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ニンジャスレイヤーTRPGソロリプレイ:「レッドブロッサム・ブルームド」

◆注意◆ドーモ、Tac.Tと申します。この記事は、自分がニンジャマスター(以下NM)を兼ねて4月2日の昼に行ったテストソロプレイを、一部加筆修正を加えた上で公開したものです。◆新参◆また私は、忍殺TRPGニュービーにして、リプレイはおろかnoteで文章を書くのもコレが初めてです。出来る限り推敲はしておりますが、お見苦しい点ありましたらご容赦くださいますようご協力お願い致します。◆感謝な◆
◆自ニンジャのRP含めた練習な◆サンシタを殺すだけの簡単なソロプレイです◆とはいえ実際SSめいている◆ご了承ください◆

◆◆◆◆◆◆◆◆

雪が、しんしんと降る夜であった。1

クリスマスはもはや過ぎ去り、オショガツ気分も未だ冷めぬ一月の終わり、1人の男が足取りも軽く家路を急いでいた。顔に満面の笑みを浮かべ、かすかに笑い声が漏れ出すのも気にせずに。…彼の名はファイアプレッシャー。もちろんニンジャとしての名である。2

ニンジャとなる前から、彼は凶悪指名手配犯であった。放火、殺人、窃盗、合わせて13件。幼い頃から火に魅せられた彼は、職場での部長との諍いからムラハチされた際にとうとう「我慢ができなくなり」、最初の放火殺人を犯した。3

憎い部長が燃える様。悪しき諸々を燃やしていく炎の美しさ。そしてショーの終わりにもたらされる、金庫からの嬉しい贈り物。彼はとたんにこの新たなビズに虜になった。4

そして今宵もまたビズを終え、報酬を懐に意気揚々と帰っているところであった……が。
「アイエッ!」唐突に彼の肩にぶつかった者があった。5

ぶつかったのは、うら若い少女であった。バスケットを手に携え、質素な灰色のドレスに赤いエプロン。二つ結びにした灰色の髪は前に垂らされている。目線は頭巾めいて被った白いバンダナに遮られていた。
「気をつけろッコラー!」ファイアプレッシャーが声を荒げる!「アイエエエ…スミマセン……」6

少女はそそくさと立ち去った。ファイアプレッシャーはその様を鼻を鳴らして一瞥し、そしてその数秒後には怒りを忘れていた。今日のビズで焼いた家の数が49に達したのだ。あと一軒焼けば、彼のラッキーナンバー、50になる。7

ニンジャになってからビズは驚くほどに上々だ。ニンジャ身体能力の為かマッポの戦闘力では彼に歯が立たず、ニンジャ器用さで証拠すら完璧に消せるようになり、極め付けに強力なカトン・ジツまで得た。ついには、彼はこれをブッダが炎の美しさを世に広めよとの天啓だとまで考えるようになった。8

「フンフンフン……オールグッド……」小さく鼻唄を歌い、雑踏に紛れるファイアプレッシャーを、遠巻きから1人見つめるものあり。先程の少女である。付かず離れずの距離を保ちつつ追跡する少女のフードの奥の眼光は、鋭くファイアプレッシャーの行方を追っていた…。 9

ーーーーーーーーーー 10

「フンフンフン……」ファイアプレッシャーは表通りから離れ、さらに小さな小径へと足を運んだ。ここを通り抜ければいよいよ彼の家である。(早く帰って次のビズの予定を建てねばな……今度はもっとド派手にやろう。ホノオ・インフェルノだ!) 11

不意にファイアプレッシャーの行く手を、ひとつの人影が塞いだ。「……ドーモ…マッチは要りませんか……」消え入りそうな微かな声でそう呟いたのは、おお!エプロンにフード、バスケットを携えた先程の少女ではないか!12

「ナン……オォ?何だお前、さっきの!」ファイアプレッシャーはこの奇妙な偶然に驚いた。「アニメガールじゃなくて本当にマッチ売りの少女だったのか?」「オハナ・バロウのタイタチ」「え?」突如として彼女の声色が鋭くなった! 13

