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【ライブレポ】#ババババンビ presents「#馬馬馬馬鹿者祭 」2021.12.14

 今回の公演は面白い取り合わせなので、またこういう対バンが実現することを願いつつ忘備録的に書かせていただきます。
付け足して僕はあくまでもアンスリュームびいきなので、どうしても偏った視点で書いてしまっている部分が多いと思いますがその点ご容赦。まあ、ニコ生の配信アーカイブも残っているので、直接それを見れば内容は分かると思います。
いつものごとく無駄にダラダラと蛇行した文章ですし、純粋なレポとはとても言い難いのですがお付き合い下さい。それではれっつごー。

公演データ

・公演名
『#馬馬馬馬鹿者祭 』

・出演
#ババババンビアンスリュームえのぐ

・開催日時
2021年12月14日(火)
開場 18:15 開演 19:00
終演後特典会

・会場
白金高輪SELENEb2

・その他
ニコ生無料生配信(一部プレミアム)あり

今回の公演について


 恥ずかしながら友人に教えてもらうまでえのぐさんの事を全く知らなかった。昨今このえのぐさん以外にもこのようなVRアイドルが雨後の筍のごとくぼこぼこと現れているじゃないですか。まったくと言って良いほどアンテナを張っていなかった界隈なのでビックリしました。

 なのでせめて今日までに公開されているえのぐさんの音源はなるべく聴いておこうと思って当日直前まで結構ヘビロテでえのぐさんの1stアルバム『真っ白な夢の世界』を聴いておいた。

 更に公式Youtubeチャンネルも登録して、メンバー4人のプロフィールなども駆け足ながら頭に入った状態で今回参戦しました。
僕はヴィジュアルはあんずさんが好みで、声はひなおさんが好きです。

 一方バンビさんはワンマンには参戦したことがないけれど、対バンで何度か観させてもらっているので楽曲もちょっとは知っているし、メンバーも全員とは言わないけれどなんとなく顔も名前も分かる。メンバー7人全員がこれだけのルックスを持ち合わせているグループはそうなかなか無い。さすがゼロイチ。

 バンビさんが所属する芸能事務所ゼロイチファミリアは今年は勢いが凄かった。バンビさん然り#212さん然り今年現場で見る機会が何度かあった。そして先日発表があったばかりだが、片岡美憂ちゃんがゼロイチに所属するというビッグニュースが飛び込んできたばかりだ。きっと来年もゼロイチの快進撃は続くのだろう。

 アンスリュームは言わずもがな僕が今年結構な頻度で通っている現場なので、準備は万端です。一昨日も超特典会という、特典会を半日ぶっ通しで行うイベントに参加し、僕の推しである黒木いろちゃんと沢山お話ししてきたばかりだ。サンタコスチュームの彼女からプレゼントを貰うどころか、ここのところハートを奪われっぱなしだ。



 いま飛ぶ鳥を落とす勢いのバンビさんと、VRアイドルえのぐさんとのコラボレーション、このスリーマンで一体どんな化学反応を起こしてくれるのかという期待値はとても高い。と同時に次世代ライブアイドルの在り方を手繰る意味合いも強い。

そして今回の会場SELENEb2は比較的新しい箱でスクリーンや配信環境などVRアイドルを迎えるにはとても良い環境に思う。

 事前情報として、どうやらこのバンビさん主催イベントはタイテを事前公開しないということらしく、当日会場に行っていざ幕が上がるまで出演順すら定かではない(バンビさん主催なのでバンビさんがトリを務めるのは確定)。
せめて各グループの持ち時間だけでも分かってさえいれば、ある程度セトリが予測できるのだが、それすら幕が上がり終演するまで分からない。

 

