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【あなたの知らない神曲図鑑】死ぬほど落ち込んときに聴きまくった名曲

世の中には、とてつもない数の音楽がある。

それなのに、流行りの曲しか聞かないのはあまりにももったいないじゃないか。

「あなたの知らない神曲図鑑」は、日々マイナーな音楽を収集している私が、そんな思いで始めたシリーズです。

たまたま見つけた曲ばかりなので、詳しい情報は何も知りません。聞いて気持ちよくなれれば良し!

今回は、私のプレイリストの中から「死ぬほど落ち込んだときに聴きまくった名曲」を紹介します。

記事一覧↓


1: 爆弾ジョニー 『唯一人(tadahitori)[Music Clip]』

本当に落ち込んだときはロックンロールしかない!と勝手に思ってるので、今回はロックンロール多めでお届けします。

この曲は、全部の歌詞が最高ですね。

周りの人たちや社会がどんどん変わっていく中で、1人だけ取り残されている感覚。

やりたいことはあるけど、どうせ無駄だと思って途中で諦めてしまう。

どうしても、「自分がするべきこと」「自分だけにしかできないこと」を探してしまっているからなのかもしれません。

そんな中で、サビの

君は世界にたった一人だよ
僕は世界にたった一人だよ
ねえ、そうでしょ?
君にしかできないことなんて
ないかもしれないけど
何もしないまま消えてゆくのかい~
「僕だって誰だって気持ちイイことがしたいだけえ!」

という歌詞は胸に刺さりまくります。

僕の場合ですけど、どうせ記事やコンテンツを作ったって誰も見てくれない。でも、せめてもの抵抗として続けるということだけはやろう。そう思わせてくれます。

はたから見れば、何もしていないのと同じかもしれない。けど、何かしらの痕跡を残してやるぞ!という気持ちで、頑張っていこう。辛いけど。

2: チャットモンチー 『「世界が終わる夜に」Music Video』

さっきの曲が勇気をくれる曲なら、この曲は絶望的な気分に浸らせてくれる曲です。

とことんまで絶望すると、「こんな世界無くなってしまえ!」という思いから、「消え去るべきなのは自分じゃないのか」と考えてしまうようになります。

だからこそ、「私が神様だったら、こんな世界は作らなかった」という歌詞が、心の叫びのように聞こえてきます。

無機質な感じのするAメロ、宙にフワフワと漂っているようなBメロ、壮大な雰囲気で世の中への絶望を歌うサビ。落ち込んだ気分と曲調がみごとに一致して、ある種の共鳴が聞こえてくるようです。

愛も人生もからっぽ、「ならどうすればいいんだ」ってなりますけど、からっぽの中を生きていくしかないんですよね。

3: 錯乱前戦 - タクシーマン

これでいいんです、これで。

本当に落ち込んでるときは、どんな言葉だって入ってきませんから。

それだったら、いっそのこと最高に無意味で最高にかっこいいサウンドに身を任せようじゃありませんか。

いやもう、音楽も歌詞もメンバーもMVも最高にかっこいい!

できる限り大音量で聞いて、思う存分暴れまくりましょう。それこそ、耳が壊れるぐらいに。

意味のあることばかり考えていたら、頭がおかしくなります。生きることの本質は、意味のあることにはないのかもしれません。

とにかく、音楽を聴いて楽しいと思える感情だけは本物です。

4: 【公式】 失敗作少女/かいりきベア・MARETU feat.初音ミク

たかがボカロ曲とあなどるなかれ。

この曲は、僕がこの記事で言いたいことを全部言語化してくれているかのような曲です。

「わたしって失敗作だってさ って いらない子なんだって」

そう、自分がどう思うかは関係なく、周囲から拒絶されている時点で、自分は失敗作だし不要な人間なのです。

間違いがあるとすれば、生まれてきたこと、そして自分らしく生きようとしたことです。

自分を貫くことが正しいのか、社会に合わせることが正しいのかはわかりません。

ただ、不器用な自分は変えられないし、私らしい私が社会に受け入れられなければ、やっぱり自分に生きる価値はないのでしょう。

「かいりきベア・MARETU」による最高のサウンドだからこそ、何度も聞いて、そのたびに自分の無力さを思い知ることになります。

ある意味で人間らしさを感じさせない「ボーカロイドらしさ」を極めた楽曲だからこそ、「人間として認められていない自分」みたいなものが、浮き彫りになってくる気がします。

自分なりに全力で生きたつもりでした。でも、やっぱり「自分なり」じゃダメだったんですよね・・・。

5: いなくていい人 / たま

「たま」の曲は前から好きでよく聞いていたのですが、この曲が持っている重みはちょっとレベルが違います。心にドシンとくる、と言えばいいのでしょうか。

「僕の仕事はいなくていい人」

こんなにも納得して、こんなにも虚無感に襲われるフレーズは他に見たことがありません。

会社で頑張っているあの人も、テレビやネットで有名なあの人も、世の中の役に立つ、という仕事をしています。

でも僕は、何もしていない。

本来なら生きるべきではないのでしょうが、人には人権があるので、じゃあ死ねというわけにはいきません。

だから、「死ぬべき人」ではなく「いなくていい人」なんです。

生きてたってなにもできない、かと言って、社会に大きな害をなすわけでもない。本当に、いたっていなくたってどっちでもいい、自分とはそんな人なんだな、と気づかせてくれる曲です。

