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自衛官・警察官に急増! メンタル不調の予防法とは?

NICKSです。

今日は強さ以前に必要なものについてお伝えします。

これな無くしては、身体的にも精神的にもタフネスは存在しません。

身体の強さ、メンタルの強さを語る前に考えるべき、最も重要なものとは一体何でしょうか。

その結論は、

 健康

です。

そんなもの当たり前だろうと思うでしょう。

ですが、真面目で、己に厳しく、タフネスを追求し、妥協を許さない人間ほど、実はこの健康をないがしろにしています。

身体の健康なら、体調の変化で自覚もしやすいです。

怪我や病気を抱えたり、調子が悪ければ休む以外に対処法はありませんし、休むと割り切らなければ回復もできません。

しかし、なかなか気づかないのは心の問題、つまり

 メンタルヘルス

です。

健康面で最も注意すべき問題は実はこの心の健康。

メンタルヘルスは目で見ることができません。

とくに自衛官や警察官といった最前線で緊張度の高い任務につく方は、このメンタルへの配慮をないがしろにしがち。

もう20年も前になりますが、実際、私が特殊部隊で勤務していた時も、メンタルタフネスはおろか、メンタルヘルスについて語られることもほとんどありませんでした。

そして日本はまだまだ一般的にもメンタルヘルスや精神医学への理解も浅く、メンタルの問題となると、精神的に弱いと言うイメージから抜け出せていません。

でも実際のところ、メンタルの強さとメンタルヘルス、つまり心の健康と言うのは分けて考える必要がある。

これは、筋トレに例えるとわかりやすいでしょう。

筋肉は鍛えれば当然強くなります。

負荷をかけ、筋肉を破壊し、そこから修復することで、以前よりも筋力がアップします。

逆に負荷ばかりをかけていては回復する暇がありません。

いずれ怪我に至ります。

だから、筋肉を強くするには、強くするためのトレーニングの他にストレッチやマッサージといったケアが必要です。

負荷と休息は、

 しっかりと区別

しなければいけません。

これはメンタルでも同じ。

負荷と休息を繰り返せば、間違いなく強くなります。

でも、この休息を怠るとどんなに強固なメンタルでも疲弊し、いずれメンタルの不調を起こすんです。

特に休息なんて意識していないよ、という方もいるかもしれません。

そんな人でも、意識していないだけで、実は確実に休息しています。

ストレスの源を排除できるならそれに越したことはないでしょう。

でも、自分だけでどうにもならなかったり、そもそも自分がコントロールできないストレス源を消し去ることは難しいです。

こんな時は、上手な休息が大事。

うつ病、パニック障害、不安障害といった代表的なメンタル疾患の陰には、この休息の欠如が明らかに存在しています。

実際、米海軍特殊部隊の歴戦の戦闘員でさえ、戦闘ストレスに対するケアは行なっていますし、これをないがしろにすることで、メンタルの不調に見舞われています。

米海軍史上最高のスナイパーと呼ばれたクリス・カイル氏も、ストレスによって異常なほどの高血圧に悩まされたり、時には不安感が増大し、冷や汗をかいたり、鼓動がおかしく、心臓が変だったといっています。

クリス・カイル氏(引用元:Wikipedia)

また、元DEVGRUのマーク・オーウェン氏も、ある任務の後には眠ることができなくなったそうです。

実際、私もメンタルの不調を経験したことがあります。

これは特殊部隊時代ではありませんが、SBUを除隊し、警察官として勤務していた頃、交番勤務から警察署の内勤に切り替わり、勤務スタイルが大きく変化しました。

そのうち多忙も極まって睡眠が短くなり、こまめな休息も忘れ、運動不足で体力も落ちて身体も凝り固まっていった。

自分はメンタル的に強いと自負し、最初は気力だけでカバーしていたものの、気づかぬうちにいつしか体調不良を始めとして精神的バランスを崩していったんです。

この時は、いい知れぬ不安感と沼にはまっていくような気だるい憂鬱感に襲われました。

いわゆる、鬱や不安症状です。

いくらメンタルを鍛えても、ちゃんとした休息は絶対に必要。

身体でいうと、筋トレでマッチョになってもちょっとした風邪をひき、そこから大きく体調を崩すことは大いにあり得ます。

いくら身体を鍛えても、免疫が下がった時にウイルスに感染すればひとたまりもありません。

これはメンタルも同じ。

精神的エネルギーが充足している状態ではストレス耐性も強いですが、エネルギー切れの状態が続けばいつか枯渇します。

こうしてストレスへ対処が追いつかないとき、SEALのような屈強な隊員たちでもメンタルのバランスを崩し始めるんです。

「ミスター・インクレディブル」というアニメ映画を観たことがある人は「そうそう!!」とうなずくのでは?

