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最速マティーニ、オリーブステア

家でカクテルを作る場合、私が1番大切にしているポイントは、いかに楽に作れるか、である。理由は単純である。種類によって差はあれど、カクテルは基本的に作るのが面倒だからだ。やれシェイクだステアだ、フルーツを絞ったりグラスに塩をつけたり。1杯だけで満足する人ならばまだしも、私は数杯飲む。その際、楽に作れるカクテルは、絶対的な正義だ。工程が増えれば当然洗い物も増える。飲んだ後の後片付けは、少ない方が嬉しい、ここに反論はないはずだ。
さて、ご存知、キングオブカクテル、マティーニ。作り手の数だけこだわりがあると言われ、ミキシンググラスに、ジンとドライベルモットを入れ、ステアして作る。レモンピールをし、オリーブを添える。これが基本的な作り方。初心者にとって、ミキシンググラスでステアと言う、このカクテル最大の難所にして見せ場を省いたのが、以下私のレシピ。
唯一の条件は、ジンは冷凍庫、ドライベルモットとグラスは冷蔵庫でそれぞれ冷やした状態の物を使用する、これだけ。

①グラスにベルモットを注ぐ。いちいち軽量しない。私はだいたい15ccくらいのイメージ。

②次にジンを注ぐ。60cc程。

③アンゴスチュラビターズを1ダッシュ(1振り)。この工程は飛ばしてもいいが、この1振で、マティーニに奥行きが生まれる。

④このレシピで、最もポイントとなるオリーブステア(筆者命名)。ピンに刺したオリーブで、グラスの中身を5秒程度かき回す。

⑤最後にレモンピール。レモンの皮を小さく切り、折り曲げて皮から放出されるミストをカクテルにかける。完成。

氷を使って冷やす、混ぜる、この工程を省いたために、溶ける氷による加水量はゼロ。よって度数は最強、出来上がるまでも最速。
マティーニは、バーテンダーによってその出来上がりに大きな差が生まれる。下手くそが作るものはピンボケした写真のように飲み手を不愉快にさせ、腕のいいバーテンダーが作るものは、澄み渡り、スキがない。しかし、家飲みカクテルでは、私のレシピこそが究極だという自負がある。理由は、誰が作っても同じ味になるからだ。特別な技術がいらないから、失敗しない。唯一の欠点と言えば、美味しくて、作るのも簡単だから、ついつい杯を重ねてしまう事。3杯も飲めば、完全に出来上がってしまう。ご注意を。

あなたの夜が、素敵に色づきます様に。

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