見出し画像

特殊部隊 困難に折れないための   最重要シークレット・メンタル


こんにちは
元海自SBUのレジリエンス・メンタル・アドバイザーNICKSです。

YouTube動画への高評価、そしてコメントいつもありがとうございます。

ここで一つみなさんにお伝えしておきたいんですが、コメント欄のご質問についてです。
様々な質問、疑問をいつもいただきこちらも日々勉強になっています。
回答に当たって一つ苦しいところなんですが、質問の内容によってはどうしてもお答えできないものがあるということなんです。

やはり機密事項についてはお伝えできないんですね。

秘匿性の高い部隊というのは、
一度所属すると退役しても、一生秘密保持義務が課せられます。
なので、部隊の任務や訓練、装備、その他機密に関することについては当然、全くお答えすることができません。

秘密指定の解除がされない限り開示ができませんし、

おそらく指定解除になることはないと思います。

つまり秘密を守る義務が一生ついて回るということです。

軍隊の秘密保持義務についてはすごく厳しくて、これはイギリスの特殊部隊、SASとか、SBSなんかは特に厳しいですね。

SASなんかは、生涯にわたって秘密を守ることを現役隊員や退役隊員に誓わせているようですし

自衛隊もやっぱり厳しいです。

すでに公になっているような情報でも、正式なものとして言明しない傾向があります。

でも実はこれは仕方ないことなんです。

秘密か秘密でないかのグレーな部分は、一律秘密にしておいた方が安全なんですから。

さらに、これは秘密、これは秘密でないといちいちやっていると個別に判断するのが大変で、本来業務にも支障が出ます。

なので、関係機関への負担も考えた上で、私もこれに合わせ、グレーなものも画一的に一律にお答えできないことにしています。

でも、お答えできることには時間が許す限りお答えしたいと思います。

特にメンタル面での保持の仕方については、すべての方に役に立つスキルだと思いますので、このへんに関しては積極的にお伝えしていきますね。

特殊部隊員のシークレット・メンタルとは?

では、今日の本題、特殊部隊員のシークレットメンタル
「レジリエンス」についてです。

この記事を読むことで特殊部隊員が持つ、不撓不屈の精神の源、折れない心の秘密とは何かを知ることができて、それを身に着ける方法までががわかるようになりますので。
ぜひ最後まで読んでください。

特殊部隊員のメンタルスキルは、一般的にビジネス、仕事、試験、スポーツや日常生活で非常に有利になります。

特殊部隊員が持つ、緊張状態で自分のパフォーメンスを発揮したり、困難な状況でも折れないメンタル・スキルはどんな世界でも自分を前進させる非常に強い武器です。
なので、多くの方にこのスキルを活用していただきたいと思います。

特殊部隊員というと、人間からかけ離れたロボットやマシーンのようなイメージを持っている方も多いと思います。

ですが、特殊部隊員といえども普通の人間です。

ただ、違うのは、記述した通り、誰も知らないところでかなり過酷な訓練や任務についているということと、表に出ないのでどんなに素晴らしい実績を上げても、誰からも賞賛されないということです。

