日本の競走馬と海外の競走馬

この記事では、競走馬のことを書くが強さという観点ではなく、別の視点から触れた記事だ。

日本馬が海外へ遠征に行くことも増えて、競馬法も変わり海外の競馬に日本馬が出走する際には馬券が買えるようになった。
海外競馬を見る機会が増えている今だからこそ、見ていて気付くことはないだろうか?

これは二人引きの外側を女性が手綱に手を添えているところだが、日本ではこんなことをやる人はいない。足元も普通のパンプスだと思うけど、日本だったらバカじゃないの?怪我しても知らないよ?と言われそうだ。
だが、なぜこの状態なのにパドックで馬を引いて歩くか?と言えば、怪我をしない・怪我をすると思っていない・これまで怪我をしていないなどの理由があるからだろう。

しかもこれは香港で行われたG1レースのパドック。
これには、環境だったりいろんなことが複合的に影響してこうなっているのだろうけれど、そこに深く触れるような記事は誰も書いていないはずなので、自分独自の見解になるがまとめていきたい。

海外の競走馬は大人しい?

日本で競走馬と言えば、手がつけられない危険な馬というイメージがどうしてもあると思っている。実際のところ、そういう馬もいる。
前を通ると噛もうとしてきたり、人が馬房に入ってくるのを嫌がったり、いろんな馬がいる。これは万国共通だと思うけれど、その絶対数が多いのは日本だと思っている。

ヨーロッパの場合は、扱う者の巧拙はありますが、常に馬と会話していました。誉めて伸ばすタイプで、ただ馬が立っているだけというさりげないところで馬を誉めていました。でも悪いことをした時はしっかりと怒るというメリハリのある躾や取り扱い方をしていました。

2013年「いくせい」51号
中内田充正技術調教師(当時)のコメント

競走馬育成協会のHPから、見ることが出来る機関誌の「いくせい」51号では、育成技術講習会の講演録が記載されていて、この時のタイトルが「海外で競馬を学ぶ 海外経験者が「世界の馬づくり」を語る」だった。
その中で触れられていた1つが「馬の取り扱い方法における日本との違い」であり、今回僕が記事にしていることでもある。

先ほど「日本で競走馬と言えば、手がつけられない危険な馬というイメージがどうしてもあると思っている。」という話をしたが、それは競走馬の扱い方ひとつで変わってくる・変わってきたものなのかもしれない。
僕は海外で馬を触った経験がないから、ハッキリしたことは言えないが…

もし、日本でも海外のやり方を取り入れて、競走馬が少し大人しくなれば、引退後の未来が変わると思っている。
もし、未来が変わらなくとも、ちょっとした情報発信が出来るはず。以前、AbemaTVでカンニングの竹山さんが引退競走馬の問題に触れていたとき「競走馬は素人が乗れない・危ない」というようなことを言っていた。これは事実であるけれど、この「危ない」が独り歩きして世間がこの「危ない」を過剰に捉えている現実があると思う。
馬に乗ることも危ない・触るのも危ないとなって、馬と接触する機会が無くなってしまうのではないだろうか。そうなったら、馬のことを知らないで「競走馬って危ないんでしょ」という印象がついてしまう。そのなかで引退競走馬が肉になっていると知ったなら「競馬反対」と言い出す人が増えるのではないか。
僕は、本当のことを知ってほしいからこそ、大人しい馬もいる。もちろん危険な馬もいるけれど。と、業界が発信することも大事だと思っている。
そして、少しでも馬に対する印象が変われば乗馬の人口も増えるかもしれない。
馬は危ないけれど、そんなことを言い始めたらなんでも危ない。なんでも危ないからこそ、それと上手く付き合っていく方法を考えて生きていく訳であって、危ないからダメだとしていたら先がないように思う。
そんなことをいろいろ考えていた今日この頃。


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