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リモートワークしながらリモートワークについての原稿を書いている5/7

昔ワクワクした攻殻機動隊でももう、現代日本の後追いになってしまっている昨今、それでもあの作品が自分にもたらしてくれた未来のテクノロジーがもたらす夢はまだ心の中に生きている。それはつまり……そう、首にUSB端子できて、差し込むだけで原稿が取り出せないかなっていうこと。あと、電子書籍そのまま脳に突っ込めないかなってこと。もっと言えば『除脂肪メソッド』取り込んだらその瞬間80kgほど痩せないかなって……。

原稿に追い詰まると首をさするのは、肩こりのせいだけではない。少年のころの夢を忘れていないからだの久保内ですけれど。

現在、締め切りを超えても特に連絡がなかったのでこれ幸いと置いておいたリモートワークの現状と展望についての記事を、「気が付いてたらGW終わっててそろそろ真剣にヤバいのでは」という強迫観念におされて書いている途中です。

で、その原稿を書くために身近なビジネスマンの方々にヒアリングをしている中で気になった点があったので、本チャンの原稿を書く前に頭の整理でメモを残しておこうと思う。

まず一点。割と大きな会社の方々でも、これまで社内資料持ち帰り禁止、データ持ち出し禁止とコンプライアンスとか厳しかったのがなし崩し的に、無法地帯に。社内システムを家庭でVPNでつないで、データを丸ッと落とせないようにしていても(この時点でほとんどない優秀さ。今回のリモートワーク導入で入れたアプリ圧倒的一位は『Skype』だ! 恐れおののけ!)、現状だとやりようはいくらでもありそうな点。まあ、その辺は零細編集業の私はどうなのかと言われたら目を泳がせるところではありますが。あと、リモートワーク中、ちゃんと机に座っているかどうかを確認するためにWEBカメラを繋げさせられるというのがなかなかグッとくる活用法でした。

二点目、リモートワークのメリット・デメリットをヒアリングしてみた。その中身自体はフリーランスのライター兼、下請けの出入りの業者であるところの自分には「その功罪はすでに20年前に通過した。見ろこの腹を。家だとつい食べ過ぎるとか、したり顔しているが、この20年物の腹の前でもう一度言ってみろ」と、サバンナのライオンのように目を細めながら遠い目をするようなかんじ。

 ただ、その現状を聞いた後の展望としては、割とビジネスマンの皆さん楽観的で、「これで、より効率的に働ける」とか、「仕事のステップが見える化して、有能な人が分かりやすくなる」とか、「郊外でも自由に働けるようになればいいな」とか、「より実力主義になるかも」、「必要ない飲み会にいかなくていい」などとおっしゃりがちでおじさんは心配になります。そんななんていうか、いいことっぽいことだらけなら、政府の働き方改革で推進したりしようとしないだろ!(ひどい言い方)



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正直、猫だけなでて暮らしたい

 これらのメリットは、20年前からその状況に身を置いている身からするら、全部「正社員という立場を危うくしていくファクター」ではないのかと強く危惧する次第です。前段で挙げたメリットの全部、はてなあたりでブクマされそうな「フリーランスになってよかったこと20個挙げていく」みたいなどうでもいいライフハック記事に書いてそうなことばっかり!

 そして、「机に座っているかどうかの確認」でWEBカメラを回させられていることに不満を述べる方が多いのも、すごくその気持ちに共感すると同時に危ういものを感じます。これで、会社に時間を捧げるというムーブを取り除き、成果物を渡せばよいという流れになると、それはもうフリーランスと同じ働き方なのではないか? つまり、フリーランスと代替え可能な地位に自らを置きに行ってるのではないか? ということ。

 企業側も、今後リモートワークへの注力は社会的にも求められるようになることは明らかなので、よりセキュアなリモートワークのために投資を加速せざるを得ないでしょう。そうすることで、社外への重要な情報の漏洩を防ぎ…… ん? これも、端末で作業する人正社員でもフリーでもいいってことになっていかない?

 ここ数十年、政府が個性や自由などを持ち出してやったフリーター、派遣社員、フリーランスなどは、ほんの一部には恩恵があったかもしれないけれど、全体的には労働者の力を奪ってきて、企業が有利な立場に置かれる結果になったのはご存知の通り。リモートワークの快適さに目覚めた現状のビジネスマンの皆さんは、その雇用の立場を守ったまま、降ってわいたフリーランス的自由の両方を享受する位置にタマタマ今置かれているだけだと思ったほうがいいと考えます。

 つまりは、取材がてらのよもやま話で「リモートワークで本業の仕事が効率化できたので、副業にも手を出そうかと思って! 例えばライターとか?」(こっちを見る)って感じですでにリモートワークにどっぷりハマりつつある友人にこの文を捧げるわけですけど。

 日本の労働の雰囲気はそんなに早く変わらない。変わるとすれば、それは従業員のコストを抑えられそうなときだけだ。

 という言葉を捧げたいと思います。新型コロナ後に、リモートワークを取り入れた働き方や、時間に縛られない&手取りの増えるリモートでの業務委託を会社が募り始めたら要注意ダゾ! とは言っておきたいと思います。

 今日はそんな感じで。よし、これを企業経営者向けにデータも添えて書いてうまくコストダウンを図るチャンスにしてはどうかって書きかえれば今日の仕事は終わり! 以上! 解散!

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