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アランの『幸福論』を卓球にフル活用しよう!④/5

悲しみに抵抗せよ

「喜びは、単純で、未熟で、権威がないと思われがちです。
一方、悲しみは、立派なものとされ、あまりにも尊重されすぎています。」

【55.愚痴】

人間はつい、ネガティブなことを言ってしまいます。

「全然ダメだ…」



しかし、感情は伝染します。

ネガティブなことを言っていると、周りまでネガティブになっていきます。

ポジティブな人やポジティブな言葉は、あなたから離れていきます。



ネガティブな人には、ネガティブな人や言葉が集り、ネガティブが自分に返ってきます。

ネガティブループが出来上がってしまうのです。



なので、どんなに苦しくても、ポジティブに考えるべきです。

「今はダメだけど、絶対に乗り越えられる!」

そうすれば、ポジティブが集まって来てくれます。



しかし、人間はこれがなかなかできません。

ポジティブは、なんとなくバカっぽい感じがするからです。

ネガティブの方が、頑張っていて立派な感じがします。

ネガティブの方に権威を感じ、そっちに流れてしまうのです。



ネガティブの誘惑に負けてはいけません。

ポジティブでいることが、本当の強さなのです。


情念の嘘を見抜け

「些細なことが原因で生まれた怒りは、心を波立たせたり筋肉をひきつらせたりすることでどんどんひどくなり、しまいには嵐のように激しい憤怒になります。」

【56.情念の罠】

情念は、頭の中でどんどん膨らみます。

努めて冷静に考えないと、情念に支配されてしまいます。



対戦相手の態度が悪いときに、

「なんだよコイツ!態度悪くてムカつくなぁ!」

と思うのは、もう情念に支配されています。



態度が悪いことにムカついているということは、

「態度を改めてほしい」

と思っているということです。

しかし、これは情念による嘘です。



冷静に相手を見てください。

相手はなぜ、態度が悪くなったのでしょうか。

どうやら、思うようにドライブが入らないことでイライラしているようです。

そして、イライラしていることで、余計にドライブが入らなくなってしまっています。



だったら、相手にはそのまま悪い態度で居続けてもらった方が、自分の勝率は上がりますよね?



つまり、相手の態度が悪いのは、喜ぶべきことです。

にも関わらず、あなたは情念の嘘に支配されて、相手の態度が悪いことにイライラしています。

情念が、勝利という本当の目的をどこかに追いやってしまっているのです。



試合をしているのに、勝利という目的を忘れてしまってはいけません。

どんな状況でも冷静に考えて、情念の嘘を見抜きましょう。


どうしようもできないことで苦しまない

「男性が悩むのは、女性が変わってくれることを望んでいるからです。
どうすることもできないことに抵抗しているから苦しいのです。」

【57.絶望】

自分ではどうすることもできないことで悩むのは、無駄に自分を苦しめるだけです。



「あのときにああすれば良かった…」

「あのときにもっとやっておけば良かった…」



なんて言って過去を悔やんだところで、何も変わりません。

何も変わらないのに考えても、それは時間の無駄です。



試合中も、

「あのドライブが入ってればなぁ…」

「あれをバック側に打っとけばなぁ…」

なんて考えるのは時間の無駄です。

その時間で次の作戦を考えるべきです。



そう。

考えるべきは「今のこと」です。

現状を理解し、未来に向けて進もうとする人が、本当に強い人なのです。


苦境の中で良いところを探そう

「もし今の状況のいいところを探して、それを自分に納得させられれば、きっとあなたは幸せになれるでしょう。」

【63.雨降り】

苦労の中に楽しみを見出せば、苦しみは和らぎます。



「スランプで全然入らない…」

とは言え、一球も入っていないわけではないはずです。

入ったときと入らなかったときで、どこかが違うわけです。

こうなったらもう、間違い探しです。

間違い探しってめっちゃ楽しいじゃないですか。

自分の卓球に間違いがいくつかあるので、それを見つけてください。

正解すれば、「上達」という豪華な景品が当たります。



「全然できるようにならない…」

とは言え、その技術ができる人もいます。

できる人とできない人で、どこかが違うわけです。

これももう、間違い探しです。

2人の映像に間違いがいくつかあるので、それを見つけてください。

正解すれば、「習得」という豪華な景品が当たります。


最大の敵は常に自分自身

「臆病は大きな障害である。
否、しばしば唯一の障害でさえある。」

【67.汝自らを知れ】

問題にぶつかったとき、自信のなさが最大の障害になります。

ドライブを打つ自信が無いから、ドライブが打てなくなってしまいます。

ラリーをする自信が無いから、無理に強打をしてミスをしてしまいます。

ブロックに自信が無いから、打たせまいと厳しいコースを狙い過ぎて、ミスをしてしまいます。

最大の敵はいつだって、自分自身なのです。



にも関わらず私たちは、目の前にいる対戦相手だけが敵だと思っています。

そう考えてしまうと、見えてこないものがあります。



相手にことごとくブロックされてしまっているときに、

「相手の守備力が高い…」

と、相手の能力に屈したと思いがちです。

しかし実際は、あなたがクロスにしか打っていないことが原因だったりします。

ストレートに打つ自信が無いから、クロスにばかり打ってしまい、相手に待たれてしまっているのです。

ストレートに打てば決まっていたのに、それができなかったあなたは、自分自身に負けたのです。



あなた自身の不安が、判断を誤らせます。

壁を乗り越えるには、ほんの少しの自信が必要なのです。


自分より他人のメンタルの方がコントロールしやすい

「自分自身の気分を支配することよりも他人の気分を直接支配する方が易しいのである。」

【71.親愛の情】

自分のメンタルを操るのは、至難の業です。



緊張しているときに、

「緊張するな!」

と思うと、余計に緊張します。



臆病になっているときに、

「思い切り攻めろ!」

と思っても、振れるようにはなりません。



自分のメンタルは、自分の言うことを全く聞かないのです。

一方で、相手のメンタルを操るのは、さほど難しくはありません。



相手が緊張しているならば、間を長く取りましょう。

「緊張するな!」

と相手は考え込み、余計に緊張します。



相手が臆病になっているならば、ドライブを打たせましょう。

「思い切り攻めろ!」

と、相手はドライブを打つたびに唱えるので、どんどん臆病になっていきます。



試合で思い通りに戦えないのは、自分を操ろうとするからです。

相手を操ることを、まずは考えてみてください。


上機嫌トレーニング

「普段なら罵り言葉を口走りたくなるときでも、あえて上機嫌になろうとするんだ。
坂道を上ると足が鍛えられるのと同じように、嫌なことは心のトレーニングになるよ。」

【74.上機嫌法】

最も大事なトレーニングは、筋トレでもなく、ランニングでもなく、心のトレーニングです。

常に上機嫌に振る舞うトレーニングが、何よりもあなたを強くします。



調子が悪くても。

思うような練習ができなくても。

相手の態度が悪くても。



どんなことが起こっても、上機嫌を貫くのです。

そしてこのトレーニングは、24時間いつでもできます。



愚痴る人。

悪口を言う人。

焦げたシチュー。

悪い天気。

スカスカの財布。



あらゆる物がトレーニング器具になります。

上機嫌トレーニングで心を鍛えれば、試合でどんなことが起こっても、冷静に対処できるようになります。


アランの『幸福論』を卓球にフル活用しよう!③/5
アランの『幸福論』を卓球にフル活用しよう!⑤/5

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