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糸魚川へ

少し野暮用があって、糸魚川まで出かけていた。県を跨ぐのは久しぶりだ。

新潟⇔富山間の8号線沿いを走った事がある人には分かると思うが、「親不知・子不知(おやしらず・こしらず)」という慣れていない人にとっては結構な難所がある。山へと向かう道のように、ぐにゃぐにゃと色々なところにカーブがあって、トンネルばかりで視界は悪いし、万が一にも道を外れれば、海か谷底へと真っ逆さまだ。


トンネルへの入口
トンネルを抜けると何があると思う?またトn
写真ではこの山の迫力は伝わらないと思う
所々にポツンと町が
親不知では一番印象に残るであろう道。こういったトンネルがカーブも交えて数キロ続く。

この道は夜間に走ると後悔する。

そうこうして移動している内に市内へと着いたのだが、用事が思ったより早く終わってしまったので、近場にあった「ラベンダービーチ」というところに寄ってみた。どうやらヒスイが取れる場所として有名ならしく、近くにそれ関連の建造物がいくつかあった。


手のひらサイズの石ならば持って帰っていいらしい。
最初は「上から見ると勾玉のように見えるだろうか」と思ったのだが、多分違うと思う。
「底奈流玉」とはヒスイの事らしいですよ。
沼河比売(ぬなかわひめ)の像 

この他にも、ヒスイの加工過程を記す(あれは彫刻というべきかレリーフというべきか)ものや、ちゃんと見えてはいないのだが公園のような物もあったので、軽く遊びに来るにはいいかもしれない。

今の時期からは、きっと最高のさんぽコース。

一応海まで行けるらしいので、行ってみることに。

誰かが積んだであろうもの
なので私も負けじと積んだ

浜辺に石を積むのは海で亡くなった方を弔う為だとか、願掛けだとか、単なる遊びだとか色々言われているが、私のは特に深い意味はない。

幼い頃は、石を積むと縁起が悪いと教わった記憶があるが、他にも「夜中に口笛を吹くとヘビが来る」だとか「雷が鳴っている時にへそを出すと鬼がへそを取りに来る」だとか色々と言われて育ってきて、今のところ、ヘビが来たこともへそを取られた事もないので信じていない。


日本海!

釣りもできるし、泳いでも大丈夫だと言うが、結構波が強いので子ども連れは別の場所の方がいいかもしれない。

絶対火曜サスペンスの犯人

偶然撮れた母の写真だが、かなり気に入っている。バッグが包丁に代わっていても何も違和感はないと思う。で、母も撮ってくれると言うのだが…

斜め、物凄く斜め。あとなんか遠くない?

酷くない?これ?ポーズはおじいちゃんだし、顔は悟っておられるし、なんかもう総じて全てが。

ワタシコンナハダキレイナヒトシラナイ ダレデスカコノヒト

撮っていて気づいたのだが、Galaxyくんは少々色味を不自然に強調する節があるんじゃないかな。これはまだスマホを変えたばかりで慣れてないせいなのか。個人的にAndroidスマホの中で、何もいじらない状態ならPixel端末の写真が一番好きなのだが。

写真を見ると、体格はガッチリしていないし、顎がしゃくれていないので、やはり2種説濃厚かな。首が太いという感覚はないのだけれど、どうなんだろう。


と、ここで一旦昼食を取る事に。近くにあった大きめの石に座って、2人並んで鶏五目のおにぎりを頬張る。「上で野鳥が鳴いていたけれど、あれは何の鳥だろうなぁ」というような会話をしながら食事を終え、その後お気に入りの石をいくつか拾ってその場を後にした。

拾った石。わかめごはんで作ったおにぎりみたいな方が私の選んだ物。理由は2人とも「なんとなく」

帰りは「親不知ホテル」という場所の奥に、展望所があるという話を聞いて、そちらの方へ。因みに、むかし列車が走っていた旧親不知トンネルへも、この場所から行く事が出来る。今日の目的は展望所だったので手前まで歩いたが、道中小さな滝があってしばらく眺めていた。

気を取り直して展望台へ。坂を登った矢先にこんな看板が。

松尾芭蕉、森鴎外、歌川広重と、錚々たる面々が並んでいる。

展望台の傍にも色々と書いてあったのだが、その中でも興味深かったのが「親不知・子不知」という地名の由来で、昔「池大納言 平頼盛(いけのだいなごん たいらのよりもり)」の後を追ってこの地を通りかかった夫人が、抱えていた自分の幼子を波にわらわれてしまい、その悲しみを歌った「親しらず子はこの浦の波まくら 超路の磯のあわと消えゆく」という歌が、この地名の由来らしい。

昔、親戚のおじさんに「なんでこんな地名なの?」と聞いたら似たような答えが返ってきたが、あの話はあながち間違いじゃなかったんだ。

因みに、この近くにはブラタモリも来たことがあるらしい。さすがタモさん。どこにでも現れるね。

展望台から
3倍ズーム
同じく展望台から。波が光っていた。
日本近代登山の父と評される、ウォルター・ウェストンの像。

一通り見て回った後に帰還。幼い頃から水が流れる音や風景が大好きで、自分で小さなダムや川を作って遊ぶような子どもだったので、波や川の音がとても印象的だった。短い動画だが載せておく。近くなのでよく聞こえます。



坂道やら階段やらで疲れたね。胎内だとか山北だとか、村上方面へはよく行く事が多いが、糸魚川はいつも素通りなので、新鮮な感覚でとても楽しめた。

実を言うと、海へと行ったのはあれが人生で初めてで、ひたすらその壮大さと優雅さに息を呑んでいた。やっぱり自然っていいですね。みなさんも、もし立ち寄る機会があれば是非。