 もう1つ今回最大の謎が終演後の特典会だ。アンスとバンビさんはいつも通りの特典会なんだろうというのは想像に難い。だがしかし、えのぐさんは一体どんな特典会を催すのだろうか・・・。そもそも特典会というものをやるのだろうか。謎は深まるばかりだ。
きっとググればレポートもどこかに上がっているのだろうけれど、それを見てしまったら今日の楽しみが半減してしまうというもの。この目で実際に目撃してレポートを書いてやろうというお気持ちで臨みます。


公演開始

今回チケットを取るのが遅くなった為かなり後方の立ち位置になってしまった。セレネは公式でスタンディング収容700人となっている。けれど今日は配信カメラのスペース等を確保するためにフロアの前後にかなりのスペースを陣取っていた。それに加え上手側に女性専用エリアも設けられていた。
これらのスペース分を考慮しても今日は500人とまではいかなくても、体感で300人以上は人が入っていたと思う。

アンスリューム

オープニングアクトはアンスかえのぐさんかの2択だったがアンスだった。会場が暗転しアンスの呼び込みSEが流れて慌てて上着を脱いだり、ペンライト準備したりと少々忙しなくオープニングを迎えた。新鮮!

M1.アンスデーム
対バンでは一発目にクレジットされることが多いこのナンバー。『君臨君臨♪』という一度聴いたら耳から離れないキャッチ―なサビから始まる。そしてメンバーの紹介曲といった立ち位置。曲中盤でメンバー4人それぞれの紹介パートが入るので、推しの番になったら全力でペンライトを振り振りしよう。

M2.コイテラセ
先日のいろちゃんの生誕祭で初披露されたばかりのナンバー。『コイテラセはまだ音源がリリースされていないので、今日のようなネット配信を除けば現場に来なければお目にかかれない曲。歌詞もいろちゃんが手掛けていて、僕としては早く歌詞をじっくり見てみたいところ。

M3.ミーイズムが止まらない!
閻魔ちゃんの1年目の生誕曲。良い意味でアンスっぽくなくカッコいい。これを歌えるのは閻魔ちゃんしかいないよねっていう曲。
来週末に行われる閻魔ちゃんの生誕祭に向けて最近現場でよくクレジットされている曲だ。もちろん今回の生誕祭でも新たに閻魔ちゃんが手掛けた新曲が発表される。その曲をいち早く聞くには12月25日に渋谷のO-WESTで行われる生誕祭のチケットを取るべし。

MC(メンバー紹介)

今回こうして普段なかなか交わる事のない界隈にもアンスのメンバーの事を知ってもらえて、少しでも興味を持ってくれたらもうそれだけで意義のある対バンなのである。

M4.恋せよ!!ぱらぱら半チャーハン
MC明け一発目はみんな大好物チャーハン。この曲も対バンで高確率で出すアゲ曲。なので他グループのヲタクに知名度が高い曲だ。
僕は学生時代にちょうどパラパラが大流行した時期を過ごしている。なので、この曲調とパラパラの振り付けは懐かしいなあという印象なのだが、今のメイン世代からは逆に新しく感じるらしい。この時代にパラパラをフューチャーした曲を作り上げたアンスの音楽プロデューサーkatz氏のセンスが抜群に光っている。
TLで今日の感想をざっと流し見していても、チャーハンは概ね好印象を得ている。とても吸引力の強い曲だ。
今日もフロアみんなで楽しくチャーハンを美味しく作れました。

M5.アンスリューム大サーカス
今年の10月に発表されたばかりの新しい曲でアンスリュームらしいワチャワチャ系の良曲。各メンバーの見せ場がしっかりあるし、振り付けはいどみん先生なのでとても可愛らしい振りに仕上がっており、振りコピしていて楽しい。早く音源をリリースして欲しい曲の1つ。

M6.口下手ナイトメール
月ちゃんといえばこの曲じゃないだろうか。とても切なく甘い歌詞と青いステージ照明を一身に浴びた月ちゃんはとても神秘的で綺麗。是非現場に見に来て欲しい楽曲。振りコピも楽しい。

