法人税 欠損金の繰戻還付
令和2年度の決算は、損失(赤字)となってしまう法人が多いのでは
ないでしょうか?
私は、お客様の数字をみていて
「当期は損失(赤字)かぁ…」とため息をつくことが、今年に入ってから
多くなりました。
しかし、『損失(赤字)だったから残念』で終わりではありません。
その損失をどうするのかということも考えなければいけません。
今回は、損失が出た場合の対応のひとつ、
欠損金の繰戻還付について、超ざっくりとまとめていきます。
※ 前年以前から申告をしている事業年度が1年である法人を
前提にまとめます。
1. 概要
★ 国税庁HPより
この制度は、青色申告書である確定申告書を提出する事業年度(適格合併における被合併法人の青色申告書である確定申告書を提出する最後事業年度を含みます。)に欠損金額が生じた場合(以下、この事業年度を「欠損事業年度」といいます。)において、その欠損金額をその事業年度開始の日前1年以内に開始したいずれかの事業年度(以下「還付所得事業年度」といいます。)に繰り戻して法人税額の還付を請求できるというものです。
とても丁寧に説明してくれています。
丁寧過ぎて、
税法に慣れていない人が見たら何を言っているのか分かりません!
なので、ざっくり読み替えます。
前年度が黒字で今年度が赤字の場合、前年度に納付した法人税の一部還付を受けることができます。
2. 対象
★国税庁HPより抜粋
・普通法人のうち、各事業年度終了の時において資本金の額若しくは出資
金の額が1億円以下であるもの
・青色申告書を提出する法人
・次の要件を満たすこと
イ 還付所得事業年度から欠損事業年度の前事業年度までの各事業年度
について連続して青色申告書である確定申告書を提出していること。
ロ 欠損事業年度の青色申告書である確定申告書をその提出期限までに
提出していること。
ハ 上記ロの確定申告書と同時(※)に欠損金の繰戻しによる還付請求書
を提出すること。
ここでも、ざっくり読み替えます。
資本金(又は出資金)の額が1億円以下の法人が対象。
前年度(黒字)から今年度(赤字)まで青色申告で申告をしており、
今年度(赤字)の申告書に欠損金の繰戻還付による請求書を付けて提出期限までに申告してください。
3. 還付金額の計算
還付金額の算式
(注) 法人が還付金額の計算の基礎として還付請求書に記載した金額が
限度となります。また、分母の金額が限度になります。
数字に当てはめて考えてみましょう。
前期の売上が「1,000万円」の黒字
前期に納付した法人税が「170万円」
今期の売上が「△500万円」の赤字
170万円 × 500万円 ÷ 1,000万円 = 85万
「85万円」が還付されます。
4. 新型コロナウイルスによる特例
適用対象を、資本金10億円以下の中堅企業にも拡大
5. おわりに
本来は、もっと細かい内容ですが制度の存在や大まかなイメージを
持つことが重要だと私は思っています。
なので、ざっくりと削ってまとめてみました。
まず、今回で知らなかった人は知って、細かいことを国税庁のホーム
ページで調べたり、近くの税務署に問い合わせたり、無料相談が利用
できるような地域であれば無料相談で相談したりして制度を活用して
いただければと思います。
知るところから始まって、動いて結果をだす。知ることが一番重要だと
私は思います。
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情報の整理、共有から始めていきます。
後々、節税や経費削減などの戦術的な情報を提供できたらと思います。