自分なりの作曲法

歌を作るときには「詩先」「曲先」なんていわれますが、要は言葉から作るか、メロディから作るか、だったわけです。最近ではDJに近いミュージシャンだと「Trackから作る(リズムとコード)」というのもあると思いますが、自分の場合は「Trackから作る」に近いかなと思います。

まずはリズムパターンを決めて、そこにベースラインを乗っけて、和音とつけていく、という順序です。正確には、自分が鍵盤叩きということもあって「ベースと和音」は同時なのですが、でもどちらかといえば「ベースラインから作る」という感じかなと。

そうやってイントロからAメロ、Bメロ、サビ、ソロ、Cメロ、再びサビ、という感じで構成を作っていきます。だいたいAメロとBメロとサビで転調させるのですが、これはもう好みの問題かなと。

基本的な音としてはドラムとベースと和音(ピアノが多い)を先に作って、そこに装飾音を足していく感じです。ベルやLeadの音は付加的に、厚みを出したいときにはPadかストリングスを入れます。この作業は譜面に起こしているわけではないので、頭の中にある(確認すればLogicで見れますが)コード進行にあわせて載せていく感じです。

最後にメロディなのですが、自分がメロディから作らないのは、「手癖」が出てしまうからなんです。どうしても知っている(既存の曲)のメロディをなぞりたくなってしまうので、オケをだいたい作り終えてからメロディに写ります。まれにCメロだけはメロディが先のこともありますが、だいたいコード(オケ)を先に作ってからそこにメロディを乗せます。

これで手癖が出ないかと言えば、やはり出てしまうので、何度も打ち込みをし直すわけですが、あまりボーカルのことを考えたメロディにはなっていないという自覚はあります。音が動きすぎる、言葉を詰めすぎる、という意味で。音楽として成立していれば言葉は付加的なものだと思っているので、実際に歌い手さんに歌っていただくならもう少し考えますが、現状はVOCALOIDなのであまり気にしてないというか。

小室哲哉さんのデモなんか聞くと、もうオケもメロディもすべて完成されているんですよね。ちゃんと歌えるメロディになっているのが素晴らしいというか。一方で、大昔テレビでASKAが「YAH YAH YAH」のデモをチラ見せしてくれたときに、オケしかなくて、そこに鼻歌を乗せる感じで作っていたのは結構衝撃でした。「あ、メロディって後なんだ」という。吉田美和さんのソロアルバムのドキュメンタリー映像では、あの素晴らしいミュージシャンのオケと仮歌が流れていました。「あ、言葉は最後なんだ」と思ったわけです。

詩先で有名なのは槇原敬之さん、YOSHIKIさんは「手癖が出るので作曲は譜面で」と言っていましたが、自分は譜面に強くないのでやはり弾かないと曲は作れません。スガシカオさんの出来かけの譜面はコードだけでしたし、ジャズミュージシャンだとキメだけはオタマジャクシであとはコードだけ、みたいな譜面で作るようです。ギターで作るときはどうしてもコードからになってしまいますが、自分はギターコードのバリエーションが少ないのであまりやりません。

総括すると、自分はリズム、ベースラインとコード、構成、のあとにメロディを乗せます。もうその時のインスピレーションでしかないのですが。メロディから、となると、どうしてもなにかに引っ張られてしまう。クラシックにしろジャズにしろPopsにしろRockにしろ、そこそこの量を聞いているので、どうしても「なにかっぽい」ものになってしまう、のでやりません。

多分ですが、鍵盤叩きの人は「コードとメロディ」、ギター弾きの人は「コード」、ベースの人は「アレンジ」、ドラムの人は「メロディ」から作るのかなぁと思っています。

明日になったらどんな曲ができるのか、自分でもわからないので毎日が楽しみだったりします。

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