M7.にゅーかおすっ!!!!
この曲は対バンでもワンマンでもオールマイティにトリ曲になれるしフロアが最高潮に沸く曲だ。サビの振りもさることながら、ラス前の推しジャンがとにかく楽しい。今日一日のフラストレーションは全部この曲で発散しよう。そんなアンスを代表するアンセム。
口下手ナイトメールで一旦会場のテンションを落ち着かせてからのにゅーかおすだったので、まるでジェットコースターに乗っているかのような興奮と高揚を感じられるラストだった。

先日の現場でポッキリと折れたペンライトを治したばかりだったのに、今日もまたやってしまった。ペンライトを振る手に力が入り過ぎて手首に掛けておくストラップが千切れてペンライトがすっ飛んでいった。
幸いフロアに叩きつけられて周囲の人に被害が及ばなかったのがせめてもの救いだった。危ない危ない。

フロア全体も暖まってきたところで、注目のえのぐさんへとバトンを渡す。


えのぐ

少し楽曲の予習をしてきていたので、フロアでぽかーんと佇むことはなかった。正直、終始ずっと見よう見まねで振りコピしたり飛び跳ねたりしてめちゃくちゃ楽しめた。

そしてやはり今回セレネという箱をチョイスしたのは正解だったと思う。ステージバックにあるあの大きなスクリーンあってこその今日のパフォーマンスだったと感じた。あのスクリーンがもっとこじんまりとしたものだったのなら、きっとまた違った印象を受けたに違いない。
セレネは音響もどちらかというとフラットな感じなので、どんな楽曲にも対応できると思うしこれからもっとVRアイドルのイベントが増えてきてもいいのでは。

M1.e☆Jump!→Dream!!
この曲、めちゃくちゃキャッチ―でアイドルっぽくて1曲目にクレジットされるのがよく分かる。
そして、僕の身体は自然と振りコピをしていたのだった。もう今日の掴みはこの曲で間違いなかったと思う。
耳に残るし、初見でもノリやすいし、みんな可愛いし。


M2.It’s 笑 time!
1曲目のテンションからは少し落ち着いて、じっくりと各メンバーの歌声やダンスを見ることが出来た。
そして、この2曲目中盤あたりから僕が今見ているのはスクリーンの中にいるVRアイドルのハズなのに、本当にセレネのステージに存在しているかのような感覚を覚えてきた。


M3.アンプリファー
この曲は事前予習した曲の中には無かったので、完全に初見だった。VRアイドルの何が良いって、こういうとき公式Youtubeですぐに曲の復習が出来るところだ。振り付きで。

M4.Defiant Deadman Dance
この曲はえのぐさん最新曲とのこと。CDは12月15日リリースという、なんともタイミングの良い時に聴けた。
こういうちょっとハードめでカッコいい曲を入れてくるあたり、とてもアイドルらしいなって思ったし、こうして楽曲の幅を広げようと思えば幾らでも広げられるのがアイドルの強みでもあると思う。
セトリの中盤にクレジットするのに最適な曲。いよいよ後半戦へと期待がどんどん高まっていく。

M5 .BRAVER
MCを挟んで後半戦へ。『BRAVER』この曲はセレネに向かう途中電車の中で聴いていたので知っている。ど頭、あんずちゃんの歌唱力の高さを目の当たりにする。高校野球のイメージソングになっただけあって、とても真っすぐなメッセージ性溢れる楽曲。各メンバーの力強いヴォーカルが続く。
やっぱり、今僕の目の前に実際にメンバー4人がいる様な気がしている。気のせいなのか?いや、確かに今そこにえのぐのみんなが僕の方に向かって歌っている。これは現実《リアル》なのだ。


M6.Armor Break
僕は『臨戦態勢』を聴いていなかったので、この曲も初見だった。帰宅してから歌詞を確認したらやっぱり面白い歌詞だった。こういう曲は間違いなく現場で聴くに限る。

