教育×IT|iUとマネーフォワードで学生の起業を応援!
こんにちは、マネーフォワード広報の田淵です。
年が明けて、2024年。今年は何か新しいことに「挑戦」したいと考えている方も多いのではないでしょうか?
マネーフォワードは昨年、東京都墨田区にある情報経営イノベーション専門職大学(以下「iU」)の学生200名の「挑戦」を応援する取り組みを行いました。
iUは2020年に誕生した専門職大学で、在学中に全員実際に起業するという、ユニークな取り組みをしています。
マネーフォワードはiUの学生に対し、バックオフィスSaaS『マネーフォワード クラウド』の無償提供の他、iUと共同で「会社設立DAY」を開催し、『マネーフォワード クラウド会計』を使った会社設立のサポートを行いました。
このnoteではiUが学生全員に起業を経験させるプログラムを実施している理由や、マネーフォワードがiUへの支援を決めた背景を、iU・マネーフォワードそれぞれのインタビューを通してお届けします!
インタビューに協力いただいたのは
実践的な教育でイノベーターを生み出す
ー まずはiUの学長、中村さんに伺います。授業のプログラムの一環として、実際に会社を設立するというのは日本でもかなり珍しいかと思いますが、徹底して実践にこだわる背景にはどういう想いがあるのでしょうか。
中村氏(以下敬称略):机上の勉強ではなく、実際にやってみることで学生が将来やりたいこと、そしてそれを実現するために必要な知識というのがより明確になると考えています。私自身は合格して大学に入ったものの、当時は何を勉強すれば良いかはっきり分からなかった。結局大学時代はギターに打ち込み、就職してからの方が勉強をしていました。でも早くやりたいことに気づいて必要なアクションが分かっていればもっと違う時間の使い方もあったと思うんです。
授業で実際に会社を設立するとなると、起業家を生み出すことが目的とよく誤解されますが、実は違います。あくまで起業は手段。起業を通じて学ぶことで、どんな場所でも変化を起こせるイノベーターがたくさん生まれてくれれば良いなと思っています。
ー iUは2020年に設立された新しい大学ですが、どういうきっかけで作られたのですか。
中村:アメリカの大学で過ごしていた時、日本に足りないのはこれだと思いました。日本の大学より産学連携が進んでいて、コミュニティのハブになるような環境で学生が育つ。そして、新しいものがどんどん生まれていく。日本もファミコンやウォークマン、アニメなど素晴らしいものが生まれているのに、大学発で生まれるものが少ないというのは最大の問題意識でした。でも、既存の大学の仕組みで作るのは難しく、新しく仕組みを作り直さなければいけないと思ったのが元々の発端です。
そこで、自分のブログで大学を作りたいという意思表明をしたのが6年前。そのブログで関心ある人はいませんかと呼びかけたら、すぐに20社位が賛同してくれました。みんな同じことを考えていたんだと思い、新しい形の大学の必要性を改めて実感しました。
ー 実際に大学を設立される際、こだわった部分はどのような点ですか。
中村:大学の根幹になっているのは「デジタルファースト」と「プロジェクトファースト」です。座学などスマホでできることはスマホでOK。キャンパスではビジネスプランを話し合うなど、プロジェクトを進めることに注力してもらいます。今回マネーフォワードと開催した「会社設立DAY」も全員必修のイノベーションプロジェクトの一環として開催しました。
また、コミュニティを作るというのも大事にしていますね。協力してくださる会社や人をどんどん巻き込み、現在客員教員の方は1,000人を超えています。起業家だけでなく、e-sportsのプロや音楽家など本当にたくさんの方に協力いただけています。やりたいことが見つからないという学生も、iUに来て多くの大人と交流すれば絶対見つかります。
ー iU生との交流で印象に残っているエピソードはありますか。
中村:iUの設立は2020年。ちょうど新型コロナウイルスの感染拡大と重なってしまいました。授業自体はデジタル化をしていたので問題無かったのですが、当時学生たちに「コロナはピンチか、それともチャンスか」という質問をしたんです。そしたら、全員「チャンス」と答えたんですよね。一般的にはマイナスと考えられることでもチャンスと捉えられる精神は学生から教えてもらいました。
これからの時代、良いことも悪いことも含めてたくさんの出来事が起こります。どんな変化が訪れてもiUの学生はチャンスに変えて乗り越えていってくれると思いますね。
ー 中村さんはイノベーターになるために一番重要なことは何だと考えていますか。
中村:一番重要なのは「辞めないこと」です。プロとアマチュアの違いは継続で、継続することでプロとして認められます。漫画家も作曲家も何作品も作り続けますよね。成功も失敗もありますが、続けること自体が大切だと思っています。