そんな中でも、使命感を持って危険な任務に望めるのはやはり、しなやかなメンタル。

特殊部隊員のメンタルというと、何事にもタフで、力強く、荒っぽい、頑健なイメージがあると思うんですが、実はその多くは、穏やかで思慮深い方が多いです。

こんなメンタルを維持できるのも、ちゃんと自己コントロールができている証拠なんですね。

自己コントロール自体が一つのメンタル・スキルということです。

前回の記事でもお伝えしましたが、このメンタルスキルで重要なのは4つの要素です。

復習になりますが、

この4つのスキルとは、

・思考力
・集中力
・冷静さ
・洞察力

この4つです。

そして、今日はこの4つのメンタルスキルに加えてもう一つ、大事なメンタル要素についてお話しします。

これは、特殊部隊員の最重要シークレットメンタルともいえます。

4つのスキルがあっても、これがなければ物事を継続できないといっても過言はありません。

結論からいうと、その要素とは

「レジリエンス」

です。

聞きなれない方もいると思いますが、レジリエンスというのは、「柔軟さ、しなやかさ、折れにくさ、復元力」といった意味で、

もともと、物理学の用語ですが、いわゆる「弾力性」のような意味合い。

力が加わってもクシャっと潰れたり、ポッキリと折れずにしなやかに元の形に戻る。

これが、メンタルの状態だと、大きなストレスがかかってもそれを受け流したり、ショックを吸収して元の状態に戻るということです。

柔らかい木の枝がしなっても元に戻ったり、ボールを凹ませてもちゃんと元の形に戻る、そんなイメージです。

強いストレスの中でも、ちゃんと対処できて、元の自分に戻ることができれば、また新たな困難が来てもしっかりと対処できます。

さらに、今までとは違う新しいチャレンジにも挑むことも可能です。

特殊部隊員というのは、かなりの緊張度が高い、つまり高ストレスがかかる任務が多いです。
このストレス対処能力が非常に大事になります。

そして、その対処能力の秘密は「レジリエンス」

米国の名門、ペンシルバニア大学でも最先端の研究がなされています。

レジリエンスがあれば、困難な状況にあっても必ずその状況を打ち破ることができます。

世界的に有名な成功者は、100%失敗と挫折を経験しています。
天才的バスケットボールプレイヤー、マイケル・ジョーダンは9000本のシュートを外し、負けた試合は300近くあるし、数えきれない失敗を重ねてきていると話し、それが成功の秘訣だとも言っています。

また、アップルの創設者、スティーヴ・ジョブズは一度アップルを追い出されていますが、別会社のピクサー・アニメーションを立ち上げ、その業績を伸ばして再びアップル社の最高経営責任者に舞い戻っています。