M7.絵空事
こうしてえのぐさんのライブをしっかりとこの目に焼き付けてきたわけですが、めちゃくちゃちゃんとアイドルだったし、楽曲も良いし、メンバーの歌唱力やパフォーマンスも勢いがあって、また見たいなと思った人も多いんじゃないだろうか。
これだけ完成度の高いライブパフォーマンスをVRアイドルがやってのけるとなると、リアルアイドルでぬるいステージを見せてるようなところはあっという間にVRアイドルにその座を奪われていく未来もそう遠くないのではないだろうか。いやもうその潮流は始まっているのかもしれない。僕の率直な感想だ。
絵空事はきっと形になる。

最後に少し心残りといえば『ハートのペンキ』を生で聴きたかった!



#ババババンビ

いよいよラストを飾るバンビさんの登場。今日の主役だけあって会場のテンションが一気に上がっていくのが感じられる。一斉にペンライトがフロアのあちこちで点灯し、SEが流れると会場全体で手拍子が。くるぞ!

M1.ばばばばんびずむ~!
恐らく僕が現場でいちばん聴いていると思う曲だし、会場を一気にバンビに引き込む強さがある。他グループ同様この曲もメンバー紹介曲の要素がある。
他にも、振りコピがめちゃくちゃ楽しい、会場一体になってみんなで一緒に振りコピを楽しむ曲でもある。会場全体で横移動は楽しいのだ!
こういう楽しい曲を早く全力で楽しめる会場レギュレーションが復活して欲しいものだ。

M2.とぅまっそ
この曲は新曲。音源もまだ出ていない。正直ばんびずむとキスしてほしいに挟まれていて、もうどんな曲だったのか覚えていない。せめて音源さえ確認出来れば記憶の糸を手繰れるのだが…。
話しは変わるが今年の女芸人No.1を決めるTHEW、僕はAマッソが一番面白いと思った。決勝ネタでペイズリー柄を押してきたところでツボってしまった。


M3.恋のキャンディ
たぶん初見だ。恋とキャンディは親和性が高い。
歌詞にもあるように「甘くてフルーティ」なのだ。
キャンディーといえば僕が真っ先に思い浮かぶ曲はAKB48の『キャンディー』だ。こっちの『キャンディー』でも恋とキャンディーを掛けているのだが、こちらでは「甘くてちょっと酸っぱい」と歌っている。
ちなみにこの『キャンディー』がクレジットされているAKBの『シアターの女神』公演で僕が好きな曲は『シアターの女神』とこの『キャンディー』と『100メートルコンビニ』だ。

M4.キスしてほしい
キスしてほしいは、現場でも見ているしMVを結構見ている。メンバーが全員水着で登場していて、なんとも眼福なMVに仕上がっている。必見の価値あり。
この曲もサビがとにかく可愛い。振りも可愛い。いよいよ会場のボルテージも最高潮へと達しようとしていた。
ちなみに僕の世代で「キスしてほしい」というと真っ先にブルーハーツの『キスしてほしい(トゥー・トゥー・トゥー)』が思い浮かぶ。こちらの曲も名曲だ。

MC
僕の推しの黒木いろちゃんとバンビの吉沢朱音ちゃんは飯友らしい。確かに二人でご飯に行っている画像を以前Twitterだったかインスタに上げていたり、朱音ちゃんのtiktokにいろちゃんが登場したりもしていた。いろちゃんと仲良くしてくれてありがとう。それに二人とも担当カラーが黄色なんだよね。tiktokで思い出したけど、朱音ちゃんがtiktokで披露しているマジック、いつもクオリティが高くて毎回ビックリする。
それとMCになると際立つのが、岸みゆちゃんの小ささだ。ビックリするぐらい小さい。特にセンターに立っている事が多いので余計にそう感じる。