マネーフォワードだからこそ、できる支援がある
ー 続いて、今回のiUへの支援を決めたマネーフォワードの足立さんに話を聞きましょう。今回の支援はどのような背景で決まったのでしょうか。
足立:iUの客員教員の方がご自身の会社を設立する際に『マネーフォワード クラウド会社設立』を使ってくださって、そこからiUの学生にも バックオフィスSaaS『マネーフォワード クラウド』を使わせたいとご連絡いただいたのが始まりです。
そこから、実際に支援を決めたのは二つの理由があります。
一つ目はスタートアップから始まったマネーフォワードだからこそ学生に寄り添ったサポートができると思ったからです。マネーフォワードも元々は小さなスタートアップで、多くの方の支援のお陰でここまで成長しました。今回のiU生への支援は、次世代スタートアップ人材の育成にも繋がりますし、マネーフォワードがサステナビリティに取り組む上で重点テーマの一つとして掲げる「Society Forward(社会をもっと前へ。)」とも重なり親和性があると感じました。
二つ目は少し個人的な理由です。実は僕も大学時代に起業を目指していたんですよね。当時は頑張って投資家を集めるためにピッチをしたり、事業プランを考えたりしていたのですが、結局上手くいかずに、起業することなく終わってしまいました...。だからこそ、iUで学生のうちに全員起業を経験するというのは絶対良い経験だと思いましたし、応援したくなりました。
ー 足立さんは「会社設立DAY」も参加されていましたよね。学生との交流で印象に残っていることはありますか。
足立:今回は会社設立の基本から、会計のことまで幅広く講義をしたので、内容によっては初めて聞く言葉もあったかと思います。でも、想像以上に知らないことでも興味を持ってくれましたし、ビジネスに前向きな方が多いという印象でした。
アイディアは良いけど、まだ売るところまでは考えきれていないなとか、一生懸命ながら、学生さんらしい不完全な部分もあって、大学時代に起業を目指していた頃の自分と重なる部分もありました。これから学生が考えた事業アイディアがどう発展していくのか、とても楽しみです。
ー 「会社設立DAY」では実際に『マネーフォワード クラウド会社設立』を使った会社設立にチャレンジいただきましたね。
足立:そうですね。学生のみなさんに操作してもらったことで得た気づきもありました。なるべく分かりやすいようにサービスは作っているつもりでしたが、専門知識がほとんど無い方だと、少し難しい箇所もあって、どの知識レベルの方が使っても簡単に使えるように、まだまだサービス改善の余地はあるなと思いましたね。
ー 『マネーフォワード クラウド会社設立』を利用することで、どの位会社設立の手間を省けるのでしょうか。
足立:まず会社を設立する際には定款の作成が必要なのですが、定款にどういう情報を入れるべきかという情報収集は概ね省くことができます。定款に入れなくてはいけない資本金や事業目的などの項目は『マネーフォワード クラウド会社設立』を操作していただければ入力欄が出てきますので、順を追って入力いただければ網羅できます。
また、電子定款の作成を『マネーフォワード クラウド会社設立』経由で5,000円〜行政書士に依頼できるのも便利なポイントです。自分で電子定款を作成しようと思うと、特定のソフトを使って電子署名つきのPDFを作成したり、ICカードリーダーが必要だったりして少し大変です。定款の提出は紙でも良いのですが、紙の場合は収入印紙の代金が4万円かかるので多くの方が電子定款を選びます。
ー 今後もこういった支援は続けていきたいと考えていますか。
足立:今後もご要望があれば、続けていきたいと考えています。学生のうちに起業するというのは時間も労力もかかり大変なことも多いですが、自分がそうだったように、将来振り返ったときに、あの時大変な思いをしたから、今も頑張れると思えるような素敵な経験になると信じています。
あとがき
iUの中村学長とマネーフォワードの足立さん、二人の共通点は「自身の失敗を原動力に変えている」ということでした。中村学長は学生時代の遠回りが現在のiUの教育方針に、足立さんは起業の夢が叶わなかったという体験が今回のiUへの支援に繋がっていました。学生全員が起業することを掲げているiUですが、中村学長は「必ずしも成功する必要は無い、むしろ失敗する勢いで挑戦してほしい」と話していました。失敗経験を積んだ人が強いということをご自身で会得されているからこそのお話だったと思います。
これからもマネーフォワードは様々な形で、次世代を担うみなさんの挑戦を応援していきます。
イノベーションプロジェクトで会社を設立されたiU生のインタビューも公開されています。こちらもぜひご覧ください!