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さらば、愛しき人よ-4500年越しの離婚-
前世というものがある。
この人生すら難儀しているというのに、私は懲りずに何度も生まれ変わっているらしい。
袖振り合うも他生の縁と言うが、人生の中ですれ違う人はたいてい前世でも出会っている。
彼と私もそうだった。
一番古い前世は、古代バビロニア。
私は琴弾きの男性で、彼は勝気な女性だった。
私は自然の中で四六時中琴を奏で、彼は人間に興味のない私に苛立っていた。
その次は古代の韓国。
彼は賢君とも暴君とも言われた皇帝で、私は後宮仕えの侍女だった。
ラブロマンス的関係だったが、私は見捨てられて死んだ。地位も、名誉も、お金もなかったから、後宮に入れてもらえなかったのだ。
古代中国で、成金の嫁とイケメンの坊さんだったこともある。
幼馴染同士で婚約し、すったもんだの挙句、結婚式当日に破断した時代もあった。
どの時代を見ても、最後は別れ。それも、たいてい悲惨。
はっきり言って、相性が悪いとしかいいようがない。
それなのに、私たちは死ぬたびに再会を約束し、生まれるたび出会う。
呆れるほど、学習がない。
さて、今世も私は彼と出会った。昨年の事である。
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