特定支出控除 補足 ~適用する人が少ない理由~

適当な設定を作って計算手順をみていきたいと思います。


1. 設定

  Fさん   給与収入        300万円
        特定支出        
        ・通勤費       30万円
        ・研修費       25万円
        ・勤務必要経費    20万円


2. 特定支出控除を適用した場合

  給与所得の計算
  ① 給与収入     300万円
  ② 給与所得控除   300万円×30%+18万円=108万円
  ③   特定支出控除額
               特定支出の額   30万円+25万円+20万円=75万円
    給与所得控除額  108万円
    特定支出控除額  75万円-108万円×1/2=21万円
  ④ 給与所得の額    300万円-108万円-21万円=171万円
 
  仮に所得控除が基礎控除だけだとして所得税を計算すると…
    171万円-38万円(基礎控除)=133万円
    133万円×5%=66,500円


3. 特定支出控除を適用しない場合

  2の条件で特定支出控除を適用しない場合の所得税も計算してみます。
  給与所得    300万円-108万円=192万円
  所得税の計算  192万円-38万円=154万円
           154万円×5%=77,000円


4. 感想

  上記でみると75万円も使ったのに所得税は10,500円しか減らない…
  そして、実際の申告では給与支払者に証明してもらわないといけない
  というハードルを考えると…
  ものすごく使い勝手の悪いものという感想しかありません。 


情報の整理、共有から始めていきます。 後々、節税や経費削減などの戦術的な情報を提供できたらと思います。