ブランディングのサブスク(定額制)は成立するのか?
最近はブランディングはサブスク(定額制)で提供するのが良いのでは?と感じています。
ブランディングは続けることが大切です。僕のようにブランディングをサービスとして提供している側の人間も、
ブランド開発して終わり、ではなく、継続的にブランドを育みたい!
と思っている方が多いのではないかと勝手に思います。
しかし、ブランディングをサブスクで提供しているサービスは見かけません(2021年7月現在)。サービスを見つけても実はデザイン業務のみで、多領域にわたるブランディングを網羅しているようなものはありませんでした。
このnoteでは、なぜサブスクが成立しないのか?についての考察と現在僕が取り組んでいるサブスクでのブランディング事例を報告したいと思います。
なぜブランディングをサブスクで提供しないのか?
なぜブランディング会社がサービスをサブスクで提供できないのか?よく懸念されるのは下記です。僕の所属するF-INC.でもよくあがるテーマです。
1. 実施内容がわからない(依頼される内容が読めない)
2. 必要な人材がわからない
3. 必要な時間がわからない
どのような内容になるのかやってみないとわからない!リスクが高い!というのが大きな懸念です。
サービス内容や時間の上限をつくれば良いのでは?と思うかもしれませんが、例えばグラフィックデザインのみと範囲を絞ったり、作業工数を絞ったとして、果たしてそれで満足できるブランディングを全うできるのか?と言われるとそうとは思えません。その時その場面でブランドが直面する問題や課題に対して誠実に答えていきたいです。
しかし、範囲を決めずに全てをこなそうとするとそれはそれでサービスとしての利益を生むことができません。。
そのため提供側は、ブランディングという幅広い業務領域という性質によって範囲を設けることができない。また、範囲を設けないことも恐くてできないというジレンマを抱えているのです。
結果として、サービスを提供する側はその都度で業務として受注する方が安心してサービスを提供することができる。というのが実態かと思います。
それでも取り組んでいる事例の紹介
それでも僕は契約の切れ目が縁の切れ目ではないですが、ブランドシンボルやwebサイトを作って終わりということに違和感を感じ、サブスクでのブランディングを試みています。
「花悠」という豚肉ブランドなのですがブランドデザインをはじめ各種コピー、歌の制作、web制作など幅広い領域でお手伝いをさせていただいております。(YouTubeで楽曲も紹介しておりますのでぜひ)
価格設定や推進内容など、手探りではありますが、月ごとの契約でのサブスク形式でブランディングを実施させていただいております。
現在はECサイトでの表現方法やリアルな売り場の空間デザインを進行中です。
サブスクでのブランディングで大切だと感じたこと
それでは、なぜ「花悠」がサブスクという形でブランディングに取り組めているのか?を考えたときに、お互いへの理解度や信頼感があったからかと思います。
僕たち(僕以外にもデザイナーやコピーライターさんもチームで動いています)のできることとできないこと。スピード感や人柄など、もちろん全てではないですが、少しずつご理解をいただけているのでは?と思っています。
それはブランドシンボルやwebサイトの開発など、長い期間を通してプロジェクトをご一緒させていただく中で培ってきたものです。
そのような経験で生まれた「サービスを提供する側」と「サービスを受ける側」の互いの信頼がサブスクという実施方法を可能にしていると思います。
「はじめまして」でいきなりサブスク形式でブランディングを実施できるのか?と言われると、前述の理由からなかなか難しいかなと思います。
サブスクのメリットは自由な提案ができること
また、サブスクでブランディングを実施するにあたり、サービス提供側目線でメリットだと感じたのは、自由で縛られない提案ができることです。
スタンダードな進め方の場合、提案ごとにどうしても金額の話は付き物になってきます。しかし、サブスクという方法では本当に良いと思うものを忌憚なく提案し、すぐに行動に結びつけることが可能です。
実際に色々試してみたり、やり直しが効くのもサブスクのメリットかもしれません。とにかくアクションまでのステップは踏みやすく、スピード感をもった進行が可能です。手の届きにくい細かな場所にも対応できます。
ブランディングの本質の協議に全てを集中できるので、余計なストレスから解放されているのも大きいです。
お互いの信頼関係の上でサブスクは成り立つ
今は、お互いに関係性が築けた上でのサブスク形式ブランディングはいいことが多いと感じています。
お互いの信頼関係でブランディングを実施できることに感謝をしつつ、これからも一つひとつのブランドを長くを育んでいきたいと思います。
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