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いかにしてライターになるか? 就職活動しなかった自分が裏口入学法をぼんやり話す・編プロ入学編5/15

というわけで、イマドキ編プロ経由でライターになりたい人なんているのかしら? と思いつつも、前Qさんや藤津さんに「実はいる」と言われたので、一応編プロ経営者として編プロ経由でライターになる方法? というものを思い付きでメモって言ってみようと思う。

ただし、お題を出してくださったお二人の経歴からすると、相談を持ち掛けてきた方は、「アニメライターになりたい」ってことかもしれないけれど。そっちは自分今は週刊SPA!でオススメ連載を書かせていただいたり、ビジネスに絡めてちょっと書いたり、一般誌で扱うときに呼ばれたりする程度で現在は精力的にしていない(というか呼ばれていないだけ)んで、ちょっとわかりかねる。ので、一般的な話をしてみようかな。

まず確認しておきたいこと。編プロに入社してなるものは、ライターというより編集のスキルであることがメイン。ライターだけなら編プロに入らなくても十分なることはできると考えています。なぜなら自分がそうだったから。そう、正規で編集の仕事を学ぶことなく編プロを立ち上げてしまったという超裏口入学なんですね、自分は。でも今回はまずは編プロからつらつらと書いていきたい。

編プロに入社するのは、マンガ系などの大手編プロや、特殊な大手プロ(Shoproなど)を目指すなら、素直に新卒頑張れとしかいうことはないし、そのほか実用系の中から大規模編プロでも、その実情はそんなに変わらなかったりする。むしろ、現状ではそのあたりの実用書系編プロは新人をしっかり採用するために施策を打つという段階にはないことが多くない。そのため募集もあまりなく、多くは前職も編集者だった方が多い中途入社が主力の印象です。

それでも、大々的に募集していないのにサイトをたどり、大手か中小の編プロの扉をいきなりたたくのはわりとアリなのでは。募集無くてもメール出してみるといい。運が良ければ面白がられるから。面白がられたら勝ちっていう側面は割とある。新卒はだいたい記念受験で大手出版社を複数受けて落ちて終わりという人が多いなか、調べてそこまでたどり着いたというのは、ライターの資質的に適性があるとみなされることが多いんじゃないかなあ。

で、どんな編プロが今オススメなのかってなったら……、実用書とか紙がとってもとっても好きなら社員15名以上の大き目の紙系編プロで、そうでなければ最近多数出てきているWeb系の編プロのほうがオススメかな。ネット情報でたどりやすいし、いわゆる本作りの知識はつかないけれど、その代わりネット業界・広告業界・出版と三つの分野を横断するフットワークが得られます。

給料も、広告代理店からのSNS運用やら定期運用のコピーライティングやらがあって多岐にわたるので平均するとWeb系の編プロのほうが経済的に恵まれがちです。独立もしやすそう。あと、メンバーが若いことが多い。また、案件ごとに扱う分野が変わったりするので、自分の好きな分野を手掛けやすい側面も。

でも、デメリットとしては納品が記事単位になったり、一個一個の案件が五月雨で毎月毎月終わりがないため、いつもずっとなんか忙しい、メール見るのが怖くなるなどがあるでしょう。

一つ注意してほしいのはいわゆるザ出版の紙系と、Web系は割と断絶していることが多いということ。紙系→Web系はそこそこ見ますが、Web系から紙系への転身は難しそうな印象はあります。

また、ネット系編プロは、広告代理店のコピーライターのアウトソースという側面が強いため、紙の本やいわゆるジャーナリズムとかに興味が少なくてWebのほうが身近で楽しそうでいいなって人は、中小の広告代理店の進捗管理・コピーライターのほうを狙ったほうが実はいいというアドバイスもさせていただきます。そのへんから、正社員という言葉がちゃんと正社員という意味を帯びてくるし、ボーナスとかもあるでしょう……。じゃあ、編プロの正社員って正社員じゃないの? という疑問は黙殺していきたい。いろいろあるんですよ……

裏口すぎて最下流からライターを始めた自分からのアドバイスとして、業界に入るときはできるだけ上流に入るということの大事さをしつこいほど強調しておきたい。これホントに大事。ホワイトな編プロという青い鳥を探す希望にかけるくらいなら、上流に潜り込む方法を考えたほうが良いなと思います。企業の広報とかね……オススメね……。

これだけ言ってもどうしても編プロに入りたい! 5人以下でも構わない! というかわいそうな人は、普通に応募なんかしてるワケないのでどうするかというと。

所属スタッフのTwitterを検索して登録して、その人たちの人となりをよく知ること。嫌いじゃない程度だと、絶対後悔するので、Twitterでの言動を見てマジでいいなと思うくらいの相手を探しましょう。そして、商業媒体に採用されていなくてもいいので、なにがしかの成果物を作っておくこと。このnoteでも全く問題ありません。この場合、ウリになりやすいのは、あなたの感性を語ったコラムやエッセイよりも、調べもの、インタビューものなどがちゃんとできるかどうかのほうがいいでしょう。マジでヤバいテクを話すと、彼らが忙しそうなときに「テープ起こししましょうか?」っていうと簡単にヤツらは落ちます。

文章がうまいかどうかは割とどうでも良いです。フットワークが軽そうな方が優先されます。あと、サブカルだけでもいいのである程度幅の広い横断的な教養ありそうならさらにヨシ。しかし一番ポイントになるのは、「名刺持って一人で取材に行かせても大丈夫そう」感です。

あと、文章テクの話。ぶっちゃけると書ける人は最初から読める文章が書けます。書けない人は最初からキビしいオーラが出ています。読める文章が書ける人は、3か月も実務をすることによってどこでも大体問題なく書けるようになるでしょう。

いずれにしても、編プロ入社した後は、人間をやめてゾンビになるくらいのつもりでいたほうがいいでしょう。これは労働環境がうんぬんの話ではなく(その話をすると都合が悪いという側面は否定しません)、ゾンビになっても意志が残る特殊な人種、みたいな人しか数年もちません。朝9時に出勤するくらいなら事務所で寝るほうがラクだよね? という問いに、「そうだね」と反射的に思える人でないならやめましょう。今回の自粛期間で、ストレスがたまった人なら、人種的に向いていない人である確率が高いので他の職種に行った方が経済的にも健康的にも、文化的にも幸せになれるかと思います。「好きなことを書いてお金をもらいたい!」という動機なら、他業種での知見を書くほうがお金にもなるし褒められますよ

編プロに行って居つく人間は、普通の企業に入社しても働き者なのに合わないなんてタイプが多いです。明るい社内なのになぜかそこにゾンビが!? みたいなね……人間の資質の中にゾンビってのがある人は編プロ向きです。

ひとまず、本日はこのあたりで。

また、このようになんでもいいので質問に答えていくという方式はラクだということに気づいた。そのため、マシマロで久保内に書いてほしいこと・質問などあればこちらから投稿してくださいね。


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