「ガミオダのマサキ、ゴノマチの三件、ケジシマのノビ、パンキチのセンゲン・アパート…」少女が次々に言葉を発していくにつれ、ファイアプレッシャーの顔がどんどん驚愕に満ち、同時に得体の知れぬ笑みを浮かべはじめた!14

ナムサン!彼女は今までファイアプレッシャーのビズの場所と被害者を言い当てたのだ!「お前……俺のビズを全部知ってるのか…?…ッ何てこったよォ〜、お前俺のファンかァ?」ファイアプレッシャーが目を細める!15

「私が知ってるのは一部だけ……」少女はそう声を震わせはじめ、初めて真っ直ぐにファイアプレッシャーの目を見た。カタナめいて鋭く冷たい瞳は、目の前の外道へのジゴクめいた殺意に満ちていた。16

「な…」「イヤーッ!」少女はバスケットをファイアプレッシャーの方に投擲!バスケットはファイアプレッシャーの頭上を越え、路地裏の入り口へと転がると…ゴウランガ!いかなる仕組みかその内部からバーナー機構が横に飛び出し、路地裏を炎の壁で塞いだではないか! 16

「オイ……これは…」「…マッチは要りませんか……お前の命を焼くマッチを……!」少女のフードが炎と化し、揺らめき始める!ファイアプレッシャーはここで初めて彼女の正体に感づいた!「まさか、お前もニンジャか?」17

「……ドーモ…レッドブロッサムです…!」少女は手を合わせ、憤怒を圧し殺したような声でアイサツした。「ドーモ、レッドブロッサム=サン、ファイアプレッシャーです。」…アイサツはイクサの前の神聖な儀式とも言われる。古事記にもそう書かれている。 18

「お前……クヒヒッ、何のつもりだ?こんな夜中にいきなり俺を呼び止めて」顔を上げ、カラテを構えたファイアプレッシャーの顔には、ファイアパターンが刻まれたメンポが装着されていた!20

「……お前はここで死ぬ……!」同じくカラテを構えたレッドブロッサムのフードの奥の眼光は、今やホノオめいてギラギラと燃え輝いていた! 21

◆ステータス確認な◆

◆ファイアプレッシャー(種別:ニンジャ)
/カラテ2 /ニューロン3 /ワザマエ1 /ジツ1
 /体力2 /精神力3 /脚力1 /万札20
ネオサイタマにフリークアウトした凶悪放火強盗犯にニンジャソウルが憑依。
元からあった残虐性に磨きがかかり、もはや手がつけられなくなった。
他方、ニンジャになったばかりなのでカラテやワザマエはからきし。
一仕事終えてご満悦な所をレッドブロッサムに見咎められた。

◆レッドブロッサム(種別:ニンジャ)
/カラテ2 /ニューロン4 /ワザマエ3 /ジツ3 /体力2 /精神力4 /脚力2
◆ニューロン値より、先攻はレッドブロッサム=サンな◆
◆マップ無し◆

◆戦闘シーケンス突入!◆

「イヤーッ!」レッドブロッサムがファイアプレッシャーのワン・インチ距離に迫る!決断的チョップだ!22

 `2d6` レッドブロッサムの近接攻撃 = (3+3) = 6
◆ココでは6面ダイス2つ振り判定を行いました◆レッドブロッサムのカラテ値は2です◆難易度がnormalなので2つのどちらかの出目が4以上なら成功な◆というわけでココでは失敗◆

しかしそのチョップはファイアプレッシャーのブレーザーで防がれた!「アブナイ!」「グッ…!」23

「グヒヒヒッ…しかしお前、その胸の豊満さといい、なかなかの上玉じゃないか…サヨナラするには惜しいな!俺専用のオイランにしてやる!」ファイアプレッシャーがそのまま手刀を作る!24