これはひとえに、挫折しても立ち直る復元力、「レジリエンス」がなければできないことです。

特殊部隊員の中でも、自分がレジリエンスを持っていることを、意識していない人の方が多いかもしれません。

ですが特殊部隊員は間違いなくこのレジリエンスを持っています。

自分のメンタルが折れずに正常に機能するよう無意識にでも調整しているんです。

そして、このレジリエンスというのは、自分で意識して作り上げて、身に着けることが可能なんです。

レジリエンスは長期戦で何かに取り組むには絶対的に必要な要素。

元からある程度備わっている方もいますが、そうでない人もちゃんとトレーニングすることで確実に手に入ります。

レジリエンスがあれば、心が潰れたり折れたりせずに自分を保てるんです。

さらに、一度少しでもレジリエンスを身につけると、その後、自然にレジリエンスが高まっていく性質もあります。

これは、一度レジリエンスを経験することで、自分にはできる、可能だという自信、心理学でいうところの「自己効力感」と呼ばれる力がつくから。

自己効力感がつくことで、さらに困難に挑戦する意欲が湧いて、結局どんどんレジリエンスを高める良循環が生まれます。
上昇スパイラルです。

レジリエンスは、任務の遂行や、仕事の達成、目標への到達、そのほか何かを成し遂げる時には、絶対的に強い武器です。

希望がなかなか見えないような困難な状況でも、自分のやるべきことを見極めて、継続する強い力を得られます。

さらに、ちゃんとした方法論を用意することで誰にでもこのレジリエンスが身に付きます。

誰でも気持ちが折れそうな時ってありますよね。

でも、弱気になろうが気持ちが萎えようが、それ自体は悪いことではありません。

人はどうしても弱気になると、自分はダメだなとは、自分には無理かもって思います。

でもそう思うこと自体は決して悪いことではないし、そんなことは誰でもよくあること。

大事なのは折れずに前進すること。

たとえ弱気になっても前進をやめずに、最後まで目標に到達すればその人はタフな人です。

そう考えると、メンタルに強い弱いは関係がありません。

強い弱いという表現自体が意味のないものになります。

「負けないこと、折れないこと、前進し続けること」

これらが最終的に勝利へ導きます。

元SASでブラヴォー・ツー・ゼロという本や映画でも著名なあのアンディ・マクナブでさえ、
生まれて初めて銃撃戦が始まった時、

「私は恐ろしかった、非常に恐ろしかった。」

と言っています。

だから、恐怖は誰にでもあるもので、感じて当然です。

元々、身を守るための精神反応なので、あって当たり前です。

大事なのはどう向き合うか。

レジリエンスはこうした精神反応と向き合うことを可能にします。

そして、このレジリエンスを身に着ける方法はいたってシンプルであるべき。

じゃないと誰にでも実践できるものにならなりません。

だからちゃんと方法論、つまり技術に落とし込むことが大事です。

一般的な心理学の世界では、
レジリエンスには7つの要素で成り立つと言われます。

でもこれはちょっと実践が難しいです。

あくまで参考に上げますが、

流して良いです。

7つとは、

・感情調整力
・衝動調整力
・共感力
・楽観力
・原因分析力
・自己効力感
・リーチアウト力

聞くだけでも難しそうですよね。

たとえば、普段生真面目な人が楽観力を持てなんて言われてもどうしたら良いかわからないと思います。

どうやって身に着けるのかイメージしにくいし、しっかり勉強して、誰かに教えを乞う必要もあります。

そして一番難しいのは、実践する際にどうすれば良いかなかなか見えない。

だから、本当はもっとシンプルに、そしてもっとシステマティックにできないと、誰もが実践することは難しくなります。

なので、これとは別に、私の特殊部隊経験から分析したレジリエンスとは、たった二つの要素で成り立っています。

その2つというのは

①適切な休息
②マインドセット

この2つです。

まず、「休息」について。

どんな人間でも休息なしに活動し続けることはできません。

特殊部隊員といえども、高いストレスが24時間続き、それが長期間にわたってかかる状況では疲弊するのは目に見えています。

一瞬でも良いから、どこかで休む必要があるわけです。

どんなに頑強な特殊部隊員でも休息は必要。

そして、メンタルの疲労というのは自覚しにくいので、どこかで休息を意識しなければなりません。

アメリカ海軍特殊部隊SEALのチーム3に在籍していた、伝説のスナイパー、クリス・カイル氏はその狙撃能力の高さから、イラクでは敵から「ラマディの悪魔」と恐れられていました。

そんなクリス・カイル氏でもだんだんと心が蝕まれ、眠れず、食べれず、心臓の鼓動が早鐘を打って、バケツ一杯の汗をかき、しまいには両手が震え、顔色も真っ青に変わっていったと言います。