Mr.インクレディブル(引用元:ディズニー・ピクサー)

主人公のボブは悪者を退治するヒーローでしたが、悪者を捕らえる際に、街を壊したり、市民が怪我をするという弊害も多く、いつしかその活動に規制がかかっていきます。

そして時代の変化とともにスーパーヒーロー制度は廃止に…。

その後のボブは、過去の身分を隠したまま一般市民として民間企業のデスクワークに就く毎日。

そのうち、身体は肥満に、顔色は青白く、毎日が鬱々とした生活になっていきます。

そして、もうろうとなり「単三電池を買いに行く」といった簡単な用事すらこなせなくなってしまうんです。

ミスター・インクレディブルでさえこうなる。

ディズニー映画:ミスター・インクレディブルより

ではどの時点でメンタルを気にするべきなのでしょうか。

メンタルヘルスの状態を確認するには、

 4つのポイント

が有効と言われています。

その4つとは、

 ・思考
 ・感情
 ・身体
 ・行動

この4つを基準にメンタルヘルスを考えて見ましょう。

まず「思考」ですが、メンタルのバランスを崩すと気持ちが鬱屈し、ネガティヴな考えに陥りがちになります。

物事を楽観的に捉えるのが難しくなり、希望を持つことができず、常に悲観的なものの見方をしがちになる。

次に、「感情」ですが恐怖や不安、焦り、イライラ、怒りなどににとらわれ、感情の上下が大きかったり、安定しない状態が多くなっていきます。

何をしても落ち着かないといった状態もあるでしょう。

また、抑うつ状態が長く続けば、無気力になり、感情表現が乏しくなって、生きる意欲すら失ってしまいます。

3つ目の「身体」ですが
メンタルからくる身体の不調では、内科的な異常はないのに、不眠や頭痛、腹痛、めまい、動悸や嘔吐感などに悩まされたりもします。

4つ目の
「行動」では、仕事やプライベートでも、ミスが多くなったり、物忘れが増えるなど、適切な行動が取れなくなることがあります。

あなたがメンタルの疲労や不調を疑う時は、こういった

 4つの基準

を持っておくと役に立つでしょう。

ではこれらの不調を避けるストレス対処や確実なメンタルの疲労回復を促す方法はあるんでしょうか。

ここからは少し具体的にその方法論をご紹介します。

精神的ストレスに一番有効な対処法、それは

 睡眠

です。

人間は睡眠をとることで脳の疲労が回復し、新たなストレスへと対処することができます。

ところが、この睡眠が確保できないと、疲労から自然に回復する機会が奪われてしまう。

そうなれば、脳の疲労は溜まる一方で、いつしかメンタルの安定バランスを崩すことになります。

精神的疲労が溜まれば、人はネガティヴな考え方をしがちです。

人間は頭の中で毎分300~1000もの言葉をつぶやいていると言われます。

もしこれが、ネガティヴな心のつぶやきであれば、メンタルの疲労が蓄積するのは目に見えていますよね。

頭を休めて、これらのネガティヴなつぶやきをカットするためにも、睡眠は重要なんです。

そして、頭を休め、クリアにするもう一つの有効な手段があります。

それは、

 運動

です。

それも、過激な運動ではなく、少し汗をかく程度のリズム運動。

体を鍛えるとは別の視点で考えると良いでしょう。

ランニングやウォーキング、踏み台昇降といった、一定のリズムで軽く汗をかく運動は、特に有効なメンタルケアです。

精神医学でも立証され、うつ病や不安障害といったメンタル疾患の改善にも非常に効果が高いとも言われます。

リズム運動をすることは、その運動に集中することで、余計な考えを排除し、頭にこびりついた

 ネガティヴな思考を切り離す

ことを可能にします。

一時的にでも、ネガティヴ思考から離れることで不安、憂鬱といった感情を外に押しやることができる、有効な脳の休息法です。

さらに、適度に運動をすることは、睡眠を促進させる効果もあります。

昔と違い、自衛官や警察官もデスクに座り、パソコン画面を一日中睨むと言う業務も増えてきていることでしょう。

そうなれば、体は当然凝り固まります。

体を固まらせることは、血流を悪くし、頭を固まらせ、不健康へのスパイラルを促してしまいます。

これを断ち切るためにも、

 簡単なリズム運動

が有効です。

そして睡眠で体の疲労も取り去ることができれば、目が覚めた時には確実に回復しています。

任務、仕事、役割では、人と協力し、仕事を進める上でそれなりのストレスはかかるでしょうし、緊張度の高い任務であれば、かかるストレスの程度は半端ではありません。

こんなストレスがかかっても、十分な回復ができれば、しっかりと乗り切ることができます。

しっかりと乗り切り、十分な回復ができれば、心は以前より確実に強くなっています。

強い負荷がかかっても、折れずにしなやかに受け流し、鮮やかに回復できます。

強さよりもしなやかさ、精神的復元力、これは心理学でいう

 レジリエンス

と呼ばれる資質。

精神的「しなやかさ」こそが最大の武器になります。

十分な休息方法を確保し、日々メンタルを強くできれば、あなたは自分の能力を十分に発揮することができます。

十分な回復方法でレジリエンスを身につけ、上手なストレス対処を促し、
あなたの本来の実力を発揮してください。

もし何をやってもうまくいかない状況であれば、その時は勇気を持って他人に助けを求めるべきです。

強さを求め、日々精進している人ほど、他人に助けを求めるのは勇気が入ります。

それでも勇気を持って助けを求めれば、想像以上に自分が救われることに気がつくでしょう。

そうして回復し、さらに強くなることができれば、今度はあなたが他人を助けることができます。

そして、困難を克服したものほど、他人に寛容になれるものです。

これこそが本当の強さです。

ガムシャラに強くなるより、確実に強くなる一歩が大事

そうすれば、あなたはいつまでも前進し続けられるからです。

自分の特性を十分に把握し、あなただけの価値ある人生を作り上げてください!



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