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帰ってきたアイドル|0歳児の入院生活、終了

右耳にできた苺状血管腫の治療で12月10日から入院していた愛娘・うーちゃん(0歳4か月・女性)が、20日の朝、予定どおり退院した。

入院前までは

一時的にでも、うーちゃんのいない世界に逆戻りする。それはまだ何とか我慢できると思う。なぜならうーちゃんは病院にいるから。会いに行けるアイドルだから。だけど彼女が孤独を感じたり、誰にも構ってもらえない夜を怖がったりするのは、まだ早すぎる試練だ。病気は誰の責任でもないが、この治療法を選んだのは僕ら親なので、申し訳ない。

そんな辛さを抱えていた・・・と思っていた。
が、実際には正反対でした。

泊まり込みの付き添いができない僕ら親の寂しさは計り知れず、逆に感情が未発達な0歳児の入院生活はとっても快適&脳天気だったようで。

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初日こそ面会のタイムリミットにギャン泣きして僕と妻の心をかき乱したものの、翌日からは看護師さんにセッティングされた授乳クッションに腰掛け、堂々たる風格で僕らを出迎えた。まるで『AKIRA』のアキラ様。

小児科の看護師さんは夜泣きも交代で対応してくれ、決まった時間にミルクとシロップのおくすりを飲ませてくれ、オムツ替えも沐浴もきっちりやってくれた。

当然っちゃ当然なのかもしれないけれどネットで仕入れた不安だらけの情報とはまったく違ってプロでした。ごめんなさい、もうネットは信じない。

11日間の入院生活で妻は毎日朝から夜8時まで我が子に付き添い、あげられるときは母乳を与え、シロップ薬の飲ませ方もマスターした。家では夜と早朝に搾乳してパックに母乳を詰め、冷凍保存して毎日病院に預けることも忘れなかった。僕は寝てた。ほんとすごい。ありがとう。

なるべく自分もその場にいたくて、仕事を早めに切り上げて何日かは1〜2時間ほど病室にいた。

自我が芽生える前に治療をはじめて良かった。治療に痛みが伴わないというのも安心材料だった。病院にいると、生きているだけで奇跡に思えた。

親のひいき目もあるが、苺状血管腫の腫れは投薬直後からずいぶん治まった気がする。薬剤師さんによれば「早い子は入院中から効果が出てきます」とのことで、マジすか。

マジだった。まだ耳全体を覆う真っ赤な腫れはあるものの、お岩さんのようなゴーヤのようなゴジラのような塊はだいぶ引いた。

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ヘマンジオルシロップ、めっちゃ効いている。

副作用の低血糖も起こらず、あと半年はこのまま続けられそう。バニラ味の甘みは乳児には受けが悪いようだけれど(露骨にイヤな顔をする)。

妻は「大きくなってもアザが残ったままなら中二病に育てて、選ばれし伝説の子たるゆえんの痕なのだと吹き込もう」と言っている。そうだったのか・・・と運命を受け入れてくれる子に育てなければ。


追記:2019年6月現在、ここまで引きました。東京女子医大の先生、看護師のみなさま、ありがとうございました。

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