M5.なんたって冒険中!
これは『とぅまっそ』と同じく新曲。大丈夫この曲はまだ覚えている。MCの時に振りが簡単だからみんなでやってと岸みゆちゃんが言っていた。
実際、両手を上げ下げする振りが続いてとても楽しい。周りのみんなも楽しそうに両手を上げ下げしていた。



M6.恋するうさぎちゃん最強伝説
振りコピが大好きな僕にはバンビの現場はとても居心地が良いかもしれない。今日今更ながらそう感じた。
この恋するうさぎちゃん最強伝説も幾度と無くウサギの耳を振りに取り入れていて、一緒に振りコピをしているとシンプルに楽しい。
両手でウサギの耳を形作って曲に合わせてぴょんぴょんしているだけで、本当に心がぴょんぴょんしてくるんだから不思議なものである。
こんなに楽しい振付をするのはそう、この曲もさきほどアンスの『アンスリューム大サーカス』の振り付けで紹介したいどみん先生が手掛けている。それともう1曲『キスして欲しい』もいどみん先生の手によるものだ。
どうやら僕はいどみん先生の振り付けが大好きみたいだ。

M7.SOS Summer!
最後にまさかのサマーソング。今日に限ってタオルを持って来ていない事に気が付いた。なんて誤算だ。そう、サマーソングといえばアイドルに限らずタオルを掲げてブンブン振り回すのが定番。湘南乃風ムーヴとでも言おうか。
このSOS Summer!も例にもれず手に持ったタオルをひたすらブンブン振り回す振りがてんこ盛り。
僕は今日着てきたロンTの裾を目一杯伸ばしてなんとかそれらしく腕を振っていた。

夏、今年の僕の夏はアンス一色だったな~。


終演後特典会

終演するまで謎だったえのぐさん達は特典会をやるのかやらないのか。もしやるのだとしたらどういった形態で行うのかという疑問はすぐに解消された。
終演後に場内アナウンスでバンビさんとアンスの特典会の案内だけが行われた。つまりえのぐさんは特典会をやらないということだ。物販も案内が無かったのでやっていない。
当たり前なのだがバンビさん主催ライブなのでバンビさん達の特典会列がえぐいことになっていてフロアを横切れない程だった。
一方アンスの特典会は、最近では珍しいぐらい人が少なくてびっくりした。ただ単に平日の夜だから集まりが悪かったのか、はたまたいろちゃんの卒業や閻魔ちゃんの移籍など衝撃的なトピックスが立て続けにあった影響も少なからずあるのではと思わざるをえなかった。
僕はいそいそと黒木いろちゃんの特典会列にならび、チェキを撮ってお話をして会場を後にしました。
今日のいろちゃんはいつも使っているカラコンが切れてしまい、以前金髪の時に使っていた色素薄目のカラコンを装着しているとのこと。
いろちゃん曰く「はしかん(橋本環奈)と同じやつだよ」と言うのでいろちゃんの目玉をまじまじと見ていたら確かにはしかんそっくりだった。
貰ったチェキには『はしかん!』と書いてあった。

今日の箱、セレネは僕が黒木いろちゃんと初めましてをした場所なので、とても感慨深いところでもある。最近アンスがセレネに来ることがだいぶ減っているのであと何回このセレネでいろちゃんに会えるだろうか。


公演を終えて

 冒頭で話題に出たタイテと持ち時間非公開についてここでもう少し掘り下げて触れておきたい。昨今のライブアイドル現場で僕たちは普段タイテや持ち時間を事前に知らされることに少し慣れ過ぎてしまっているのではないだろうか。TwitterのTLでも「早くタイテ出せ!」とか「タイテ遅い」といった呪詛が毎日の様に流れてくるのを見ている。
だが僕は寧ろイベントの演出としてタイテや持ち時間を全く公開しないというスタイルはもっと歓迎されても良いようにすら感じる。

