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アランの『幸福論』を卓球にフル活用しよう!①/5

いきなりですが、みなさんはなぜ、卓球をやっているのでしょうか。

「楽しいから!」
「勝ちたいから!」
「上手くなりたいから!」
「モテたいから!」
「チャックの匂いが好きだから!」

などいろいろあると思いますが、その根源には、

「幸せになりたいから!」

という共通のものがあります。



では、「幸福」とは一体何でしょう?

幸福を求めて卓球をやっているんだったら、幸福とは何か知っておいた方が良い気がします。

ということで、ここは哲学者の力を借りましょう。



「三大幸福論」なるものがあります。

ヒルティの「幸福論」(1891)
アランの「幸福論」(1925)
ラッセルの「幸福論」(1930)

今回は、アランの「幸福論」を取り上げます。

卓球に使えそうな34の項目を、ひたすらピックアップしていきます。



「ネガティブに考えてしまう…」
「なかなか上手くならない…」
「メンタルが弱い…」

という方は、絶対参考にしてください。



では、「卓球のための幸福論」の始まりです!


参考文献

「幸福論」
著 アラン
訳 田中裕子
幻冬舎エデュケーション

「幸福論」
著 アラン
訳 神谷幹夫
岩波文庫

「三大幸福論」
齋藤孝
コスミック出版

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情念の原因を探す

「本当の原因を知らない限り、情念を癒すことはできない」

【1.名馬ブケファロス】

怒りや恐怖などの抑えがたい強い感情を、情念と言います。

この情念は、本当の原因が分からない限り、消すことはできません。



卓球でも、情念に支配されてしまうことってありますよね。



試合終盤で、ドライブが打てなくなることがあります。

普段は入るドライブが、試合終盤だと入らなくなってしまいます。

「ヤバい!ドライブが入らない…」

という情念が生まれ、体が固くなっていきます。

これを解決させるには、情念の本当の原因を突き止めないといけません。



「メンタルが弱い」

なんていう曖昧な結論では、情念を消すことはできません。

もっと考えるのです。



回り込みのドライブが、いつもより打点が落ちている。

つまりその分、判断が遅れている。

「フォア側に来るかもしれない」という気持ちが、回り込みを躊躇させている。



このようにして、情念の本当の原因を探し出します。

そうすれば、

・躊躇せず回り込む
・躊躇するなら回り込まない

といった解決策を見つけることができます。



卓球をやっていると、情念は頻繁に僕たちに襲いかかります。

これをメンタルや性格のせいだと決めつけてはいけません。

本当の原因を探し出してあげましょう。


体の力を抜いて情念を追い出す

「食物を気管に入れようものなら、からだ中が大騒ぎを始める。」
「その時はどうしたらいいだろうか。」
「からだ全体の力を抜くことである。」

【2.いらだち】

情念は、体に力を入れさせます。



ドライブがなかなか決まらないと、

「もっと強く打たなきゃ!」

とムキになり、余計な力が入ってミスをしてしまいます。



情念に支配された人は、こうして自滅していくのです。



本当にすべきは、逆です。

力を抜くのです。



相手は、こちらのフォームを見てタイミングを図ります。

こちらの力が抜けていれば、相手は

「遅いボールが来る」

と思います。

そうなれば、そこまで強くないボールでも、相手はタイミングが遅れ、決まってくれます。



そう。

力を抜くと、決まらなかったボールも決まるようになるのです。



「もっと強く」
「もっと速く」

という思考は、情念に支配されている証拠です。

そんなときこそ「力を抜く」ことを心掛けてください。


幸せになるには意志が必要

「不幸な人間は、すばらしい出来事でさえもむなしいことだと一笑に付してしまう」

【3.悲しみのマリー】

同じ出来事も、捉え方次第で幸せにも不幸せにもなります。



練習でいつもよりドライブが入らないときも、ポジティブに捉えましょう。

「どうすれば入るか、見つけてやるぞ!」
「相手の球質に慣れてやるぞ!」
「ドライブを打たずに勝ってやるぞ!」

など、こんな状況すら楽しむのです。



しかし、人間は困難にぶち当たるとつい、

「なんで入らないんだ!」
「スランプだ…」

などと言って、情念が爆発してしまいます。



ネガティブに流されず、強い意志を持って、ポジティブに困難を楽しみましょう。


気の浮き沈みは体調次第

「深い悲しみはいつも、からだが病んでいることから出てくる」

【5.憂鬱】

卓球の調子が悪いのは、体調のせいです。



体が疲れているから、動きが遅くなります。

動きが遅いから、打点が遅れます。

打点が遅れているから、いつもは入るボールが入らないのです。



なので、卓球の調子が悪いときは、さっさと帰って、たくさん飯食って、たくさん寝ましょう。


調子の良いフリをする

「健康であるには、自分は病気だと思い込むのをやめて、まずは健康であるふりをすればいいのです。」

【7.恐怖という病】

眠れないのを心配する人ほど、不眠症になります。

胃の心配をする人ほど、胃腸をこわします。



同様に、卓球の調子を心配する人ほど、卓球の調子を落とします。

だから、真面目な人ほどスランプが長引くわけです。



なので、卓球の調子を上げたいなら、

「自分は調子が良い!」

と思い込みましょう。



調子が悪いときは、調子が良いフリをする。

焦っているときは、冷静なフリをする。

イライラしたときは、穏やかなフリをするのです。



では具体的に、どういった行動をすればいいでしょう。

それは、

「礼儀正しく、思いやりのこもった行動をすること」

です。

礼儀こそが、心のゆとりの表れなのです。


強引にでも微笑む

「不機嫌は直せない病気ではありません。
笑顔をつくり、ほほえむだけで不機嫌は直るはずです。」

【10.不機嫌という病】

微笑むことで解消できる感情はいろいろあるでしょう。

・緊張
・イライラ
・焦り
・不安
・弱気

あらゆるネガティブ感情に、微笑みは効くはずです。

ポジティブな顔を作っているうちに、本当にポジティブになってきます。



騙されたと思ってやってみてください。

伊藤選手を見習いましょう。


想像は膨らみすぎる

「われわれは痛みを苦しむことよりも、痛みを恐れる気持ちの方が強い。」

【13.事故】

ネガティブな想像をしてしまうと、何もできなくなってしまいます。



回り込もうと思ったときに、

「フォア側に打たれたらどうしよう…」

と想像してしまったら、周り込めなくなってしまいます。

でも実際にフォア側に打たれても、必死に手を伸ばせば届くこともありますし、届かなかったところでたかだか1失点です。

なので、

「1点ぐらいくれてやる!」

と覚悟して、潔く回り込んでやれば良いのです。



相手の強打をブロックをするときに、

「フォアに来るかなぁ…バックに来るかなぁ…」

と、予測が外れることを想像してしまうと、どっちつかずになり、結局どこに打たれてもブロックができなくなります。

でも実際は、強打をブロックできないのが普通です。

なので、

「ブロックできたらラッキー!」

ぐらいの軽い気持ちで、勘でどこかにラケットを出せば良いのです。



実際に起きたところで大した被害は無いにもかかわらず、ネガティブな想像というものはどんどん膨らんでいきます。

これによって、卓球選手は動けなくなってしまうのです。

どうか、ポジティブに考えるように努めましょう。



アランの『幸福論』を卓球にフル活用しよう!②/5

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