`2d6>=4` ファイアプレッシャーの近接攻撃 = (1 2, 0 successes) = 0 ◆失敗◆

「イヤーッ!」レッドブロッサムは即座にバック転回避、ファイアプレッシャーのチョップを避ける!「ほざけ…!」25

レッドブロッサムの瞳がさらに煌々と燃える!カトン・ジツだ!「イヤーッ!」決断的シャウトが路地裏に響く!26

◆確認◆カトン・ジツ:ニンジャは掌などから超自然的な火炎放射を行い、広範囲を焼きはらう。自分の手番の攻撃時に、【精神力】を1消費し、攻撃の代わりに使用を試みられる(射撃ではないので敵と隣接時も使用可能)。発動に成功した場合、隣接した3×3マスにいる全ての敵に対し自動的に1ダメージを与える(味方には当たらない)。【ジツ】値が2の場合雨、3x3マスの中央にいる敵1体は、1ではなくD3ダメージを受ける。【ジツ】値が3の場合、3x3マスの中央にいる敵1体は、1ではなくD6ダメージを受ける。
◆今回はファイアプレッシャー=サンが“3x3マスの中央”に居ることにします◆レッドブロッサム=サンのジツ値は3な◆
`7d6>=4` レッドブロッサムのジツ発動 = (6 2 6 3 5 4 2, 4 successes) = 4 
`3d6>=4` ファイアプレッシャーのジツ回避 = (4 4 1, 2 successes) = 2
◆両方成功◆

「イヤーッ!アブナイアブナイ…」
ファイアプレッシャーは突如として現れたカトン・フィールドを華麗なステップで回避する!「本当のカトンってのはなぁ、こうやるんだ!イヤーッ!」27

`4d6>=4` ファイアプレッシャーのジツ発動 = (56 2, 2 successes) = 2
`3d6>=4` レッドブロッサムのジツ回避 = (2 5 5, 2 successes) = 2
◆両方成功◆

ファイアプレッシャーの手から放たれたのは、おおナムサン!火炎放射器めいた炎の渦!「イヤーッ…!」レッドブロッサムは自身の目の前に同じく炎の渦を出し…ファイアプレッシャーの渦とぶつけた!28

そしてレッドブロッサムが炎の渦を消すと…ゴウランガ!ファイアプレッシャーのカトン・ジツが鎮火した!「グワッ…俺のカトン・スクリューを消した!?」29

(次で確実に焼いてやる……!)レッドブロッサムの顔が殺意に一層歪む!「イヤーッ!!」30

`7d6>=4` レッドブロッサムのジツ発動 = (6 3 1 5 6 3 2, 3 successes) = 3
`3d6>=4` ファイアプレッシャーのジツ回避 = (6 4 1, 2 successes) = 2
◆両方成功◆

「おおっと!もうその手には乗らんそ!」またもやステップ回避!ワザマエ!「俺のニンジャ素早さにはついてこれないみてェだなァ?グフフッ!」ファイアプレッシャーは色付きの壁となった。高速横幅跳びだ!31

◆レッドブロッサムの現在の精神力、ファイアプレッシャーの現在の精神力、共に2◆確認な◆

「ホラホラどうした?息が上がってるぞ……?グフフッ!」下卑た笑い声を上げながらファイアプレッシャーは迫る!「実際カトンの連発は厳しかろう!ほれお前も最早、息も絶え絶え……」32

実際ファイアプレッシャーの言う通りであった!レッドブロッサムのカトン・ジツは実際彼女の精神と深く合一されており、一発放つごとに彼女の精神力は大きく削られる!33

「ハァーッ、ハァーッ……」全身に脂汗をにじませ、憔悴しきった様子を見せるレッドブロッサム。しかし彼女はゆっくりと……なおもカラテを構えた!一体何が彼女をここまで駆り立てるのか!34

(このまま続けてもらちがあかんな……)勝ち誇った顔のファイアプレッシャーが唐突に叫んだ!「よーしこうしよう!今度のお前のカトンを俺は避けない!」「……ハァ!?」35

(実際彼女のカトンは強力そうだが、また上手いこと避ければ問題あるまい) ファイアプレッシャーは余裕故の慢心!「俺は実際炎が好きなんだ。お前の炎を真近で見せてくれよ」36

「……炎が……好き?どういう事よ…」「ウム、俺はガキの頃から火遊びが好きでな、炎が何かを燃やす様を見ているのが好きだった。モノ、カネ、人の権威。俺が燃やせば皆消えて無くなる。」37

「俺はそうやって稼いできた。実際サラリマン時代より充実してる!炎があれば何でもできるんだ!なあお前もそう思うだろ?…ホラ早く見せろよ!カトンを!俺を焼いてみてくれ!」38

