「潰しておいて」のやり取りは存在するか?

「この馬、潰しておいて」
「分かりました」

というやり取りは「無い」とする、ネット上での論調が優勢だけれど、実際のところあるかないかで言えば「有る」話だと思っている。

以前僕が競馬場で働いていた際に、所属先の調教師と仲良くしていた他の調教師が、負けたレース後に馬主へ連絡し、その時に「潰してくれ」と言われたので「はい」と返事をしたという愚痴を聞いたことがある。

ただ「存在する話」とは言ったものの、疑問に思う点が多い。記事では「競馬場でのレース後に」「馬主と調教師の会話」「聞いた」「たびたび耳にした」とある。
「競馬場でのレース後に」「聞いた」ということは、競馬場まで所有馬の応援に駆け付けている馬主だということ。そういう馬主は出走回数が多く、毎月1回は走る地方競馬なら、さほど多くないはずだ。
そして「聞いた」とするのが一番解せないポイントで、第3者が居る前でそんな話をしないはずだからだ。
顔を直接見て、調教師に向かって「この馬潰してください」なんて言う馬主は居たとしても少数の少数派だろう。厩舎に行って話をするにしても、厩舎に行けば厩務員がいるかもしれない。日々世話してくれてる厩務員さんにそんな話を聞かせる訳にはいかない。
ここで「じゃあお前(僕)が、潰せのやり取りを聞いてるのは何でだ?」という話になるんだけれど、それは他厩舎だからだと思っている。調教師同士が愚痴を言い合ってるところにタバコ休憩で僕が聞き耳を立てていたというのも関係しているのだけど。 
厩務員さんにも「この馬は肉になるよ」なんて本当のことを調教師の先生は言わない。ただ、馬運車の形で分かってしまうけれど。と言うのが実態ではないか。
もっと言えば、調教師も馬主に「乗馬クラブ」が欲しいって言ってるんで無償で引き取って貰っていいですか?というやり取りをするけれど、その乗馬クラブは肥育業者で売ったカネを自分の財布に入れるとか、乗馬クラブも乗馬クラブで、競馬場から出したい馬を肥育に売れば50万・乗馬に売るなら30万で、馬主が乗馬にしてあげて欲しいからと言って乗馬に売っても、そのまま肥育に流して差額の20万を財布に入れる。乗馬に売ったあとを追いかける人は殆どいないから。 
だから「馬主と調教師の会話」「聞いた」「たびたび耳にした」と言うならば、普通の記者が聞ける話ではないし、もし馬主が絡んでいても自分の馬以外のことを話すことはないので、果たしてどういうルートで聞いたのか?非常に気になるところ。要するに、出所が怪しい話で盛ってると思う。ない話ではないけれど。

朝日新聞の有料記事にカネを払いたくもないので、この「会話を聞いた」とするのが誰なのかは分からない。ただ、僕のXで通知が来ていてそれを見る限りでは、朝日新聞の記事には「はやし由真よしまさ氏」が絡んでいるようだ。

僕の記事を昔から読んでくれている人にとって、林由真氏と言えばお馴染みの存在。

そして、朝日新聞はこの人のことを取り上げた過去がある。動いた業界の先駆者として思われているのでしょう。

自分は前々から言っているが、林由真氏は肥育場から救うというクラウドファンディングを立ち上げた時に、自身の所有馬であるエイシンミコノス号を売却した
いらなくなった自分の馬は売るのに、他人がいらなくなった馬を「肥育場」から買ってくる理由は果たして何か?
その辺りはマスコミも記事にしなかった。
触れられると都合が悪いからだろう 

そして、再度肥育場へ戻ってしまう可能性もゼロではないとクラウドファンディングに応援コメントを送ったTCCの山本高之代表もコメントしていた。
これは、林氏の肥育場から救うという取り組みがどれだけザルであるか?の証明になってしまっている。

朝日新聞は、都合のいい記事を書くためにそういう論調の業界人と交流を持ち、そういう業界人も自分の名前が出ると箔が付くから取材に協力するのだろうと思うけれど、その業界人がマトモであるかどうかの判断が出来ていないと僕は思っている。

少なくとも僕は、「今いる馬たちの道筋を作ったら馬主を休業」と言った人が、新たに馬を生産していることが信じられないし「馬主事業の経費」という話をするなら、新たに生産していることがおかしいと言わざるを得ないから、朝日新聞にはその辺りを取材して頂いて、その人は本当に大丈夫なのか?を確かめてほしい。
あと、都合の良い記事を書くために都合の良いコメントをしてくれる都合の良い人リストがあるならば、それは取材ではなくてただの持ちつ持たれつ。メディアの仕事だとは思えない。


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