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街の狩人はいつも大忙し

パガァァン!

銃声と共にスイカ割りよろしくニュース・ボーイの頭が爆ぜ、散弾銃を持った下半身馬置換ギャングどもが雄叫びをあげながら街を疾走していく。先頭、絶好位はケンカ一番切り込み隊長のジョー・"ファッキン"ジャックナイフ、"ホースレース・ギャング"序列第4位。ヤツに続いて後続集団が思い思いに卑猥なスラングを吐きながらニューヨークの街を地ならししていく。

パァオオオ!

その後方数百メートルでは下半身に丸々大きなゾウの頭を移植したサミー・"ザ・フラッシャー"ゾーンが、長くてデッカイブツをブンブン回しながら逃げ惑う人々を邪魔っけにホームランしてゆく。"ファング・マフィア"序列第15位。パワーは良くてもあの調子じゃターゲットの盛りウマどもには1日かかっても追いつけまい。

ウホォォォ!

渋滞に苛立つサミーに横槍を入れたのは、右腕をゴリラに移植した上肩にもゴリラの頭を移植した”マッスルブレイン”ジャクソン。"ゴリラ・シンジケート"序列7位で、サミーとジャクソンは因縁の仲だ。ゾウとゴリラが喧嘩を始め、その余波で摺り潰された市民の血潮がスプリンクラーめいて辺りに飛び散った。

俺か?俺はというと"ファッキン"ジャックナイフの前方1キロ地点でクラウチング・スタート態勢を取っている所だ。
いつも通り仕事は単純明快。合図と共に走り出し、発情期真っ盛りの暴走種馬を残らず轢殺、後にゾウとゴリラの喧嘩を"なだめに行く"。つまり皆殺しだ。

「用意はいい?ハンター」

「コンディションは最高だ。今なら世界新もイケる」

「いくらあなたが人間離れしたタフガイって言っても、この世界でのオリンピックは無理よ」

「信用無えなあ」

インカム越しに"斡旋人"と軽く話すと、全身の筋肉を弛緩させる。

俺はアレックス・"ザ・バイソン"・ハンター。ギャング専門の殺し屋。"アニマル・ギャング"が増えすぎたこのN.Y.で唯一の生身のアウトローだ。

(続く)


以上797文字。
これは#逆噴射小説大賞に投稿しそびれた私ことTac.Tが、今更ながらそのレギュレーションに沿って書き上げたパルプ小説の一部分である。

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