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プロダクトの強い軸を作るために「大切なものランキング」を作ろう

こんにちは、Tablyの小城(@ozyozyo)です🎅
こちらは、Product Manager Advent Calendar 2019 Advent Calendar 2019 11日目の記事となります。

今日は弊社で利用している、プロダクトの軸をぶらさずに検討するための「大切なものランキング」について紹介しようとおもいます🎉
百聞は一見に如かず、「大切なものランキング」とはこのようなものです。

「大切なものランキング」
1. リリース半年後に、新規ユーザーの一週目継続率を40%
2. サービスが成り立たなくなるような重篤なバグが無いこと
3. 週の残業が8時間まで(リリースまで)
4. 2020年5月にリリースをすること
5. エンジニア3人(Aさん、Bさん、Cさん)で完結する
6. 週の残業が2時間まで
7. 直感的にすぐ使えるUI
8. 自分たちが作ったと胸をはれるプロダクトである
9. 2020年3月にリリースをすること
10. リリース3ヶ月後に、新規ユーザーの一週目継続率を40%

※ 決定事項
- この案件にかけられる予算(社内人件費除く)は2020年度1200万円まで
- リリース前には必ずMVPを作成し、少人数のユーザーグループにクローズドリリースを実施し、その結果を以て必要があればこのリストの優先度は再度検討する

※ 有効期限
2020年9月まで

アジャイルサムライ(*)のインセプションデッキ内で語られる、「荒ぶる四天王」として挙げられている「スコープ」「コスト 」「品質」「スケジュール」の4つと、チームで追加した項目を並び替えるトレードオフスライダーと似ています。

「大切なものランキング」の項目

1. ランキング
プロダクトをつくる上で「大切なもの」をランキング形式で書きます。
例えば、この例のランキングだと「リリース後3ヶ月で継続率が40%」も大切なことランキングに入ってはいますが「2020年5月にリリースをすること」のほうが大切なので、初回リリースは継続率が狙えなくてもまずは小さなスコープでリリースをすることが推奨されています。
また「週の残業が8時間まで(リリースまで)」も大切な項目ですので「重篤なバグがあるとき」以外は残業で解決をしない持続可能でホワイトなチームを維持することも合意事項です。

このランキングの項目はプロダクトに関わる全ての人が大切だと思う項目を記載します。弊社は小さいチームでプロダクト開発をしていますが、プロダクトが大きい場合はプロダクト全体のリストと、チームのリストを階層的に作成するのも良いかもしれません。

トレードオフスライダーと違って「大切なものランキング」は同じ指標の項目を数値を変えて複数並べることができます。例えば「できれば3月にリリースしたいが、最悪5月が必達」というときに、スケジュールという軸を分解し、「5月まで」と「3月まで」の間に他の項目を挟むことでより分かりやすい可視化を目指しています。

2. 決定事項
基本的には「大切なもの」は優先度を付けて柔軟に変更できることが良いですが中には制約条件として決まっていることもあります。決定されていることや、それ以外の前提事項はここに書いておきます。

3. 有効期限
「大切なものランキング」は必要に応じて変更していくのが良いですが、定期的に振り返ることを目的に有効期限を設けておきます。

なぜ「大切なものランキング」が必要なのか

エンジニアさんにちょっと機能を入れるだけの簡単な変更をお願いしたのに莫大な工数見積もりが返ってきてびっくりしたり、デザイナーさんにちょっとだけボタンの位置の変更を依頼したつもりなのに、苦い顔をされて大改修のような返事をされてしまうことはとてもよくある話だと思います。
彼らが口を揃えて言うのは「そんな設計になっていない」「そんな想定で作っていない」であり、「不可能ではないがやりたくない」ということもあるかもしれません。
そしてプロダクトマネージャーも、ステークホルダーやユーザーから「これくらいの簡単な機能追加くらいしてよ」と言われることがあり、プロダクトの設計というものは明確に言語化することが難しく、彼らの言うこともある前提では正しいものであるために、ついそれらの機能を追加してしまうこともあるでしょう。

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少なくとも「大切なものランキング」に反した意思決定が必要になるときには、プロダクト全体の見直しが必要であることを、プロダクトチームとステークホルダーで合意を取ってからプロダクトを開始することでブレない意思決定ができますし、プロダクトチームも納得感を持って仕事ができるはずです。

参考文献
(*) アジャイルサムライ−達人開発者への道
https://www.amazon.co.jp/dp/4274068560/ 

まとめ

兎にも角にも、何を大切にするのかをきちんと可視化するのはとても大切ですよね。年末のコードフリーズで少し手が空くようなタイミングや、年始の一発目の振り返り会やキックオフ会で今一度何を大切にするのかチームで話し合うきっかけにして頂けたら嬉しく思います。

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