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友寄隆哉の音楽講義:Vol.03:ジャズ、ロック、ブルースを目指す人、必読!アドリブが効く人、アドリブが苦手な人:ジャズから学ぶ、即興演奏のトレーニング・メソッド(自由に弾く、自由に喋る、自由に書く脳の使い方)「2021年11月29日」(スマホ対応)


即興、というジャンルがあります。音楽で言えば、すぐに浮かぶのが、ジャズのアドリブによる即興演奏です。ロックギターのアドリブもあるでしょう。

近年では、音楽だけにとどまらず、漫才の世界のフリートークや演劇の世界でも即興劇などがあります。

ところが、世の中には、どうしても即興が苦手だ、アドリブが苦手だ、という人たちがいます。しかしそれは、それほど、個人的に悩む事ではない、というのが私の見解です。

なぜなら、ほとんどの日本人が即興が苦手だからです。

誰しも、突然のスピーチは苦手かもしれませんが、その中でも極端というか意外に多いのが、メモにまとめないと、電話での問い合わせもできない、という人たちがいます。

すぐに電話を掛けて、あれこれ聞くことが思い浮かばない、というのです。あまりピンと来ない、という人は、外国語を使用しての電話での問い合わせ、と考えればイメージがつかめるかもしれません。

母国語なのに、とっさの受け答えに自信がないわけです。

即興は音楽の世界特有なもの、と考える人もいるかもしれませんが、実は、音楽の世界でも同様で、即興、アドリブが苦手な人がたくさんいます。

基本的には、即興ができる、という人の方が稀な存在と言えるくらいです。

たとえば、ロック・ミュージックは、まさしく”アドリブ”じゃないか、と思うかもしれませんが、ロック・ミュージシャン、ロック・ギタリストの中で、即興が苦手なミュージシャンはたくさんいます。

ジャズの場合は、当然、”アドリブ”は、ジャズの命そのものでもありますが、即興ができないジャズ・ミュージシャンたちもいます。

また、こうしたジャズの即興を学ぶ際の講師側の学習メソッドがいいかげんだと、結局、自由にアドリブできる、というレベルまで到達できません。

これは、教える側の教師自身にも問題があります。

さほど、即興していないのです。

ほんの短時間、即興して終わりです。

それくらいなら、何かしらの原稿があるはずです。

本当の即興には、終わりがありません。

延々と弾き続け、延々と喋り続けています。

この問題で、よく例えられるのが、”日本人の語学音痴”という長年の課題です。

中学1年生から大学まで英語を学んでいるのに、ちっとも自由に喋れない、という現状は、もう何十年も英語教育の問題で議論されて来た事です。

これと同じ現象が、ロックやジャズでも起こっているわけです。

昔から、”物事を学ぶには、まず身銭を切りなさい”という事で、高額の月謝を支払い物事を学んで来ました。

しかし、近年は、無料YouTubeチャンネルのYouTuber講師の台頭で、誰もが講師になる事ができ、活用次第では、有利な情報を無料で手に入れる事もできます。

また、”只ほど安いものはない!”という教えも昔からあります。

無料で手に入るメソッドには、かなり古いメソッドや間違った練習法も横行しています。

武術の世界では、生涯、極秘としている”奥義”などもあります。

これを簡単に弟子に伝授すると、いずれ師匠の命まで危なくなるからですね。

これは、料理の世界も同じです。

その店の味を簡単に教えるわけにはいきませんから、まず、3年を皿洗いや下準備の修行で試すわけです。

ある有名寿司店の従業員は、6年目に寿司飯(シャリ)を作る係に昇格し、そこから初めて、寿司を握り、9年目で、店でのカウンターデビューをするそうです。

しかし、これは、不当な扱い、というわけではありません。

ちゃんと就職採用された日から、お給料を頂いての修行ですから。

物事の習得は、最初が肝心です。

最初に間違った事を学んでしまった事で、その後の成長は困難となり、正しく学び直そうと思っても、悪癖を矯正するのに、また同等の時間を費やさなくてはいけなくなります。

これを”砂上の楼閣”と昔の人は譬えました。

砂の上に建てた重曹の建物は、もろい、という意味です。

語学で言えば、最初に悪い発音を学んでしまったら、これを矯正するのは大変でしょう。

しかし、状態によっては、これはもう、不可能かもしれない、という状況もあります。

通常は、初心者、初学者は、安価な月謝を求めますが、実は、最初に学ぶ事が大事なのです。

たとえば、楽器でも運動用具でも、実は、安価な物の方が使いづらいのです。

安価な楽器は弾きづらい。

しかし、高級な楽器は、意外に弾き易いのです。

ジョギングをしようと決めた初心者が、安価な靴を購入し走る事と、高級なジョギング・シューズを購入し走る事との違いを比較して見るといいでしょう。

初心者だから安価なシューズでいい、という人の方が、初日から、足の痛い、辛い走りになってしまうわけです。

それが三日坊主の原因だったりもします。

これと同じで、安価なギターは、すぐに手が痛くなるほど、弾き辛かったりします。

恐らく、すぐ辞めるかもしれない、と思って始めるので安価な物を求めるのかもしれません。

それは仕方のない選択でしょう。

しかし、意外に、それが、初日から辛い原因だったりします。

そこから、”只ほど安いものはない”となるわけです。

その人の価値自体も”安いもの”になります。

近年は、無料YouTube台頭の時代ですが、しかし、相変わらず、トップに立つミュージシャンやアスリートは、こうした時流に染まらず、優秀なコーチや指導者を求めて、高額な指導料を支払い、留学したりと、昔から変わりません。

私自身にも4人の師匠がいます。

私の場合は、国内で、良い指導者を求めて上京したわけです。

それぞれ、ロック、クラシック、ジャズギターの有名な演奏家の師匠3人と有名な編曲家の師匠の1人ですね。

こうした師匠たちから学んだ体験と、1984年からの教室でのアドリブ指導、ミュージシャンとしての音楽活動などの経験からアドリブ、即興の秘密を明らかにして見たいと思います。


2021年11月未明 友寄隆哉



1:自分のアドリブを絶対に人前で披露したくない人たち:日本の語学教育から学ぶ

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