JPCA参加後記
ご無沙汰しています。
この記事を読んでくださっている方は、今どこで何をされているでしょうか。
私は今、プノンペンのホテルでこの記事を書いています。
なぜプノンペンにいるかについては、後ほどお話しますね。
今年5月に行われたJPCA2023、参加後記をずっと綴っていませんでした…。
今自分にとって新たなビックイベントに参加しているので、JPCAの振り返りはそろそろここに残しておこうかなと。
いざ名古屋駅へ
新幹線で名古屋駅へと向かい、あいにくの雨の中あおなみ線へ乗り換えて金城ふ頭まで。
名古屋に来るのは初めてでした!駅前の大通りは、バスタ新宿みたいな雰囲気。電車を降りて少し歩くと、右手にレゴランドが。道をまっすぐ進み、ポートメッセなごやにたどり着きました。展示に関して
JPCAの学会の一番の特徴は、学会という名称とは対照的なほどに、とっても明るくて活気に満ちていたことです。
今年は「医療とアートの学校」のブースが催され、医療者の取り組み、看護学生の取り組み、さらには町おこしイベントに取り組む非医療従事者の取り組みが紹介されていました。
彼らに共通する理念は、「病院が、日常に溶け込んだわくわくする場所になるように」という思い。
そんな理念をもつある町医者の方の発言が心に刺さりました。
「医師は人の弱みにつけ込む仕事だ」
病院へとやってくる患者さんは、抵抗する術を持たず、全てを医療者に委ねることしかできない。そのことの意味をこれまで本当に理解していただろうか…。
医師として生きることへの責任感と、昨年度の地域実習で実感した、医療が日常生活に流体物のように浸透して存在することの意義を、改めて実感させられました。地域医療と途上国医療について
この学会を通して、最も自分にとって深い学びとなったこと。それは、これまで考えもしなかった、「地域医療と途上国医療の共通性」です。
これまで、この二つは両極端にあるもののように感じていました。ただ、自分のような特定の故郷を持たない医療者にとって、決定的な共通点があることに気がつきました。
それは、「外部地域出身の医療者が地域に介入して医療を施す」ということ。
途上国の物資支援などにおいてもそうですが、外部の人間が支援を施す際、最も大切なことは、支援活動が支援者のエゴでしかない、という状況を必ず防ぐことにあると考えています。
衣料品の支援を行おうと国内で使い古された古着を途上国へ送ったところ、支援物資として届いた衣料品の質が現地で元来作られてきたものよりもよく、現地産業が成り立たなくなってしまった。というようなことが起きてはならないのです。
ただ、地域出身外の人間が介入するメリットも、地域出身の人間にしかできないことも、どちらも存在すると思います。
JPCA後の何度かの研究室での演習を経て、今後の自分の研究課題を、
「外部地域出身の医療者が、地域医療に従事する意義とはなんだろうか。」
さらにもう一歩踏み出して、
「医療者とまちの人々との『人脈』は、診療の役に立つのか。」
ということに、定めました。
この課題に国際医療の観点から向き合うために、プノンペンにいます。
今日からの数日間、じっくり考えていきたいと思います。
カンボジアでの日々については、また改めて記しますね。
最後まで読んでくださってありがとうございます。