伝説の世界最高スナイパーでさえ、休息なしでは心が蝕まれていくんです。

タフな特殊部隊員でも意識して休息しなければその弊害が現れるということ。

それほど緊張というのは、精神的にも身体的にも無意識に刻まれます。

さらに、普段から割とメンタルがタフで、折れにくい人ほど、一度不調が出始めるとなかなか深刻になることの方が多いです。

逆に、自分はそんなに強くはないと自覚して、普段からケアしている人間ほど、意外と長期にわたって戦うことができたり、不調が起きても案外立ち直るのが早いんです。

自分の弱点をよく知って、ケアしている者ほど、最終的には折れにくくなるということ。

メンタルの疲弊は自覚しにくいだけに、気づいた時には大きなミスや命の危険につながる恐れがあります。

だから、身体面と同じかそれ以上に意識して休息することが大事です。

逆に、この休息がうまくなれば、ストレスへの対処能力も上がります。

休息できれば、また立ち向かうエネルギーが湧くから。

なので、自分なりにちゃんとしたメンタルの休息方法を確立することが大事です。

これを技術として落とし込んでおくと、いつでもどこでも実践できるようになります。

自分の特徴を押さえ、自分なりに精神と身体の休息を素早く行い、確実に回復できる方法を見つけましょう。

そして、レジリエンスの二つ目の要素、マインドセットです。

マインドセットとは、「判断基準を変える」という意味です。

たとえば、仕事上である結果を出さなければならない時、大抵は慣れ親しんだ一番効率的な方法で取り組むと思います。

ですが、場合によってはうまくいかないということはよくありますよね。

その時に、このやり方じゃなきゃダメだ!という固定観念にとらわれるのではなくて、違う方法でも良いから同じ結果が出るように別の方法を考えることです。

これは普段、結構皆さんがやっていることだと思います。

諦めるのではなくて、違う方法で良いから同じ結果を出すルートを考えるということです。

これが、簡単な仕事とか日常生活だったら皆さんも普通にやっていることなのに、人生の重大な局面になると意外とできなくなることがあります。

だからちゃんと緊張と思考をコントロールして、いつものように別ルートを考えるということ。
つまり、判断基準を変えて違う可能性のレールに自分を乗せる。

これがマインドセットということ。

場合によっては一時退避や撤退のように見える場合もあります。
でも、任務の遂行や目的の達成をあきらめた訳ではありません。

アプローチの仕方を変わっただけです。

だから諦めるのとは違います。

たとえば、スポーツなり勉強なりで成果を出したい場合、自分より優れた人を参考にして努力すると思います。

でも、体格が違っていたり、環境が違いすぎて実践できなかったりと言ったこともあるでしょう。

そんな時は、判断基準を変えて、違う基準を設定、つまりマインドセットして自分にもできる方法に工夫しながら、同じ結果が出せるようにアプローチを変えてみるということです。

そうすれば、たどる道は違っても、結果的には同じところに着くことができます。

マインドセットとは、「思考の切り替え」と言っても良いです。

同じやり方ではなく、似たような方法で自分にでもできるやり方、自分にでもできる努力の仕方を見つけて、同じ結果を目指す。
場合によっては、「同じ」でなくても「近い結果」が出ればそれで良い。

そうすることができれば、諦めるという概念は存在しなくなります。

これは、ガムシャラに頑張ろうとする精神論とは全く異なる、一つのメンタルの技術です。

もちろん、精神論・根性論も必要な時はあるでしょう。

でも、多くは、技術的なメンタル・コントロールで自分のパフォーマンスを最大化することが可能です。

メンタルを「技術」にしておけば、いつでもどこでも実践できるようになります。

何よりスランプに陥っても、基本的な技術に戻ることですぐに復帰できます。

「技術化して基本に落とし込んだもの」は忘れることがありません。

これは実は射撃技術にそのまま当てはまります。

射撃は基本が最も大事です。

たとえば、

射撃は前提として正しいグリップが大事です。

正しい保持の仕方を知らないと、正確な射撃はできません。

武器の取り扱いについては別の機会にお伝えしようと思いますが、

基本をしっかり修得しないと、スランプに陥ったとき、全く回復できなくなります。

逆に、しっかり基本技術を身につけておけば、スランプに陥ったときでも基本に戻ることですぐに復帰できます。

狙撃や競技射撃はまた別ですが、基本を身体で覚えておくと、緊張しようが何しようが射撃は当てられるようになります。

頭で考える必要がないからです。

そしてパニックになろうが頭が真っ白になろうがどんな状態でも自然に実践できる。

それが結果的に自分や仲間や家族を救うことにつながります。

これが基本の底力です。

基本と言われるものはそれほど大事なんです。

私の提唱するタクティカル・レジリエンスに関しては、徹底的に方法論に落とし込んで、技術的に基本のレジリエンスを修得するよう提案しています。

基本技術に従って、「戦術的に身に着ける」レジリエンスです。

戦術的に身につけるので、私は

「タクティカル・レジリエンス」

と名付けています。

ちゃんとした方法論で、技術面に落とし込んで、そして戦術的に身に着けるので誰でもできるようなシステムです。

これを、皆さんにお伝えしています。

ここで一度前回の記述と合わせてまとめると、

どんな状況でも自分のパフォーマンスを発揮して、折れないメンタルを身に着けるには、

4つのメンタルスキル

・思考力
・集中力
・冷静さ
・洞察力

そして、もう一つ大事な要素
レジリエンスを身に着けること。

レジリエンスは
・適確な休息
・マインドセット

これが戦術的なレジリエンス

つまり、

タクティカル・レジリエンスの6つの基本

です。

私の記事を読むことでそのメンタルトレーニングの基本がわかるようになっていますので、何度でも読んでぜひ皆さんも修得してください。

4つのスキルを伸ばして、さらにレジリエンスを身に着けることで、思いもよらなかった自分の能力が見えてくるはずです。

もし、一からシステマティックな方法論を知って、しっかりとした技術を修得したいという方にはメンタルトレーニングプログラムも用意しています

一応、概要欄に貼って起きますので興味がある方はぜひ参考にしてみてください。

では、また次回の記事でお会いしましょう。


 NICKS

しなやかなメンタルの基盤を作り、自己のスペックを向上させる
タクティカル・レジリエンス講座テキスト
(テキストのみで自学自習が可能)

6MB版

22MB版


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?