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戦い方は、消去法によって見えてきます。│タレブの『反脆弱性』を卓球にフル活用しよう!⑬

第6部 否定の道
ダビデでない部分を削り取る
ペテン師はどこにいる?

現実には、進化の過程で淘汰されたプロたちが使うのは、否定的な方法だ。チェスのグランドマスターはふつう、負けないことで勝ちを得る。人々は破綻しないことで金持ちになる。宗教はほとんど禁止事項で成り立っている。何を避けるべきかを学ぶのが人生だ。

卓球の試合では、自分の思い描いたことが上手く行かないことが多々あります。

むしろ、自分の思い通りの試合ができることなんて、ほとんどありません。

「上手くいかない中でどうするか」

を考えることが、試合では大切になります。



このときにやりがちなのが、

「上手く行っていないものを、上手くやろうとする」

という考え方です。



ドライブが中々入らないときに、

「次こそはドライブを決めてやる!」

と考えます。



しかし、今まで上手く行っていないものが次から上手く行くなんて、そんなに世の中簡単ではありません。

上手く行っていないものを上手くやろうとするのは、成功率が低いのです。



そうではなく、本当に必要なのは、

「上手く行っていないものは、やらない」

という考え方です。



兼好法師の名著『徒然草』で、双六の名人が、

「勝とうとして打ってはいけません。負けまいとして打つべきです。どんな手を打つと早く負けるかと考えて、その手を使わずに一目でも遅く負けるような手を打つべきです。」

と言っています。

卓球で必要な考え方も、まさにこれです。



ドライブが入らないなら、もうドライブを打つことを止めてしまいます。

これによって、自分がミスをするのを先延ばしすることができます。

こうして自分のミスが減ることで、相手が焦り、勝負を急ぎ、ミスをするようになるかもしれません。

他の要因でミスをするようになるかもしれません。

自分のミスを減らすことで、初めて活路を見出せるのです。



ということで、戦い方は消去法で決めてみてください。

上手く行っていないものを消していってください。

こうして残ってものが、あなたを助けてくれます。

⑫「攻守のバランスを取る」とは、「攻めと守りを常に半々にする」ということではありません。
⑭我々は、ドライブの役割を過大評価しています。

タレブの『反脆弱性』を卓球にフル活用しよう!

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