糸魚川へ
少し野暮用があって、糸魚川まで出かけていた。県を跨ぐのは久しぶりだ。
新潟⇔富山間の8号線沿いを走った事がある人には分かると思うが、「親不知・子不知(おやしらず・こしらず)」という慣れていない人にとっては結構な難所がある。山へと向かう道のように、ぐにゃぐにゃと色々なところにカーブがあって、トンネルばかりで視界は悪いし、万が一にも道を外れれば、海か谷底へと真っ逆さまだ。
この道は夜間に走ると後悔する。
そうこうして移動している内に市内へと着いたのだが、用事が思ったより早く終わってしまったので、近場にあった「ラベンダービーチ」というところに寄ってみた。どうやらヒスイが取れる場所として有名ならしく、近くにそれ関連の建造物がいくつかあった。
この他にも、ヒスイの加工過程を記す(あれは彫刻というべきかレリーフというべきか)ものや、ちゃんと見えてはいないのだが公園のような物もあったので、軽く遊びに来るにはいいかもしれない。
一応海まで行けるらしいので、行ってみることに。
浜辺に石を積むのは海で亡くなった方を弔う為だとか、願掛けだとか、単なる遊びだとか色々言われているが、私のは特に深い意味はない。
幼い頃は、石を積むと縁起が悪いと教わった記憶があるが、他にも「夜中に口笛を吹くとヘビが来る」だとか「雷が鳴っている時にへそを出すと鬼がへそを取りに来る」だとか色々と言われて育ってきて、今のところ、ヘビが来たこともへそを取られた事もないので信じていない。
釣りもできるし、泳いでも大丈夫だと言うが、結構波が強いので子ども連れは別の場所の方がいいかもしれない。
偶然撮れた母の写真だが、かなり気に入っている。バッグが包丁に代わっていても何も違和感はないと思う。で、母も撮ってくれると言うのだが…
酷くない?これ?ポーズはおじいちゃんだし、顔は悟っておられるし、なんかもう総じて全てが。
撮っていて気づいたのだが、Galaxyくんは少々色味を不自然に強調する節があるんじゃないかな。これはまだスマホを変えたばかりで慣れてないせいなのか。個人的にAndroidスマホの中で、何もいじらない状態ならPixel端末の写真が一番好きなのだが。
写真を見ると、体格はガッチリしていないし、顎がしゃくれていないので、やはり2種説濃厚かな。首が太いという感覚はないのだけれど、どうなんだろう。
と、ここで一旦昼食を取る事に。近くにあった大きめの石に座って、2人並んで鶏五目のおにぎりを頬張る。「上で野鳥が鳴いていたけれど、あれは何の鳥だろうなぁ」というような会話をしながら食事を終え、その後お気に入りの石をいくつか拾ってその場を後にした。
帰りは「親不知ホテル」という場所の奥に、展望所があるという話を聞いて、そちらの方へ。因みに、むかし列車が走っていた旧親不知トンネルへも、この場所から行く事が出来る。今日の目的は展望所だったので手前まで歩いたが、道中小さな滝があってしばらく眺めていた。
気を取り直して展望台へ。坂を登った矢先にこんな看板が。
展望台の傍にも色々と書いてあったのだが、その中でも興味深かったのが「親不知・子不知」という地名の由来で、昔「池大納言 平頼盛(いけのだいなごん たいらのよりもり)」の後を追ってこの地を通りかかった夫人が、抱えていた自分の幼子を波にわらわれてしまい、その悲しみを歌った「親しらず子はこの浦の波まくら 超路の磯のあわと消えゆく」という歌が、この地名の由来らしい。
昔、親戚のおじさんに「なんでこんな地名なの?」と聞いたら似たような答えが返ってきたが、あの話はあながち間違いじゃなかったんだ。
因みに、この近くにはブラタモリも来たことがあるらしい。さすがタモさん。どこにでも現れるね。
一通り見て回った後に帰還。幼い頃から水が流れる音や風景が大好きで、自分で小さなダムや川を作って遊ぶような子どもだったので、波や川の音がとても印象的だった。短い動画だが載せておく。近くなのでよく聞こえます。
坂道やら階段やらで疲れたね。胎内だとか山北だとか、村上方面へはよく行く事が多いが、糸魚川はいつも素通りなので、新鮮な感覚でとても楽しめた。
実を言うと、海へと行ったのはあれが人生で初めてで、ひたすらその壮大さと優雅さに息を呑んでいた。やっぱり自然っていいですね。みなさんも、もし立ち寄る機会があれば是非。