歌詞の内容は、一見でたらめで抽象的ですが、やっぱり落ち込んでいるときは、「意味のあること」から逃げたくなります。

だからこそ、まるで幽霊になって世界を漂っているようなこの歌詞は、今の気分をすごく的確に表現しているように感じます。

「意味のある世界」から弾かれた僕は、ただ無意味に漂うしかないのです。

ハーモニカの音色が、まるで言葉となって語りかけてくるような気がしました。

6: フラワーカンパニーズ 『エンドロール』

落ち込んだときに聴くべきバンドは、間違いなく「フラワーカンパニーズ」です。

ダメな自分をそのまま歌にしてくれるフラカンは、どの曲を聴いても本当に元気が出ます。

ですが、この曲は励まされるというよりかは、絶望の中に叩き込むような曲です。

「正しい事って何だろう? 悪い奴ってどんな顔してるんだろう? 夢って昔は何色だった?」

こうした問題は、考えても絶対に答えが出ないんですよね。でも、考えてしまう。

自分が正しいと思って信じてきたことは、世間から見れば大きな間違いだった。生きる気力がなくなれば、夢がどんなものだったかなんて思い出せるわけもありません。

曲の途中で、チンピラに殴られながら、妄想の中でAV女優とセックスしてる主人公の姿が描かれるのですが、この映像を最初に見たときの衝撃はすごかったです。

これって、人生の本質なんですよね。

意味不明な理由で殴ってくるチンピラは、僕にとっての社会です。その中で、誰にも認められないことを続ける、自分では意味あることと思っていても、それはオナニーと同じなんです。つまり、意味がない。

僕もかろうじて、創作活動っぽいことを続けていますが、燃料が切れたらそれで終わりです。そうなったら、主人公と同じように死んでしまうのかもしれません。

エンドロール エンドロール ただ人間と名乗ってるだけで
エンドロール エンドロール 何にもできない肉のクズ
エンドロール エンドロール 誰か俺を罵ってくれ
エンドロール エンドロール 立てなくなるまでなじってくれ

特にやばいのは、ここの歌詞です。

ただ人間と名乗ってるだけで、何にもできない肉のクズ。

いや本当に、生きているだけじゃ人間にはなれないんですよね。

色んなことを考えて行き詰ってしまう、そんなもっとも人間らしく見える自分の姿が、本当は人間じゃない。こんなに恐ろしいことがあるでしょうか。

その次の歌詞もなかなかです。

大人になればなるほど、面と向かって怒られる機会は減ってきます。その代わり、笑顔で見捨てられたり、そもそも相手にされない、といったことは数えられないぐらい多くなります。

罵ってもらえないというのは、裏返せば期待されてない、どうでもいいと思われてるってことです。

もう、自分には罵る価値すらなくなった、これからまともな人間になる希望さえも、いつの間にか失ってしまったのかもしれません。

7: マイスリー全部ゆめ  PV  神聖かまってちゃん

長くなりましたが、最後にこの曲の話もさせてください。

この曲は、一番危険かもしれません。

人生に絶望して、「みんな殺してやる」と言ってみたり、薬を飲んだり、自殺を考えたりもする。

でも、究極の行為である自殺でさえ、周りからは「超キモイじゃんとか、誰、それ?」と言われてしまいます。

全部が塞がってるんです。何をしたって、絶対に世間からは理解してもらえない。

誰かに心配してほしいから、自分を傷つけてみても、結局は厄介者扱い。ただ悪化するだけです。

そうなったときに、何もしなくなる、本当の虚無が訪れるような気がします。

誰も話したい人なんかいない、だからこそ自分と話すしかないんです。

笑っちゃいますよね。こんなにも人がいるのに、心を許せる人は誰もいないなんて。

でも、時間は放っていてもどんどん過ぎていきます。だから、どうしても社会と関わらなければいけない時期がやってくるんです。

そして、また拒絶される。本当に、これ以上苦しめるのはやめてほしいです。

この曲は、やっぱり後半の部分が印象的です。

急に音が大きくなって、とんでもない音圧のコーラスが耳に流れ込んでくる。死ぬ間際って、本当にこんな音が鳴っている気がします。

何でもないときに聴くと、怖い音なんですが、落ち込んでいたら不思議とその感情は無くなります。むしろ、自分を暖かく迎えてくれるような感じです。

こんな不気味な音だって、あいつの声や顔に比べれば怖くもなんともありません。

寝てるんだか死んでるんだか、よく分からないけどもうそれでいいんです。結局、どちらも同じことですから。

自分という人間に、まともな感情が残っているのかはわかりません。ただ、苦しんでいる自分を遠くから見たときに、「かわいそう」という気持ちにはなります。

もう、自分すら自分でないような感じなんですよね。

ほんと、とんでもない名曲だと思います。

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