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【本要約】幸せになるために嫌われよう【嫌われる勇気】

今更ながら『嫌われる勇気』という本を読んだ。
流行り物を避けたい捻くれ者なので数年前に大流行りした時には「あーハイハイ、他人の課題(笑)ね」と斜に構えていたが、いざ読んでみると大変良かったので記録したいと思う。課題の分離、大切大切。


なぜ『嫌われる勇気』が必要なのか

私は人一倍行動力に欠けていると思う。一度立てた計画をいざ踏み出す前に、やっぱりやめようかなと思うことが非常に多いのである。
その理由の一つが、人に批判されることを恐れているからである。挑戦することで他人から笑われたらどうしよう、その根底には他人に受け入れてもらえない恐怖心がある。
しかし、この本を読む限り、同じような悩みを抱えているのは私だけではないようだ。

アドラーによれば、人々の悩みー周りの人が敵に見えたり、劣等感や承認欲求などーは、すべて対人関係からくるものだと述べている。 それらの悩みを解消するヒントになるのが、この『嫌われる勇気』の考え方なのである。

アドラーの考えは自己中心的?

この本を読んで個人的に感じたのは、アドラーの考えは主観的であり、個人主義的であるということだ。

目的論

目的論の理論は「人間の行動にはすべて目的がある」というもの。
私たちが置かれている状況は、自分の目的を達成するための手段として考えるべきだとアドラーは言う。例えば、花が枯れたとすれば、通常は水をやらなかったから花が枯れたと考えるでだろう。しかし、アドラーは花を枯らしたかった、だから水をやらなかったと考える。このいじめっ子みたいな考え方を理解できない気持ちはわかる。ただ私は、使い方によっては非常にポジティブになると感じた。

例えば、私はフリーランスで働きたいけどお金を稼ぐことがうまく出来ないから、会社員としていて働いている。だがアドラー的に言うと、私は会社員として働くことを望んでいる。なぜなら、安定したお金がもらえるし、その安定した心境があるからお絵かきだったり、新しいことを学ぶ余裕ができる。また会社が嫌だなという気持ちは頑張る原動力にも使える。
どんなに不遇な状態であっても、それは私の目的だった、自分で選択したと仮に考える。こう考えると今自分がやるべきことや置かれている状況が冷静に見えるし、自分の人生を自分で決めている感覚があって、私はとても好きだと思った。

承認欲求

他者の期待に応えたいというのは自然な感情であるが、そのために自分を犠牲にするのは誤りである。他人の期待に応えることで自分のやりたくないことまでやる、即ち自分に嘘をつくことは、同時に周りの人にも嘘をつくことになる。
アドラーの考えは一見自己中心的に思えるが、彼は「他者の期待に応えるために行動する方が自己中心的だ」と言っている。(”私”がどう見られているか、”私”のした行動は正しかったのか など意識の先がいつも自分になっているから。私も思い当たる節があるぞ、、)

他者の課題に介入しない

他者が自分のことを好いてくれるか、またはSNSでどれだけいいねがもらえるかは自分にはコントロールできない。唯一できることは自分の道を信じて進むことである。人生を生きる主導権は自分にあり、全ての選択肢は自分が持っていることを忘れずに。

幸せになるために必要なこと

上記の考えを理解した上で初めて私たちは自身の人生の目的に取り掛かれる。人生の目的とは自己許容、他者への信頼、他者貢献で、幸せに生きる上で欠かせないこと。
最初に大切なのは自己許容である。自己許容とは、ありのままの自分ー例えそれが20点でもーを受け入れることである。できないことも受け入れ、肯定的な諦めが必要である。アドラーが言うように、できないことは悪いことではない。学校の評価基準ではできないことがあると×をもらってしまうが、できないことを理解すれば、自分のできることがより明確になると私は思う。長所と短所は紙一重。

次に重要なのは他者への信頼である。自己許容が十分であれば、他人を心から信じる勇気を持てる。他人を信じることは怖いことである。なぜなら、傷つく可能性があるから。しかし、それを恐れていたら深い人間関係は築けない。相手が自分を嫌いになるかどうかは他者の課題であり、コントロールできないものである。自分の意識を他者に向け、相手に何を与えられるかという他者貢献の気持ちこそが、自分の価値を感じられる瞬間であり、幸せになるために重要であるとアドラーは語っている。

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アドラーの言っていた『自分の人生を生きられるのは自分だけ』という言葉がすごく響いた。
自分の本当の目的を明確にする(それは自分に嘘をつかないということ)、そしてそれを通して他者貢献できたらいいなと思う。
意識の先を自分ではなく、他人に向けられるようにしたら、見えてくる世界がきっと変わってくる。

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