテンツやソニックロゴを通じてネガディブなサウンドを発しているかどうか、消費者のネガティブな行動を誘発する要因になるリスク」についても信用格付や指標を用い科学的に計測することで、「企業が音を通じても社会的責任を果たす」。このような考え方にも注目が集まっています。

これはどういうことでしょうか?

「帝釈天で生湯を使い」方式で毎回申し上げている通り「音やサウンドの表現はヒトの「感情」を引き出し、動かし、「記憶」を呼び起こし、「行動」を喚起する」ことができます。

米英ではこういった「音の学術研究」を商用利用し、企業が音声広告などで発信する「ソニック・ロゴ」をコンマ数秒単位で分析し、周波数とヒトの感情の相関を分析・スコア化するテクノロジーが進んでいます。つまり、格付け会社が音声コンテンツと視聴者の感情をスコアで見える化し、ランキングをつけ、各企業がそれを参照するという「金融機関やESG格付け」と類似の現象がマーケティング分野でも見られます。

例えば、企業Aのソニック・ロゴは「親しみを感じる」が84点だが、企業Bは72点である。また、企業Aのソニック・ロゴは「覚えやすさ」が78点だが企業Bは74点である。翻って企業Aのソニック・ロゴは「暴力的で不快」が64点だが、企業Bは70点である・・

などと「ソニック・ロゴを聞いてヒトがどう感じるか」、を良い点も改善が必要な点も、詳らかにスコア化することができます。そして、最終的には企業Aの総合得点は80点で製造業部門ランキング6位、企業Bの総合得点は75点で小売部門ランキング9位、といったように「ランキングや格付け」が可能になり、格付け会社各社からは年次白書まで発行されています。

もちろん、このランキング算出は、例えばアルバイトの学生や会社員を何人か集めて行うアンケートで決まっているわけではなく、数千人~数万人の多様な国籍人種の老若男女を対象にした長年の研究結果と統計を元にアルゴリズムが組まれているのが通常です。

米英ではこのような「企業の音のランキング、しかも感覚に基づくアンケートではなく、科学的に客観的事実に基づき周波数単位で分析された企業の格付け」を参照しながら音声広告コンテンツが制作されています。

翻って日本ではどうでしょうか?

日本に音の指標や格付けはありますか?そのCMソング、そのセリフ、そのソニック・ロゴ。選択に科学的根拠はありますか?

百聞は一見に如かず。

次回、ソニック・ロゴの格付けランキング1位に輝いた米国の保険会社のコンテンツを「科学的に、客観的事実に基づいて」徹底分析します。お楽しみに!


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