「ふざけるなよ……ふざけた事を言うなよ……」40

レッドブロッサムは…アケミ・アリガは、声を怒りに打ち震わせ、哭いた。「アンタのような外道に!私の全ては焼かれたンだッ!!」気圧されたファイアプレッシャーが怯み、よろめく!「アイエッ!…イッ!?」41

ガシャン!たたらを踏んだファイアプレッシャーの足に、いつの間にか設置されていたトラバサミが噛み付く!「何ィーッッ!?」アケミの腕がファイアプレッシャーの方を向いた!「イヤーーーーッ!!!」42

`1d6` レッドブロッサムジツ発動 #精神成功 = (1) = 1
◆精神2消費◆レッドブロッサム=サンの現在の精神力0◆マイナス値にならない限り死なない◆

「アッ、アババーッ!アババババババババーッ!!!!」ファイアプレッシャーは全身を苛む焼け付く苦しみに悶えた!おお…ゴウランガ!まるで小さなジゴクの扉が地面に現れたが如きの豪炎!路地裏が真昼のキョートめいて明るく照らされる!43

◆ファイアプレッシャー自身の宣言及びトラバサミによって回避不可な◆
`1d6` ファイアプレッシャーのダメージ = (5) =
◆ファイアプレッシャー=サンの体力:2-5=-3

「アバババババァー!アバッ…バババババババァァァァ……!」ファイアプレッシャーはサヨナラすら言えずにそのまま焼け死んだ!その爆発四散は、カトンの炎に掻き消された… 44

ーーーーーーー 45

◆戦闘シーケンス終了な◆




クリスマスのネオサイタマ、マルノウチ・スゴイタカイビル。夢だったネオサイタマ旅行。メガロシティを見下ろしながら、愛する父と母と一緒に彼女はスキヤキを囲む。 46

…KABOOOM!沸き上がる爆炎。吹き飛ぶテーブル。瓦礫の下敷きになり、気づけば身動きが取れない。……何者かが父と母に近づくのが見える…… 47

両親が炎に包まれる!耳をつんざく悲鳴!手を伸ばしたくても伸ばせぬ!満足げに笑うその人物は、見た目が良く分からずとも何者なのかは良く分かった………ニンジャだ! 48

(((そう、憎いだろう))) …彼女の目の前にはオバケめいた炎……炎めいたオバケ? (((私の力を全てくれてやろう))) …力?ナンデ?欲しくはない。いっそ殺して。(((成したい事を成せば良い…さあ!))) ヤメテ! 49




「……オイ……オイ! 気がついたか?」…ふとレッドブロッサムが目を覚ますと、彼女はバンの後部座席に居た。彼女の頭巾はすでに外され、汗だくの素顔を晒していた。「随分うなされていたようだが……大丈夫か?」50

運転席に居る男の声を聞き、険しい彼女の表情はいくらか和らいだ。「……タニマチ=サン。」男は運転中にもかかわらず、よれた帽子と旧世代めいた時代遅れな丸ゴーグルをつけていた。51

タニマチと呼ばれた男は、レッドブロッサム…アリガに、PVCパックに詰めた万札を投げて渡した。「忘れ物だぞ。アイツ、自宅に金目のものをもっと隠してやがったがな。」52

「万札……」「しめて20束ある。お前の取り分はそれでいいだろう。後は全部犯行の証拠品としてマッポが持ってってくれるさ」53

アリガは嫌悪感に顔をしかめた。たとえ放火魔でも燃やしてカネを得るようでは、自分もそのような放火魔と同類になってしまうのでは…? 54

「……イヤか?じゃあこの万札は一度俺が預かっておいて、お前が使いたい時に稼ぎ分取り出しといてやる。ああもちろん金庫付きでな。暗証番号はお前がセットする。いいね?」「それじゃ何も変わらないじゃない……」54

疲れ切ったようにアリガは息を吐く。……今回のイクサは実際自分のウカツであった。敵をカトンで燃やすことに拘るあまり、その精神を限界まで削ってしまった……敵が慢心してくれねばどうなっていたことか… 55

