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あんみつ姫!

人生初体験を綴る。
「あんみつ」を、食べた。46年生きてきて、初だ。
場所はアウトレット湘南平塚のフードコート。KUGENUMA SHIMIZU CAFE。湘南あんみつ、というメニュー。

なぜ46年もの間、一度も食べなかったのか。理由は簡単で、餡子などの和菓子に、幼少の頃からまったく興味がなかったのだ。

大人になってから、僕は、酒飲みになってしまった。甘いものとの距離は、ますます離れてしまった。食後にウイスキーを飲みながら、たまにチョコレートを摘む程度。

では、そんな僕がなぜ、あんみつを食べたのか。
下の記事は、僕の大好きなエッセイだ。毎回、スイーツが登場する。その連載最新話に出てきたのが、あんみつだったのだ。読後、心のどこかで、そう言えば、食べたことなかったな、とずっと引っかかっていた。
面白いことに、今まで、あんみつの看板やお店が出ていても、一切僕のレーダーが反応することはなかったのに、頭の中に一度インプットされた単語は、いとも簡単に僕をその対象に導く。

僕が今回食したあんみつは、ソフトクリームが乗り、王道とは異なるものかも知れない。ただ、人生で一度も食べたことがないのだ。王道も邪道も、伝統的も斬新もない。

そもそも、あんみつの定義って、なんだ?Wikipediaで検索してみる。

あんみつ(餡蜜)は、みつまめに餡を盛った和菓子。賽の目(細かい立方体)状に切った寒天に、茹でて冷やした赤エンドウマメ、小豆餡、求肥、干し杏子などをのせ、みつ(黒蜜や白蜜)をかけて食べる。

みつまめ?なんだそりゃ。
妻に聞いてみると、餡子とは明らかに食感が違うから、わかるよ、と教えてくれた。ちなみに、妻は和菓子が大好物だ。混雑して満席のフードコート、1人であんみつを食べるわけにもいかず(恥ずかしい)、ちょうどいい、妻と一緒に一皿を食べることにした。

まあ、ソフトクリームは安定した美味さだわな。黒蜜が新しいアクセントとなっている。今日が季節外れの夏日だったこともあり、スプーンが進んだ。そこに、餡子を乗せて食べてみる。
嘘!美味い!これ、結構ベストな組み合わせじゃない?僕が興奮気味に妻に話すと、いやいや、それ、もう巷に溢れてるよ、昔から、と笑われてしまった。
コリッ!?
ほとんど全てが柔らかい食感の集まりの中、あった、違う食感が。これがみつまめ!鼻から抜ける香りが、オリーブに似ている。
白玉、餅、寒天、みかん、さくらんぼ…。次々とスプーンに乗る食材に、僕も妻も、いつのまにか笑顔になっていた。
咄嗟に出てきたキャッチフレーズは「昭和女子の玉手箱」だ。あんみつは、1930年に銀座あたりが発祥、とある。あながち、間違いではなさそうだ。

湘南、を感じることはできなかったが、あー、なんで今まで誰も教えてくれなかったかな。こんな美味いもの。夏の昼下がり、レトロな喫茶店あたりで食べてみたいぜ、文豪気取りで。

これから、今まで食べてこなかったものを、食べてみようかな。新しい冒険。
ライターを始めて、未経験のものこそやるべし、の精神が備わってきた。
人生、まだまだ楽しくなりそうだ。

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