 確かに1日でアイドル現場を2回し3回し(アイドル現場のはしご)する様な場合や、遠征している場合だとタイテは生命線なのだが、ワンマンや今日みたいなスリーマンぐらいの規模感なら、タイテや持ち時間を非公開にした上で、それらを気にせずじっくり1つの現場を楽しんだ方がライブ本来の、その空間だけで展開される世界観に没入するという体験や、それによって得られる効用はタイテや持ち時間を公開するそれよりも高いという側面があるように思う。そこに没入するにあたって、時間という概念は寧ろ障壁として邪魔になってしまうことは大いにあると僕は考えている。

 たとえば、上述の様にワンマンもちろんのことスリーマン~6マン程度の対バンで、並行物販の必要がないイベントであれば、持ち時間なんて公開しない方がイベントの楽しみ方としてはこの方式に魅力を感じる人は案外少なくないと思う。

 タイテや持ち時間を気にせず思う存分目の前のライブに意識を向ける。そうして得られた没入感や陶酔感、高揚感は何も終演と同時に霧散してしまうわけではなく、かなりのあいだ持続するというのは自身の経験としてある。ならば、より強い没入感や高揚感を得たい=最大効用の希求、という方へオーディエンスの心が動くのはごく自然なことの筈。


 僕自身上記の先日行われた黒木いろちゃん生誕祭の日を思い返すと、未だにかなり臨場感の高い追体験を味わう。鳥肌も立つしそれこそ涙が出そうにもなる。あの日のO-WESTのフロアの空気感や照明の光、握った手摺の感触色々な感覚が甦る。

 子供の頃、トイレに行くことすら忘れて身体を揺らしながらTVゲームを一心不乱にしているところに、母親の「トイレ我慢してないで行きなさい!」の一言で「あ、そうかトイレ行きたかったんだ」って我に返った経験ありますよね。
 次の予定や明日の仕事なんて忘れてしまうぐらい没頭できるアイドル現場、素敵じゃないですか。ライブの次の日も翌週もあの日のライブの事を思い返して何度も何度も臨場感たっぷりに追体験できたら楽しいと思うんです。

 タイテや持ち時間を公表するのって、有難い反面ずっとそればかり気にしていると僕は正直辟易してしまう時があります。好きなアイドルの現場に来ているのに「どうして仕事でもないのにこんなにタイムスケジュールを気にして動かなきゃいけないのだろう・・・。」って。
これって完全に時間泥棒に支配されていますよね。


 ですが、何も一斉にタイテの公開止めましょうって言っているのではなく、今日みたいな非公表の現場にたまには行って後の予定なんて忘れてしっかり目の前で行われていることに意識を集中すると、より楽しいしその楽しさの鮮度をより保ったまま持続するよ。ということが言いたいのです。

 さいごに、今日はVRアイドルの可能性を充分に感じることのできるライブだった。VR技術の進歩もさることながら、アイドル自身の練習量に裏打ちされたライブパフォーマンス全般のレベルの高さや、歌唱力。これは本当に他のアイドルグループは見習う部分が多いと思う。VRだからと高を括っていると足元を掬われてしまうグループが沢山いるんじゃないだろうか。

 一方、VRの技術面で1つ気になった点もある。それはダンスだ。まだVRアイドルの身体の関節の動きなどにぎこちなさが残っているのがどうしても目についてしまう。これは今回のように生身の人間と対バンする上でどうしても比較してしまいたくなる部分だし、その違いが顕著に見てとれてしまう。このあたりのVR技術の進歩がもう少し追いついてくるといよいよ分からなくなってくる。

 今回の様なリアルとバーチャルが対バンをするという機会がどんどん増えて行けばそれは良いシナジーとなり、ライブアイドルシーンをより盛り上げていく起爆剤の1つになり得るのではと思わせてくれた。

ここまで読んでいただきありがとうございます。
また気が向いたらレポートなど書いていこうと思っております。

万が一サポートして頂けるような神がいらっしゃいましたら、取材費としてありがたく使わせていただきます。