(俺がトラバサミ投げるのが間に合って良かった…)タニマチもまた、安堵のため息をつく。実際彼は先程の2人のイクサを頭上で見守っていたのだ。いざという時にアリガの助けに入れるように。…即ち、彼もニンジャであった。56

「どうにせよ、だ。俺たちは最早ニンジャで、ニンジャの世界に片脚を突っ込んじまったんだ。サラリマンのように稼ぐのは愛社洗脳を受けない限り難しいだろう…万札は貴重だ。取っておけ」「…………」 57

「それで?どうする?」タニマチの問いにアリガはしばし考え込み、こう言った。「………なにかを鍛えたいの」「鍛える?」「カラテとか……スリケンとかよ。教えてくれるって…」58

彼女自らのこの提案はタニマチにとっても嬉しかった。ニンジャとなり、危うい彼女を見捨てられずに保護したのは彼自身だ。彼女自身にニンジャとして、人間社会の中で奥ゆかしく生きる術や、敵対ニンジャから身を守る術は身につけさせた方が良い。59

何より、彼女と向き合う中で自らのニンジャとしての在りようを見いだせるかもしれぬ。60

「分かった。問題は場所だな…」「タニマチ=サンが使っている事務所。……そこを使えればそれで良いわ。」「あそこかぁ…まあいいだろう。」タニマチがハンドルを回す裏で、アリガは貰った万札を見つめる。61

覆水盆に返らず。ミヤモト・マサシの有名な言葉だ。両親は死んだ。ニンジャの身ゆえキョートには帰りづらい。失った生き方はもはや出来ぬ。(せめて、生きてやる。生きて、生き抜いてやる。その為ならどんなことでも覚えてやる……!) 62

タニマチの自宅に向かって車は走る。重金属雲の覆うネオサイタマの空から……珍しく朝焼けの光が2人に降り注いだ。63

「レッドブロッサム・ブルームド」

◆完◆

◆ミッション・コンプリート◆レッドブロッサムは万札を20、休暇を4日手に入れた!◆ 休暇はマインドセットの居る事務所で消費するぞ!!◆


◆忍◆
ニンジャ名鑑#XXXX
【レッドブロッサム】
マルノウチ抗争で父母を焼かれた少女、アケミ・アリガにニンジャソウルが憑依。暴虐を振るう人間…特に放火魔を激しく憎み、強力なカトン・ジツを振るう。その表情は常に歪み、静かな怒りに満ちている。
◆殺◆







「…………」黙々とバンを走らせるタニマチ。唐突にIRCが入り、画面にメッセージが表示される。
#ESTELLA :ハロー、凄腕ニンジャエージェント=サン、お仕事頼める?///
タニマチはその文字列に顔をしかめた。64

エステラ。油断ならない依頼斡旋者。ニンジャの力を使い、細々とニンジャエージェント業を営む彼にとっては、仕事上言わば切っては切れない関係にある。タニマチは彼女を信用しきってはいないが、食いつないでいくには今現在は彼女に頼るしかない状況にあるのも事実だ。65

#MINDSET :会えるのはいつだ?///
#ESTELLA :また?IRCじゃダメなのォ?///
#MINDSET :でなければ仕事は受けない。俺の提示した条件には合ってるよな?///
#ESTELLA :カタギに一切被害が及ばない依頼ね。拘るんだから。/// 66

#ESTELLA :まあ期待してるからね、マインドセット=サン。今度の火曜日に会いましょ。///
#MINDSET :分かった///
マインドセット…タニマチはIRC通信をオフラインにすると、運転に集中した。「…便利屋の仕事?」アリガが後部座席から声をかける。67

「ああ。まあな。」タニマチの丸ゴーグルの奥の鋭い瞳は、頑なな意志を湛えていた。68


◆忍◆
ニンジャ名鑑#XXXX
【マインドセット】
ネオサイタマの武装ジャーナリスト、タニマチ・ギンジにニンジャソウルが憑依。憑依したソウルの影響か、モータルの頃の善性や人間臭さをそのまま保持する。現在はフリーのニンジャエージェントとして糊口を凌ぐ。つばの広い中折れ帽に丸ゴーグルが特徴的。
◆殺◆


◆つづく……?◆最後までありがとうございました◆

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